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田方 春樹(Haruki Tambo)

  • 2021-04-27
  • 2023-01-09

ロシアの気鋭ピアノトリオが描き出す日本の情景、懐かしさと近未来が同居するSF的ジャズ

ピアニスト/作曲家のエフゲニー・レベジェフ(Evgeny Lebedev)率いるモスクワのピアノトリオ、LRK Trio の2018年作『Urban Dreamer』。この作品の曲はLRK Trioの2017年に行われた日本ツアーに際してつくられたものだが、豊かな抒情性、サンプラーやエレクトロニカを効果的に用いた未来的なサウンド、トリオの高い演奏技術や多彩なゲストの参加など、とても面白い作品になっている。

  • 2021-04-25
  • 2023-04-30

ヒップホップからJAZZに目覚めた気鋭鍵盤奏者、UKジャズ先端を行く新譜

ジャズピアニストであり、同時にヒップホップのMCでもあるという肩書きを持つミュージシャンを探すことは容易ではないが、ロンドンの鍵盤奏者/SSW/MC/プロデューサーのアルファ・ミスト(Alfa Mist)は、これまでに2017年のデビュー作『Antiphon』などでそれらを両立する稀有な才能を示し証明してきた数少ないアーティストのひとりだ。

  • 2021-04-22
  • 2021-10-01

伊SSWジョー・バルビエリ、コロナ禍で祈るように創り上げた美しすぎる傑作

イタリアのSSW、ジョー・バルビエリ(Joe Barbieri)はこれまで全く聴いたことがなかったが、新譜『Tratto Da Una Storia Vera』が好みの超ど真ん中で驚いた。ジャジーで南米音楽の香りのする爽やかなアレンジに、伊達男な感じの優しく落ち着いた声。どうしてこんな素晴らしいアーティストを今まで聴いてこなかったんだろう…。

  • 2021-04-19
  • 2021-04-18

超絶ジャムバンド、ガレージ・ア・トロワ、原点回帰の新譜『Calm Down Cologne』

2015年以来活動休止状態となっていた人気ジャムバンド、ガレージ・ア・トロワ(Garage A Trois, 通称GAT)が帰ってきた。2021年4月リリースの新譜『Calm Down Cologne』は、ドラムスのスタントン・ムーア、サックス/キーボードのスケーリック、ギターのチャーリー・ハンターという1999年にデビューした当時の3人編成に立ち返ったガレージ・ア・トロワの恍惚の即興セッションが収録されている。

  • 2021-04-18
  • 2022-09-18

デンマークの歌手リリー、ギラッド・ヘクセルマンとの親密なアメリカン歌曲集

デンマークのジャズシンガー、リリー(Lilly)が、イスラエルのギター奏者ギラッド・ヘクセルマンと米国のコルネット奏者カーク・クナフキと共に録音した極上のアメリカン・ソングブック『The Song is You』をリリースした。リリーとギラッド・ヘクセルマンは2017年に『Tenderly』で共演しているので、今作はその続編という位置付けになる。

  • 2021-04-17
  • 2021-10-01

イスラエルジャズの巨匠アヴィシャイ・コーエン、交響楽団と演奏する中東音楽絵巻

イスラエルを代表するベーシスト/作曲家アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)新譜『Two Roses』は、ピアノに近年のレギュラートリオのメンバーでアゼルバイジャン出身のエルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)、ドラムスに2000年代に彼のトリオで活躍した米国出身のマーク・ジュリアナ(Mark Guiliana)を擁するコアトリオに加え、総勢92名のオーケストラと共演し録音した意欲的な作品だ。

  • 2021-04-16
  • 2023-09-19

必聴!スペインの素敵すぎる母娘デュオ、表現の幅を格段に広げた傑作2nd

トロンボーン奏者/ヴォーカリストのリタ・パイエス(Rita Payés)と、その母でギタリストのエリザベト・ローマ(Elisabeth Roma)が絶賛された前作『Imagina』(2019年)に続く2作目となるデュオアルバム『Como la Piel』をリリースした。ジョアン・チャモロの元を離れたリタ・パイエスは暖かさや優しさだけではない新たな側面も見せ、アーティストとしての表現力の幅を格段に広げている。

  • 2021-04-14
  • 2021-04-13

ヴィジェイ・アイヤー、新たなトリオで放つ“不安の時代”の音楽

現代のジャズシーンを代表する個性派ピアニスト/作曲家ヴィジェイ・アイヤーが、ベースにリンダ・メイ・ハン・オー、ドラムスにタイショーン・ソーリーという新たなトリオで初録音した新作『Uneasy』をECMからリリースした。テーマはアルバムのタイトルにもなっている「不安」。

  • 2021-04-13
  • 2021-10-01

ダニエル・ハーレフ新譜、イスラエル・ジャズ要注目レーベルSPEAK THRUからリリース!

イスラエルの要注目JAZZレーベルSPEAK THRUより、ベーシスト、ダニエル・ハーレフ(Daniel Harlev)の初リーダー作が登場。デジタルリリースされた『Ayanaw』はたった3曲入りのシングルでありながら、彼の独創的なコンポーザーとしての素質や、若手の実力者たちが集うクインテットの強固なアンサンブル、そして活況を見せるイスラエルのジャズシーンの最先端が凝縮された驚くべきクオリティの作品に仕上がっている。

  • 2021-04-12
  • 2021-04-12

バークリー音大出身の気鋭奏者たちが集う注目のバンド、クロスウォーク・アナーキー

ボストンのバンド、クロスウォーク・アナーキー(Crosswalk Anarchy)が面白い。鍵盤奏者/作曲家のエヴァン・ワーラマー(Evan Waaramaa)を中心とする5人組で、2019年にアルバム『Composite』でデビュー。ジャズ、ロック、ヒップホップ、R&Bなどに影響されたサウンドで、アルバム収録曲のジャンルも多岐にわたる。