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Electronic

エレクトロニック/電子音楽

  • 2025-08-06
  • 2025-08-06

言語を超越するモザンビーク出身SSWレナ・バウレ、伝統と未来を結ぶ深淵な傑作『Kumlango』

モザンビーク出身の歌手/作曲家/芸術活動家レナ・バウレ(Lenna Bahule)の新作『Kumlango』は、モザンビークやアフリカ南部の伝統音楽に由来する打楽器などによる優れたリズムに、効果的なエレクトロニック、そして広い音域を持つ彼女の柔らかく美しい声が融合するサウンドスケープが印象的な素晴らしいアルバムだ。国際的なミュージシャンも複数参加し、モザンビークを代表する芸術家として知られつつある彼女の活躍の舞台を世界に広げる。

  • 2025-08-05
  • 2025-08-04

デジタルクンビアとスークースの衝撃的融合。Ale Hop & Titi Bakorta『Mapambazuko』

アレ・ホップ&ティティ・バコルタ(Ale Hop & Titi Bakorta)名義の不思議なエレクトロ・ワールドミュージック『Mapambazuko』が、妙にクセになるサウンドで面白い。これはペルー出身の実験的エレクトロニック・ミュージシャン、アレ・ホップ(Ale Hop)ことアレハンドラ・カルデナス(Alejandra Cárdenas)と、コンゴ出身のギタリスト、ティティ・バコルタ(Titi Bakorta)によるコラボレーション・アルバムで、ウガンダを拠点とする気鋭レーベル「Nyege Nyege Tapes」からリリースされた。

  • 2025-08-01
  • 2025-08-01

即興音楽、エレクトロ、詩的世界が相互作用するフレッヂ・セルヴァ&トリスタン・バルボサの傑作

ブラジル・ミナスジェライス州出身で、ヴィブラフォン奏者として知られるフレッヂ・セルヴァ(Fred Selva)が、アルゼンチンの詩人/歌手トリスタン・バルボサ(Tristán Barbosa)と共同名義でリリースした新譜『O Arpão Do Irreal』が驚きだ。エレクトロニック・アーティスト/ソロ・パフォーマーとしてのフレッヂの魅力が爆発した内容となっており、作編曲、演奏、音響、歌、詩が一体となった孤高の空間へと誘う。

  • 2025-07-27
  • 2025-07-26

レバノンからパリに亡命したマルチ芸術家タニア・サレー、抑制された表現で伝える不安と希望

レバノンを代表する歌手、タニア・サレー(Tania Saleh)は母国の様々な状況(彼女はそれを“一連の不幸な出来事”と呼ぶ)から、ついに祖国を離れる選択をし、2022年にフランス・パリに移住した。彼女の最新作『Fragile』は、スーツケースに貼られた“壊れやすい”を表すその言葉の通り、故郷を離れることによる心理的な重荷や、亡命者が抱く根無し草のような感覚をテーマに作られている。

  • 2025-05-27
  • 2025-05-26

洗練されたドラムループと卓越したピアノ即興の幸せな融合。現代ジャズを牽引する二人の『Cinema Royal』

アヴィシャイ・コーエン・トリオへの参加で知られ、イスラエルの現代ジャズ・シーンを拡張する第一人者である鍵盤奏者ニタイ・ハーシュコヴィッツ(Nitai Hershkovits)と、新進気鋭レーベル「Stones Throw」を主催するプロデューサー/マルチ奏者リジョイサー(Rejoicer)による新しいプロジェクト、シネマ・ロイヤル(Cinema Royal)が始動し、最初のアルバム『Cinema Royal』がリリースされた。

  • 2024-09-22
  • 2024-12-31

イスラエルのSSWノガ・エレズ待望の新譜『THE VANDALIST』、欺瞞に満ちた社会への最後の抵抗

ずっと厭世的だった彼女の歌は、いよいよ絶望の色を極めてきた。イスラエルのシンガーソングライター/プロデューサー、ノガ・エレズ(Noga Erez)。新作アルバムに付けられたタイトルは『THE VANDALIST』。つまり、愛し尊ぶべきもの、美しいものの“破壊者”たちへの彼女なりの最後通牒なのだろう。

  • 2024-08-12
  • 2024-08-09

エディンバラの気鋭アーバン・ジャズ・デュオ、Edy Forey。大物も参加した驚異のデビュー作

英国エディンバラを拠点に活動する男女デュオ、エディ・フォーレイ(Edy Forey)のデビューアルバム『Culture Today』が絶品だ。ジャズ、ネオソウル、エレクトロニックなどが抜群のセンスで配合されたサウンドは多くのリスナーに強く訴求することができるだろう。

  • 2024-07-21
  • 2024-07-18

気鋭SSWリタ・ヴィアン、エレクトロニック・ファドで紡ぐ言葉と歌

ポルトガルのシンガーソングライター、リタ・ヴィアン(Rita Vian)による初のフルレンス・アルバム『Sensoreal』(2023年)。2021年のデビューEP『CAOS'A』がポルトガル・ミュージック・アワードの新人賞にノミネートされ話題となった気鋭アーティストが放つ絶妙のセンスのエレクトロニック・ファドだ。

  • 2024-06-26
  • 2024-06-26

伝統音楽を軸に、あらゆる革新的な表現を試みる傑作。AKB新譜『Bomba Pop』

結成から30年近くが経ってもなおその進化を止めないオランダの7人組バンド、アムステルダム・クレズマー・バンド(Amsterdam Klezmer Band, 通称:AKB)の2024年新作『Bomba Pop』。ウィーン在住のドイツ人DJ/プロデューサー、ダンケルブント(Dunkelbunt)ことウルフ・リンデマン(Ulf Lindemann)とのコラボレーションで、クレズマー、バルカン、スカ、ジャズ、ジプシー、オリエンタル、ヒップホップが融合した伝統的かつ前衛的な世界観を持った楽しい光景が繰り広げられる。

  • 2024-05-24
  • 2024-05-23

中東の葦笛ネイとエレクトロが融合したアンビエントジャズ。イツァーク・ヴェントゥーラ『Ein-Sof』

イスラエルのネイ奏者、イツァーク・ヴェントゥーラ(Itzhak Ventura)の新作『Ein-Sof』。プロデューサー/シンセサイザー奏者リジョイサー(Rejoicer)を迎え、エレクトロ・アンビエントな音像に溶け込むようなスピリチュアルなネイの演奏を聴くことができる。

  • 2024-05-04
  • 2024-05-04

世界が注目する新鋭女性ジャズドラマー、ロニ・カスピ。天才的ポップ感覚を発揮した初SSW作

2020年にドラマーとしてアヴィシャイ・コーエン・トリオ(Avishai Cohen Trio)に加入し、一躍現代を代表する女性ジャズドラマーとして知られることになったイスラエル出身のロニ・カスピ(Roni Kaspi)が、シンガーソングライターとしての才覚を発揮した初ソロ作『Poni』をリリースした。数年前から自身のプロジェクトとして心血を注ぐ“ロニポニ”(Roni Poni)の最初の集大成で、若い女性らしいポップ感覚と、奔放な自由さに溢れた魅力的な音楽に仕上がっている。

  • 2024-04-30
  • 2025-04-07

優しい肌感の極上シンセポップ、クリチバの3人組Tuyo新譜。アルトゥール・ヴェロカイも参加

2016年にブラジル・パラナ州クリチバで結成された未来派フォーク・ポップバンド、トゥイオ(Tuyo)が3枚目のアルバム『Paisagem』をリリースした。ジョカ(JOCA)、アルトゥール・ヴェロカイ(Arthur Verocai)やルエジ・ルナ(Luedji Luna)のゲスト参加も特筆すべき、極上のサウンドを楽しめるアルバム。

  • 2024-03-27
  • 2025-05-29

「聴く」よりも「感じる」。インド出身ガナーヴィヤが贈る、静謐かつ刺激的な音の空間

インド出身の歌手ガナーヴィヤ(Ganavya)の新譜『like the sky I've been too quiet』という作品を聴き、音楽の意味や価値についてあらためて気付かされるリスナーは多いだろう。極めて個性的なアーティストであるガナーヴィヤは、この特別なアルバムで南インドの伝統的な価値観やそこから生じた音楽をスピリチュアル・ジャズやエレクトロニック・ミュージックに手繰り寄せ、アンビエントなテクスチャーで繋ぎ合わせた。