サイケ・クンビアの現在地と未来のヴィジョンを示す Sonido Gallo Negro 新作
メキシコシティを拠点とするサイケデリック・クンビア・バンド、 ソニード・ガヨ・ネグロ(Sonido Gallo Negro)の通算5作目となるアルバム『CUMBIAVISION』。ペルビアン・クンビア(chicha)を基盤に、1970年代のサイケロック、サーフロック、アナログシンセ、オルガンなどを融合させた「サイケデリック・トロピカル」なサウンドで知られる彼らのこれまでの路線をさらに進化させ、(メキシコのソニデロ文化に根ざしたクンビア(クンビア・ソニデラ)を軸に、ハイエナジー、トラップやサイケデリックな実験性を大胆に織り交ぜた作品だ。
全編、音楽的な洗練からは程遠く、適度にいなたいが、そんなサウンドが妙にクセになる。心を無にして踊るための音楽であり、そうした類の音楽の中ではこのエキゾティズムがたまらない。
Sonido Gallo Negro は以前から世界各地のミュージシャンとのコラボレーションを行ってきたが、本作もさらにアフロ・グローバルな感覚を取り込んでいる。例えば(2)「CUMBIA DISCO ENERGY」にはメキシコシティを代表する巨大ディスコ・サウンドシステム(Sonido)のポリマルクス(Polymarchs)とのコラボで、(4)「YA LLEGAMOS」はガーナ出身のジョジョ・アボット(Jojo Abot)が参加。さらに(7)「PALACIO NEGRO」・(8)「SUAVECITO」にはメキシコを拠点に活動する女性ヴォーカル・デュオ、マリポサス・デル・アルマ(Mariposas Del Alma)が彩りを添える。
Sonido Gallo Negro プロフィール
ソニード・ガヨ・ネグロは2010年にメキシコシティで結成されたサイケデリック・クンビア・バンド。1960〜70年代のペルー産クンビア(チーチャ)を軸に、サーフ・ロック、ガレージ、ブーガルー、ソニデロ文化、ネオ・サイケデリアを融合した独創的なサウンドで国際的な評価を得ている。
ファズ・ギター、オルガン、テルミン、フルート、ラテン・パーカッションを駆使し、幻想的な映像演出を取り入れたライヴ・パフォーマンスでも知られる。
2012年のデビュー作『Cumbia Salvaje』以降、『Sendero Místico』『Mambo Cósmico』『Paganismo』などを発表し、2026年には5作目となる『CUMBIAVISION』をリリース。伝統的なクンビアを現代的な感覚で再構築する、メキシコを代表するラテン・サイケデリック・バンドのひとつである。