• 2024-07-26
  • 2024-07-24

ブラジルのSSWパウロ・オハナ、耳心地の良いジャジーなインディーロック『Língua na Orelha』

ブラジリア出身で現在はサンパウロを拠点に活動するシンガーソングライター、パウロ・オハナ(Paulo Ohana)の4枚目のアルバム『Língua na Orelha』。2本のギターを中心に、フェルナンド・サガワ(Fernando Sagawa)によるジャジーなサックスがアクセントとなったバンドサウンドに自然体のヴォーカル、爽やかで馴染みやすいメロディーラインが特徴的な親しみやすいアルバムだ。

  • 2024-07-25
  • 2024-07-24

Auster Loo、アフリカ、西洋、中東から日本までをも包む多国籍民族ジャズ

2016年に打楽器奏者シモン・ルルー(Simon Leleux)とフルート奏者リディー・トナール(Lydie Thonnard)の二人でアルバム『Rhythm and Breath』でデビューしたベルギーのデュオ、Auster Loo が多様なバックグラウンドを持つミュージシャンたちを迎えて制作した2ndアルバム 『Collective』をリリースした。アフリカから西洋、東洋まで、無国籍で混ざり合った豊かな音楽が楽しめる優れたワールドミュージック×ジャズの作品だ。

  • 2024-07-23
  • 2024-07-15

世界最高峰ドラマー、マーク・ジュリアナがたった一人で作り上げた独創的な音楽の世界

米国を代表するドラマー、マーク・ジュリアナ(Mark Guiliana)の新作、その名も『MARK』は、彼の独創的な音楽観を堪能できる作品となった。今作で彼はドラムスやパーカッションだけでなくピアノやシンセ、マリンバやヴィブラフォン、エレクトロニックにスポークン・ワードといったあらゆる表現手段をすべて自ら手がけている。

  • 2024-07-22
  • 2024-07-21

豊潤なギター・アンサンブルで魅せるクアルテート・マオガニ、結成30周年を記念する新譜

1994年に結成され、以来ジャンルを問わず“ブラジルの音”を表現し続けるギター・カルテット、クアルテート・マオガニ(Quarteto Maogani)。30周年の節目となる新作『Maogani Autoral』は、誰もが知る有名曲などはなく分かりやすさや派手さはないものの、真摯に音楽に向き合う彼ららしい美しく完璧なギター・アンサンブルに心を洗われるような素晴らしい作品だ。

  • 2024-07-21
  • 2024-07-18

気鋭SSWリタ・ヴィアン、エレクトロニック・ファドで紡ぐ言葉と歌

ポルトガルのシンガーソングライター、リタ・ヴィアン(Rita Vian)による初のフルレンス・アルバム『Sensoreal』(2023年)。2021年のデビューEP『CAOS'A』がポルトガル・ミュージック・アワードの新人賞にノミネートされ話題となった気鋭アーティストが放つ絶妙のセンスのエレクトロニック・ファドだ。

  • 2024-07-20
  • 2024-07-20

マルチェラ・カルボーニがハープで紡ぐ、珠玉のピエラヌンツィ曲集。これほど美しいジャズは他にない

1970年代以降、イタリアのジャズを牽引してきた巨匠ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)がつくった美しい詩や絵画のような曲たちを、ハープ奏者のマルチェラ・カルボーニ(Marcella Carboni)が再解釈した作品『Miradas』。ゲストにはピエラヌンツィの最大の理解者であるクラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)を迎え、目も眩むような耽美な世界が広がる。

  • 2024-07-19
  • 2024-07-18

音楽は異なる文化の壁を取り払い、共生を促す…イスラエルとイランの音楽家によるデュオ作

カナダに移民として渡った二人のアーティスト──イスラエル出身のマルチ奏者イタマール・エレズ(Itamar Erez)と、イラン出身の打楽器奏者ハミン・ホナリ(Hamin Honari)によるデュオ作『Migrant Voices』(移民の声)。中東の多様な音楽文化を自然に融合したギターとパーカッションの静かな邂逅が、とても美しい作品だ。

  • 2024-07-16
  • 2024-07-16

“パライーバの花”エルバ・ハマーリョ、フォホーの真髄を歌う新作『Isso Quer Dizer Amor』

なんと、これがキャリア通算40作目とのこと。1951年ブラジル北東部パライーバ州生まれの歌手エルバ・ハマーリョ(Elba Ramalho)の新作『Isso Quer Dizer Amor』は、親しみやすい伝統的なフォホーの素晴らしさを凝縮した作品だ。情熱的でエネルギーに満ちた歌唱は、とても御年72歳とは思えない。

  • 2024-07-15
  • 2024-07-15

気鋭トロンボーン奏者マルコム・ジヤネ、南アフリカや黒人文化の真実を語り継ぐ新譜『True Story』

南アフリカ・ヨハネスブルグのトロンボーン/鍵盤奏者/作曲家マルコム・ジヤネ(Malcolm Jiyane)の2ndアルバム『TRUE STORY』がリリースされた。数日間のセッションによって制作され、絶賛されたデビュー作『UMDALI』(2021年)と比べると素朴で映像的な音楽性はそのままに、より“声”による表現を効果的に取り入れ、注意深く練り上げられた作品といえるだろう。

  • 2024-07-14
  • 2024-07-14

モリコーネも久石譲も。新鋭ギター奏者プリニオ・フェルナンデスが奏でる映画史を彩る名曲たち

ブラジルの若手クラシック・ギタリスト、プリニオ・フェルナンデス(Plínio Fernandes)の新作EP『Cinema』は、その名のとおり映画音楽の名曲たちを演奏した作品だ。一部に多重録音も駆使し、クラシックギター1本で表現力豊かに演奏された映画史に残る数々の音楽は、多くの人々の脳裏に名場面を鮮やかに蘇らせるだろう。

  • 2024-07-14
  • 2024-07-14

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~⑩英国フィメールラッパーの登場と、クラシック「It’s a Shame」

ネイティブタンのフィメールラッパーとして真っ先に思い浮かべるのは、クイーン・ラティファ(Queen Latifah)だろう。そのクイーン・ラティファと楽曲「Lady First」で共演していたのがモニー・ラブ(Monie Love)である。今回はネイティブタン時代に残した2作のうち、代表作である90年の1stアルバム『Down to Earth』を取り上げていきたい。

  • 2024-07-14
  • 2024-07-13

ロンドンのジャズシーンで輝くシンガー、テス・ハースト 待望の新譜『HERstory』

2019年のデビューアルバム『These Days』が非常にクオリティ高く印象的だったロンドンのヴォーカリスト、テス・ハースト(Tess Hirst)の新作『HERstory』。今作は一応彼女のソロ名義であるものの、前作の共同名義人であるベーシストのダニエル・カシミール(Daniel Casimir)が作曲/演奏/プロデューサーとして参加しており、前作の正当な続編といえる。

  • 2024-07-13
  • 2024-10-21

カタルーニャの才媛リタ・パイエス、懐かしく斬新な独創的音楽観の沼へと誘う必聴の新譜

バルセロナの青少年ジャズバンド、サン・アンドレウ・ジャズバンド(Sant Andreu Jazz Band)出身の若きスターの一人、シンガーソングライター/トロンボーン奏者のリタ・パイエス(Rita Payes)が新作『De camino al camino』をリリースした。アーティストとして常に進化を続ける彼女は、耳心地のよい従来作との安易な比較を拒むほど独特のファンタジーな音楽観で、世界中のリスナーを魅了する。

  • 2024-07-12
  • 2024-07-12

セフィ・ジスリング新譜『The Librarian』 パレスチナとイスラエルの現実にも向き合う重要作

ジャズからファンク、エレクトロニックまで幅広くジャンルを跨いで活躍するイスラエルを代表するトランペット奏者、セフィ・ジスリング(Sefi Zisling)の3枚目のアルバム『The Librarian』。全6曲は彼が敬愛する人々への頌歌として作られており、彼のインスピレーションの源である妻や友人、敬愛するピアニストのマル・ウォルドロン、さらにはイスラエル警察によって殺されてしまった無実のパレスチナ人への追悼といった明確なテーマによって支えられている。