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2023

  • 2024-03-26
  • 2024-04-13

ユーロビジョン・アルメニア代表の男女デュオLADANIVAが魅せる国境なきワールドミュージック

毎年5月に開催されるヨーロッパ最大の音楽コンテスト、ユーロビジョン・ソング・コンテスト。エントリー曲で個人的には好みに刺さる曲はほとんどないのが通例だが、今年はめちゃくちゃ面白いアーティストがいた。それが、今回紹介のアルメニア代表として出場するラダニヴァ(Ladaniva)だ。

  • 2024-03-21
  • 2024-03-21

野心に満ちた究極的ブラス・オクテット、Brassology アレンジの妙技を楽しめる逸品

カナダで活躍するトランペッター、ブランドン・リドヌール(Brandon Ridenour)とWDRビッグバンドでの活動で世界的に知られるトロンボーン奏者マーシャル・ギルクス(Marshall Gilkes)。ともにジャズやクラシックといったジャンルの概念に捉われない音楽を探求し、ブラスの限界点を拡張しようとする2人が結成した新しいブラス・オクテット、ブラソロジー(Brassology)のアルバム『Brassology』。金管楽器のみ8人の編成で、非常によく練られていながらも挑戦的な音楽表現が新鮮なアルバムだ。

  • 2024-03-19
  • 2024-03-13

レス・ポールに芸名を与えられたドイツの知られざる名ギタリスト/シンガー、トルステン・グッズ新作

ドイツのジャズギタリスト/シンガーソングライター、トルステン・グッズ(Torsten Goods)の2023年新譜『Soul Searching』。ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)や欧州ジャズの名手たちをゲストに迎え、80〜90年代のフュージョン/スムースジャズの香りを感じさせる良質な作品だ。ギターのテクニックも、ソウルフルなヴォーカルも、AORからも影響された作編曲も、どれもがセンスに溢れている。

  • 2024-03-14
  • 2024-03-11

ソプラノ歌手マリアナ・フローレスが歌う古き良きアルゼンチン音楽集『Alfonsina』

アルゼンチン出身のソプラノ歌手マリアナ・フローレス(Mariana Flores)が、同じくアルゼンチンのマルチ奏者キト・ガト(Quito Gato)との共同プロジェクトでアルゼンチン音楽集『Alfonsina: Canciones Argentinas』をリリースした。(1)「Alfonsina y el Mar」や(10)「Dorotea, la Cautiva」などの名曲をシンプルかつ豊かな伴奏と美しいヴォーカルで聴かせる好盤だ。

  • 2024-02-29
  • 2024-02-28

ベネズエラ出身打楽器奏者オレステス・ゴメスが贈る、黄道12星座をテーマにしたクリミナル・ジャズ

ベネズエラで生まれ育ち、現在はメキシコに住むドラマー/パーカッショニスト/作曲家、オレステス・ゴメス(Orestes Gómez)の新作『Ascendentes』は、ジャズとアフロ・ヒップホップが高度に融合した心地よいアルバムだ。テーマは黄道十二星座で、各楽曲のタイトルにはスペイン語の星座名が付けられている。

  • 2024-02-27
  • 2024-02-22

ベボ・フェラ、金子飛鳥、カルロス・ブスキーニ。地上のどこでもない幻想的フォーク・ジャズ

この地球上のどこかにありそうでなさそうな魅力的なフォーク・ジャズ。イタリア、日本、そしてアルゼンチンという互いに大きく距離の離れた場所から集ったマエストロたちが繰り広げるあまりに美しい音楽だ。イタリアのギター奏者ベボ・フェラ(Bebo Ferra)、日本のヴァイオリニスト金子飛鳥(Aska Kaneko)、アルゼンチンのベース奏者カルロス・エル・テロ・ブスキーニ(Carlos "El Tero" Buschini)のトリオ作『Tres Continentes』(三大陸)。

  • 2024-02-25
  • 2024-02-25

バーデン・パウエルの“アフロ・ブラジレイロ性”を取り戻す試み。Glaw Nader『Tempo de Amor』

ブラジル・ミナスジェライス州ベロオリゾンチの歌手グラウ・ナデル(Glaw Nader)がデビューアルバム『Tempo de Amor』をリリースした。アフロ・ブレジレイロ(アフリカ系ブラジル人)の音楽や文化とジャズの相互作用を研究する彼女が、このアルバムで選んだテーマは黒人音楽家としてのバーデン・パウエルの再解釈だ。

  • 2024-02-24
  • 2024-02-22

多彩な表現力を持つ圧倒的な“声”。SSWドミニク・フィス=エメ新譜『Our Roots Run Deep』

声を中心に、思慮深く言葉を重ねていく印象的なR&Bだ。カナダ・モントリオールのシンガーソングライター、ドミニク・フィス=エメ(Dominique Fils-Aime)の2023年新譜『Our Roots Run Deep』。“私たちは地中深くに根差している”に始まる(1)「Our Roots Run Deep」から、“太陽まで登らせて”と歌う(13)「Feeling Like A Plant」まで、余計なものを注意深く削ぎ落としたサウンドをバックに彼女の物語を表現。有機的な流れはある種の必然性を持ち、リスナーをその映画のような物語の中に引き入れていく。

  • 2024-02-17
  • 2024-02-17

イラン出身。独創的なオリエンタル・プログレッシヴ・メタルが激アツなギタリスト、Shayan Javadi

イラン出身、現在は米国テキサス州ダラス在住の女性ギタリスト/作曲家シャイアン・ジャヴァディ(Shayan Javadi)が2023年11月にリリースしたデビュー作『Shawn Javadi』がかっこいい。チョン(CHON)やアニマルズ・アズ・リーダーズ(Animals As Leaders)、インターヴァルズ(Intervals)、ティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)といったプログレ、メタル、ジャズに影響を受けたという激烈なサウンドが印象的で、とにかく熱いアルバムだ。

  • 2024-02-16
  • 2024-02-15

静謐、だが人間のもっとも深層の情熱を感じさせる傑作。カタルーニャのSSWカロリーナ・アラバウ新譜

カタルーニャのシンガーソングライター、カロリーナ・アラバウ(Carolina Alabau)の第3作目となる『Una Frase Imaginada』。プロデューサー/ギタリストのハビエル・リモン(Javier Limón)と共同作業で作り出したこの傑作は、複雑すぎる社会の中で生きていく彼女の不安が、その繊細な表現を通じて霧のように目の前に存在しているような不思議な感覚を抱かせる。

  • 2024-02-13
  • 2024-02-12

アルメニアを代表する鬼才SSW、故・アルトゥール・グリゴリアンへの愛情溢れるトリビュート

長い闘病の末、2022年に63歳で亡くなったアルメニアを代表するシンガーソングライター、アルトゥール・グリゴリアン(Arthur Grigoryan, 1958 - 2022)。彼が残したアルメニアのポピュラー音楽史を彩る名曲をピアニストのバハグン・ハイラペティアン(Vahagn Hayrapetyan)、チェリストのアルチョーム・マヌーキアン(Artyom Manukyan)、そしてドラムス奏者アーマン・ムナツァカニャン(Arman Mnatsakanyan)が美しいジャズで奏でるトリビュート作『Music of Arthur Grigoryan』。

  • 2024-02-09
  • 2024-02-06

危険で魅力的な航海譚。ペール・マティセン新譜はグェン・レをギターに迎えた『Sounds of 3』第三弾!

ノルウェーのベーシスト、ペール・マティセン(Per Mathisen)が毎回メンバーを変えて挑む“ギタートリオ”プロジェクトの第三弾『Sounds of 3 Edition 3』。ベトナム系フランス人ギタリストのグェン・レ(Nguyên Lê)と、ノルウェーのドラマー、アウドゥン・クライヴェ(Audun Kleive)を迎え危険で魅力的な航海を描いていく。

  • 2024-02-06
  • 2024-02-05

圧倒的センスと技巧で注目されるシカゴ出身ピアニスト、ジャハーリ・スタンプリー 待望のデビュー作

デリック・ホッジとの共演や、ハービー・ハンコック・インスティテュート国際コンペティションでの優勝(2023年)で注目されるシカゴ生まれの若き天才ピアニスト、ジャハーリ・スタンプリー(Jahari Stampley)のデビュー・アルバム『Still Listening』(2023年)をまだ聴いていないなら、今すぐに聴いてみてほしい。今まさに上昇気流に乗った底知れぬ実力を秘めたアーティストの、爆発的なエネルギーを感じることができるはずだ。