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アメリカ

  • 2023-09-04
  • 2023-09-03

カナダを代表するジャズ歌手エミリー=クレア・バーロウ、鳥をテーマにした軽やかな絶品アルバム

カナダのジャズ・シンガー、エミリー=クレア・バーロウ(Emilie-Claire Barlow)の5年ぶり13枚目のアルバム『Spark Bird』は、空や鳥をテーマにした軽やかなジャズが楽しめる作品だ。収録曲はすべてカヴァー。(1)「Over the Rainbow」や(2)「Fais comme l'oiseau」、ジャズ・スタンダードの(3)「Skylark」といったように定番も交えつつ意外なところを突いた選曲も魅力的。

  • 2023-08-27
  • 2023-08-27

新世代ジャズ最注目のマルチ奏者コーシャス・クレイ、名門ブルーノートから『KARPEH』リリース

米国オハイオ州出身、近年注目のマルチ奏者/シンガーソングライター、コーシャス・クレイ(Cautious Clay)が名門ブルーノート・レコードからの最初のアルバム『KARPEH』をリリースした。アルバムタイトルは彼の本名に因んでおり、多彩な15曲は自伝的な要素も含む。ゲストにジュリアン・ラージ、アンブローズ・アキンムシーレ、イマニュエル・ウィルキンス、ジョエル・ロス、アルージ・アフタブといった現代ジャズ最高峰の面子を揃え、溢れ出る個性と才能をニューヨークの最先端のサウンドで表現する傑作に仕上がっている。

  • 2023-08-22
  • 2023-08-22

ジャズ/プログレのエイタン、クラシックのナタリー。コロナ禍でNYのピアニスト男女が急接近

パンデミックが最高潮に達した頃、ともにニューヨーク・マンハッタンに住む二人のピアニスト、エイタン・ケネル(Eitan Kenner)とナタリー・テネンバウム(Natalie Tenenbaum)はInstagramを通じてお互いの活動を知り、2020年8月に交際を開始した。ジャズ/プログレ畑のエイタンと、クラシック畑のナタリーだったが、二人はすぐにイスラエル・テルアビブの同じ高校の出身だということに気づき、それだけでなく音楽や黒人教会への同じ情熱を持っていることを知った。

  • 2023-08-18
  • 2023-08-17

ジョー・アルターマン、優しく美しいソロピアノ・アルバム『Solo Joe: Songs You Know』

ジョージア州アトランタ出身、ニューヨークで活動するピアニストのジョー・アルターマン(Joe Alterman)による初のソロピアノ作品『Solo Joe: Songs You Know』は、オーソドックスだが、だからこそ心地良い音が詰まった絶品のアルバムだ。全15曲はどれもが英語圏の有名な歌のカヴァーで、聴いたことがある曲も多いはず。

  • 2023-08-16
  • 2023-08-14

アンブローズ・アキンムシーレによる神懸り的トランペット独奏。新譜『Beauty is Enough』

米国のトランペット奏者アンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire)が自身のレーベルからリリースした新作『Beauty is Enough』は、現代ジャズ最高峰のトランペッターの“独り言”、つまり完全なソロ・トランペットのアルバムだ。特殊な奏法も駆使しつつ瞑想的に奏でられる全16曲は、トランペットという楽器が持つ無限の魅力に気付かせてくれる。

  • 2023-08-15
  • 2023-08-15

【特集】The Alchemistが認めた新星・Sideshowを形作るアンダーグラウンドHipHopの今

8月。新進気鋭のラッパー、Sideshow(サイドショー)の新作がリリースされた。現在のHipHopシーンを席巻するトラップとは一線を隠す彼の硬派なラップミュージックの背景に存在するアンダーグラウンドHipHopの重要人物の数々。本稿ではSideshowの新作『2MM DON'T JUST STAND THERE!』の紹介とともに、触れるべきアンダーグラウンドHipHopの今を体現する関連アーティストを紹介。

  • 2023-08-13
  • 2023-08-11

文化としてのジャズを継承する女性サックス奏者レイクシア・ベンジャミン、大事故からの復帰作

ニューヨークのサックス奏者、レイクシア・ベンジャミン(Lakecia Benjamin)の2023年1月リリースの新譜『Phoenix』。プロデューサーにテリ・リン・キャリントン(Terri Lyne Carrington)を迎え、さらにジョージア・アン・マルドロウ(Georgia Anne Muldrow)やダイアン・リーヴス(Dianne Reeves)といったゲストも参加した渾身の作品だ。

  • 2023-08-06
  • 2023-08-06

【特集】どこから聴けばいい?ブルーノート移籍のマルチアーティスト、ミシェル・ンデゲオチェロ作品のススメ

Funk、Jazz、HipHop、R&B、アフロビート…様々な音楽をジャンルレスに横断し、その独特のグルーヴで唯一無二の存在感を放つマルチアーティスト/ベーシスト、ミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)が今年ブルーノートから新作を発表した。本稿では多様なンデゲオチェロの作品群を改めてフィーチャー。デビュー30周年を迎える彼女のキャリアを振り返るとともに、これから彼女の音楽に触れる人は是非自分だけのお気に入りの一枚を見つけて欲しい

  • 2023-07-29
  • 2023-08-19

ポール・サイモンの生き様が詰まった新作『七つの詩篇』

ポール・サイモン(Paul Frederic Simon)は1941年10月13日、アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューアークのユダヤ人の中流家庭に生まれた。いつも聖書を読み、神が私たち全員に目を留めておられると信じて育った少年は、その後の長い人生を通じて、彼が“家族”と呼ぶ同じくユダヤ系のアート・ガーファンクル(Arthur Ira Garfunkel, 1941 - )とのデュオ時代を含め、史上最多の13度のグラミー賞を受賞し、ミュージシャンとしては唯一「世界で最も影響力のある100人」に選出されるほどの成功を収めた。

  • 2023-06-29
  • 2023-06-28

マイアミのジャムバンド Anemoia、ポップ&グルーヴィーな極上ジャズファンク『A Muser!』

米国フロリダ州マイアミを拠点に活動するプログレッシヴ・ジャズ・トリオのアネモイア(Anemoia)による3rdアルバム『A Muser!』がリリースされた。ジャムセッションでの即興演奏をベースに様々なアイディアを試し構築された全8曲は創造的でグルーヴィーで、基本的にインストゥルメンタルだがメロディは口ずさめるほどに適度にポップで聴きやすい。

  • 2023-06-22
  • 2023-06-21

大事故から復帰したピアニスト/数学者アンドリュー・ムーアヘッドのデビュー作『Interleaved』

テキサス州ヒューストン生まれのピアニスト/作曲家/数学者アンドリュー・ムーアヘッド(Andrew Moorhead)が同郷のベーシスト、マルコス・ヴァレラ(Marcos Varela)と、米国を代表するドラマーの一人であるアリ・ホーニグ(Ari Hoenig)とのトリオでデビューアルバム『Interleaved』をリリースしている。

  • 2023-06-19
  • 2023-10-07

現代ジャズを代表する女性ベーシスト、リンダ・メイ・ハン・オー 深淵な問いに対する彼女の答え

現代ジャズ最高峰のベーシストのひとり、リンダ・メイ・ハン・オー(Linda May Han Oh)のアルバムはいつも深淵なテーマが提示される。2023年の彼女の新譜のタイトルは『The Glass Hours』。人間がそれぞれ個々に持っている時間のあまりの短さ、その中で個人としてできることへの思索。自分ではどうしようもないように思える社会や国家の問題──。自らの非力さを嘆くところから、ガラスのように脆弱な時間という発想が浮かんだ。

  • 2023-06-18
  • 2023-06-17

ギターとトロンボーンと歌。絶世の美しさの夫婦デュオ新作『Auburn Whisper』

カリフォルニア州出身のトロンボーン奏者/歌手のナタリー・クレスマン(Natalie Cressman)と、ブラジル生まれのギタリスト/歌手イアン・ファキーニ(Ian Faquini)のデュオによる第二弾アルバム『Auburn Whisper』。絶賛された前作『Setting Rays of Summer』から3年。深い音楽的パートナーシップを経て夫婦となった二人による今作は、より温かみを増した極上の音に満ちている。

  • 2023-06-14
  • 2023-06-14

00年代R&Bの復権。ケンドリック・ラマーも認める新たなDiva、SZAの最新作『SOS』

メジャーデビューアルバム『Ctrl』は2018年の第60回グラミー賞では主要部門〈最優秀新人賞〉を含む計5部門という女性最多ノミネートを達成。Doja Cat(ドージャ・キャット)とのコラボ曲「Kiss Me More」では「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」を受賞と、名実ともに一流アーティストの仲間入りを果たしている。それから5年。新人アーティストとしては非常に長いスパンでの発表となった最新作『SOS』は、5年間の思いと苦悩が詰まった全23曲の大長編に仕上がった。