- 2022-07-03
- 2022-07-03
トリオ・コヘンチの鍵盤奏者ファビオ・トーレス、MPBやブラジリアン・ジャズに再訪問するソロ新譜
ブラジルのピアニスト、ファビオ・トーレス(Fábio Torres)がジョアン・ボスコやシコ・ブアルキ、A.C.ジョビンなどの名曲をソロピアノで演奏した2022年新譜『Sarau』は、素材の良さを活かした卓越した演奏が満喫できる、ピアノ好き&ブラジル音楽好きには堪らない作品だ。
ブラジルのピアニスト、ファビオ・トーレス(Fábio Torres)がジョアン・ボスコやシコ・ブアルキ、A.C.ジョビンなどの名曲をソロピアノで演奏した2022年新譜『Sarau』は、素材の良さを活かした卓越した演奏が満喫できる、ピアノ好き&ブラジル音楽好きには堪らない作品だ。
セッサ(Sessa)のステージネームで知られるセルジオ・サイエギ(Sérgio Sayeg)が新作『Estrela Acesa』をリリース。彼が気だるく甘美に歌う内容は、実際はパンデミックの世界やファシストの大統領が支配する社会への批判で、少ないコードとシンプルな楽曲構成ながらひとつひとつのハーモニーには複雑な響きがあり、淡々と刻まれるリズムにも人生の儚さへの憂いや何かへの躊躇すら感じさせる。
ブラジル・ミナスジェライスの音楽を裏方的に支えてきたプロデューサー/作曲家/マルチ奏者のデイヴィド・サントス(Deivid Santos)がキャリア初となる自身名義のアルバム『Em Casa』をリリースした。サンバやフォホーといった土着のリズムに根ざしたミナスの風土らしい爽やかなジャズで、トニーニョ・オルタを彷彿させるまろやかな音色とテクニックのギターに加え、ブラジルを代表するミュージシャンが楽曲毎に立ち替わり参加し卓越した演奏を聴かせてくれる注目すべき作品に仕上がっている。
ブラジル出身のシンガーソングライター、ミルラ・ヒオマール(Mirla Riomar)のデビュー作『Afrobrasileira』は、ブラジルに住んでいた/あるいは連れてこられた人々が歴史的に育んできた豊かな音楽文化を現代に伝え、未来へと繋いでいく素晴らしい作品だ。
ワシントン州シアトルに生まれ、ブラジルに移住し2000年代初頭にブラジルの民族音楽とヒップホップやベイス・ミュージックを組み合わせ、グローバル・ベイスのムーヴメントの立役者の一人となったDJ/プロデューサー、マガ・ボー(Maga Bo)が実に10年ぶりの新作『Amor (É Revolução)』をリリースした。
現代ブラジル屈指のショーロ・ピアニスト、エルクレス・ゴメス(Hércules Gomes)の新作EP『Sarau Tupynambá』は、ショーロ黎明期の作曲家マルセロ・トゥピナンバ(Marcello Tupynamba, 1889 - 1953)の作品集だ。全4曲とボリュームは物足りないものの、 ブラジルを代表するピアニストの一人となったエルクレス・ゴメスによる珠玉のショーロを楽しめる絶品となっている。
プログレを原点とし、ジャズやフラメンコなど幅広いスタイルで活躍するスペインのピアニスト/作曲家チャノ・ドミンゲス(Chano Dominguez)、ペルーの楽器カホンを初めてフラメンコの世界に持ち込んだブラジルの打楽器奏者ルベン・ダンタス(Rubem Dantas)、ブラジルの天才的バンドリン奏者アミルトン・ヂ・オランダ(Hamilton de Holanda)というレジェンド級の3人が集い、誕生したアルバム『Chabem』。
弦楽器の美しい響きを堪能できる最高の音楽だ。ブラジルの7弦ギター奏者アレサンドロ・ペネッシ(Alessandro Penezzi)と、バンドリン奏者ファビオ・ペロン(Fábio Peron)の初のデュオ作品『Alessandro Penezzi e Fábio Peron』。
サンパウロに住むピアニストのサロマォン・ソアレス(Salomão Soares)と歌手ヴァネッサ・モレーノ(Vanessa Moreno)による『Yatra-Tá』(2021年)は、数々のMPBの名曲を即興性の高い自由なピアノとヴォーカルのみでカヴァーした素晴らしい作品だ。
現代最高峰のジャズ・ハーモニカ奏者/作曲家のガブリエル・グロッシ(Gabriel Grossi)の新譜『Plural』は、ブラジル音楽を牽引する巨匠たちや各国の著名な音楽家を多数ゲストに迎えたとりわけ豪華な一枚だ。先駆者トゥーツ・シールマンスの生誕100周年という記念すべき日に放たれた、ジャズ・ハーモニカの金字塔的作品。
アコーディオン奏者トニーニョ・フェハグッチ(Toninho Ferragutti)とクラリネット奏者ナイロール・プロヴェータ(Nailor Proveta)の二人はともに今日まで豊かなブラジル音楽の土壌を耕し続けてきた。共通点の多い二人はいつしかデュオ演奏の夢を抱くようになったが、それが2022年になってようやく『Bagualina』というアルバムとして結実した。
3月に80歳になったばかりのフローラ・プリムの2022年新譜『If You Will』。前作から実に17年ぶりだが、驚くことに歌も楽曲も全く翳りや衰えは感じられず、変わらずに“フローラ・プリム”としか言い表せない世界観が表現されている。「500 Miles High」などの名曲の再演も!
近年のミナスの傑作にも名を連ねてきた女性歌手ソフィア・クペルチーノ(Sofia Cupertino)の待望のデビュー作『Venusiana』が登場した。
音楽活動55周年を迎えたブラジルのギタリスト/作曲家のエドゥアルド・グヂン(Eduardo Gudin)の18枚目となる新譜『Valsas, choros e canções』は、その名の通りヴァルサ(ワルツ)、ショーロ、カンサォン(歌)というブラジル音楽の真髄を極めた絶品。