- 2020-10-31
- 2021-07-02
ベン・ウェンデル、特異な超絶クインテットによる新譜『High Hearts』
米国のサックス奏者/作曲家ベン・ウェンデル(Ben Wendel)による5枚目のアルバム『High Heart』がリリースされた。2019年から活動を共にするメンバー6人編成で、特徴的なのはシャイ・マエストロとジェラルド・クレイトンという2枚の鍵盤奏者、そしてスキャット歌手マイケル・メイヨーの存在。
米国のサックス奏者/作曲家ベン・ウェンデル(Ben Wendel)による5枚目のアルバム『High Heart』がリリースされた。2019年から活動を共にするメンバー6人編成で、特徴的なのはシャイ・マエストロとジェラルド・クレイトンという2枚の鍵盤奏者、そしてスキャット歌手マイケル・メイヨーの存在。
現代ジャズで最も高い評価を得ている7人の女性アーティストたちが結集したスーパーグループ、アルテミス(ARTEMIS)がブルーノート・レコーズからデビューした。北米、南米、中東、欧州、そして日本…地域を超え最高の女性奏者が結集し傑出した演奏を聴かせてくれる必聴盤だ。
UK新世代ジャズトリオ、ママール・ハンズ(Mammal Hands)の2020年新譜『Captured Spirits』。目の眩むような強烈なポリリズムの(1)「Ithaca」で始まる今作は、サックス、ピアノ、ドラムス&タブラというこの個性的なトリオのあらゆる魅力が凝縮されている。
聴けば自然と体が動き出さずにはいられないようなラテン気質のジャズから、ヨーロッパ的な叙情まで幅広いスタイルが魅力的。キューバの若手実力派ピアニスト/作曲家のアロルド・ロペス・ヌッサ(Harold López-Nussa)の新譜『Te Lo Dije』は現代最高のラテンジャズ作品のひとつと言っても過言ではないだろう。
デンマーク出身のベーシスト、アンネ・メテ・イヴェルセン(Anne Mette Iversen)の新譜『Racing a Butterfly』は、「これまでで最も幸せでリラックスしたアルバム」と彼女が語るとおり、緻密な作曲・アレンジでありながらも長年活動をともにしてきた仲間たちとの信頼感に裏打ちされた誠実で心地よいグルーヴに溢れた良作だ。
エルダッド・ツィトリン(Eldad Zitrin)は様々な楽器をルーパーを用いてリアルタイムで多重録音し、音楽を築き上げているスタイルで知られるワンマンバンドだ。2018年のEP『Three Old Words』は、彼が一人で作り上げていくハイセンスなサウンドと、個性的なゲストとの交錯による化学反応がとても面白い作品。
『ジャコ・パストリアスの肖像(原題:Jaco Pastorius)』(1976年)は、間違いなく私がもっとも影響を受けた音楽作品のひとつだ。20代の始めでこのアルバムに出会って、それから20年近く経った今でもこの音を聴くと興奮する。
ヴォーカルのターニャ・アイヤー(Thanya Iyer)を中心とするカナダのスリーピースバンド、Thanya Iyerの音楽は実験的でありながら穏やかな聴き心地があり、懐かしさと新しさの不思議な感覚を併せ持つ。
世界中の音楽をジャズの言語の中に落とし込み、これまでボーダーレスに活躍してきた3人のアメリカ人ミュージシャン──ギターのブラッド・シェピク、ベースのサム・ミナイエ、ドラムスのジョン・ハドフィールドがトリオを結成し創り上げたアルバムがこの『Believers』。普通のジャズ・ギタートリオとは一線を画す、現代的なサウンドが洪水のように押し寄せる。
独特の世界観でコアなファンを持つイスラエルのプログレバンドTATRANの鬼才ドラマー、ダン・マヨ(Dan Mayo)のソロ新作EP『Not a Talker』がリリースされた。前作『Big Brown Eyes』も狂気を感じさせるドラミングが炸裂するエレクトロジャズだったが、今回もその辺の凡庸な音楽にはない殺気のようなものを感じさせる、えげつない音楽が押し寄せてくる。
ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテート(DDG4)での活躍や、若く優れた音楽家を支援するプロジェクトなど、ブラジル・サンパウロのジャズ周辺の現行音楽シーンの中心人物であるダニ・グルジェル(Dani Gurgel)の新しいプロジェクト「São Paulo Panic」。ジャズという共通言語のもと、国籍を超え集まった猛者たちの素晴らしくクリエイティヴな作品。
ジョシュア・レッドマン、ブラッド・メルドー、クリスチャン・マクブライド、そしてブライアン・ブレイドという伝説級メンバーによる新録『RoundAgain』がリリースされた。四半世紀ぶりの最強カルテットに時の流れの残酷さ(頭髪的な意味で)といつまでも色褪せない音楽の喜びをみた。
イスラエルのSSW/ドラマー/パーカッショニストのイシャイ・アフターマン(Yshai Afterman)による2019年作『Naomi』は、カルテット編成のジャズバンドに男女ヴォーカルが印象的な素晴らしい作品だ。そのメンバーの多様なバックグランドから繰り出される演奏は、所謂“イスラエルジャズ”の範疇に止まらない。
スウェーデンのドラマー/作曲家が率いる人気ジャズトリオ、エミール・ブランドクヴィスト・トリオ(Emil Brandqvist Trio)の2020年最新作『Entering the Woods』。通算5作目となる今作はこれまでもその叙情的な表現力で人気を博してきたトリオが、より孤高なる深淵に到達した傑作だ。