- 2021-12-22
- 2021-12-19
美しいガットギターの響き。アナ・ラルビア新譜は南米の空気を感じるカルロス・アギーレ曲集
ナチュラルなギターと歌で魅了したデビュー作『Cosecha』から5年。アルゼンチンのギタリスト/シンガーソングライターのアナ・ラルビア(Ana Larrubia)の新作EP『Pedacito de Río』がリリースされた。今作は歌はなく、5曲すべてが同郷のSSWカルロス・アギーレ(Carlos Aguirre)の楽曲をガットギターで演奏する内容となっている。
ナチュラルなギターと歌で魅了したデビュー作『Cosecha』から5年。アルゼンチンのギタリスト/シンガーソングライターのアナ・ラルビア(Ana Larrubia)の新作EP『Pedacito de Río』がリリースされた。今作は歌はなく、5曲すべてが同郷のSSWカルロス・アギーレ(Carlos Aguirre)の楽曲をガットギターで演奏する内容となっている。
シュタイアーマルク・ハーモニカ2台、ギター、チューバという編成のドイツの4人組バンド、Maxjosephのデビュー作『Neue Welt』は、ヨーロッパの古風な舞踏音楽をもとにジャズなどの新しいアイディアを加えた興味深い作品だ。
たくさんの共鳴弦を張った特注のギター“ホエール・ギター”でインド音楽を取り入れた個性的な演奏を行うイスラエルのギタリスト、オフェル・ミズラヒ(Ofer Mizrahi)のライヴ盤『Ofer Mizrahi Trio Live Album』がサブスクでリリースされた。日系のチェロ奏者マユ・シュヴィロと、Shaloshのベース奏者ダヴィド・ミハエリとのトリオで紡がれる素晴らしく魅力的な音楽だ。
2015年のデビュー作『Feira』でユニークなショーロを聴かせてくれたミナスジェライスの4人組、アサニャード・クアルテート(Assanhado Quarteto)の新譜『Jararaca』は、ブラジルの様々なリズムやジャズを飲み込み、より音楽性の幅が広がった作品となった。プロデュースはハファエル・マルチニ(Rafael Martini)が務めている。
ブラジル・ミナスのシンガーソングライター、レオポルヂーナ(Leopoldina)の新作『Semente Crioula』は、彼女がMPBの正統派女性SSWの系譜にあり、リスナーの文化的背景の違いにかかわらず人間の普遍的な感覚に共鳴する音楽をつくることができる稀有な才能の持ち主であることを見事に証明する傑作だ。
フレンチボッサの人気デュオTom&Joyceの片割れ、トーマス・ネイム(Thomas Naïm)のソロ新作は、なんとエレキギターの神様ジミ・ヘンドリックス曲集。ガットギターではなくエレクトリックギターでジミヘンをカヴァーする彼の音楽は、前述のデュオのおしゃれなサウンドをイメージして聴くと随分意外に感じられる。
イスラエル出身のギタリスト/作曲家オムリ・バール・ギオラ(Omri Bar Giora)のデビューEP『Song for Miki』。EPの曲名で再三登場する「Miki」とは、本作のアート面を手がけたミカ・ヘダヤ(Mika Hedaya)のニックネームで、本作は彼女に捧げられた作品となっている。
イスラエル出身のギタリスト、ロテム・シヴァン(Rotem Sivan)の新作『Far From Shore』は、ゲストにアーサー・ムーン(Arthur Moon)、ブラクストン・クック(Braxton Cook)、タナ・アレクサ(Thana Alexa)、BIGYUKIなどニューヨークで活躍する若手アーティストたちを迎え、R&Bやネオソウル色を強めた作品になっている。
ブラジル・パラナ州都クリチバのSSW、ムリロ・シルヴェストリン(Murilo Silvestrim)の2021年新譜『Encontrar』。自身のアコースティックギターとヴォーカルのみのソロEP『A Última Luz Acesa Madrugada Adentro』を経て発表された本作は、多様なゲストを迎え、アーティストのオーガニックで温かな心が感じられる詩情溢れる作品となっている。
アルゼンチンのSSWマウロ・ヘンティレ(Mauro Gentile)のEP『Afuera』は、静かでゆったりとした感覚、そして美しいメロディーやアコースティック楽器のサウンド、優しく飾らないヴォーカル、それでいて聴き流すことのできない音楽としての高い完成度など、現代アルゼンチン音楽の粋を結晶させたような素晴らしく魅力に満ちた作品だ。
VOX社の名機Phantomギターを構えたギター/ヴォーカルのエデン、スポンジミュートをかましたベースにコーラスも担当するガヤ・ワイスマン、そして黒一点ドラムスのイタイ・ハムディから成るイスラエルはエルサレム出身のスリーピースバンド、ラスコ(Rasco)。2021年の始めにリリースされたデビュー作『Rasco』は純然たる60年代サーフロックサウンドで、往年のロックへの溢れるほどの愛がとても新鮮な作品だ。
ガロートの名曲にブラジルの若手最高峰ギタリストのひとり、カイナン・カヴァルカンチ(Cainã Cavalcante)が真摯に取り組んだのが今作『Sinal Dos Tempos - Cainã Toca Garoto』。圧倒的な技巧に裏打ちされた表現力を武器に、ガロートのメロディを軽やかに踊らせる。
イスラエルのジャズギタリスト/作曲家ニツァン・バール(Nitzan Bar)の新作はなんと自身でギターを弾き語る、ロックに傾倒したアルバムとなった。しかも2枚同時リリース。『Nitz A』『Nitz B』とストレートな名前を冠されたアルバムに若き天才ギタリストの原点が垣間見える。
南米ウルグアイ出身のシンガー/ベーシスト、ダニエル・マサ(Daniel Maza)とアルゼンチン出身のシンガー/ギタリストのマリア・ボロンテ(María Volonté)のデュオによる極上のライヴアルバム『Serenata (En Vivo)』。演奏はおおよそ二人だけでやっているとは思えないほど濃密で充実しており、二人の完璧に息のあった共演は感動的ですらある。必聴の一枚。