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イタリア

  • 2022-06-24
  • 2022-07-24

ジャズと現代音楽のアーティスティックな交叉点。萎えた社会に希望を与えるフランチェスカ・ガザ新譜

ルーマニアにルーツを持ち、イタリア/ドイツ国籍、現在はスイスを拠点に活動するSSW、フランチェスカ・ガザ(Francesca Gaza)の3枚目のアルバム『Sfiorire』がリリースされた。プロデューサーはイタリアを代表するトランペット奏者のパオロ・フレス(Paolo Fresu)。クラシック、現代音楽、ジャズ、エレクトロ・ミュージックなど幅広い影響を受けた芸術性の高い音楽で、オクテット編成の繊細かつ時に大胆なアンサンブルも素晴らしい。

  • 2022-06-09
  • 2022-06-09

暗雲に輝く縁=“シルヴァー・ライニング”をこれ以上なく美しく描き出すピアノとヴァイブのデュオ

ピアノ奏者ジョヴァンニ・ミラバッシ(Giovanni Mirabassi)とヴィブラフォン奏者クリストス・ラファリデス(Christos Rafalides)のデュオ作品『Silver Lining』。アルバムタイトルのシルヴァーライニングとは空を覆う暗雲の縁の、裏側から太陽の光があたって銀色に輝く部分を差し、比喩的には“困難な状況下での希望の光”といった意味を持つが、ピアノとヴィブラフォンのみで演奏される彼らの音楽はまさしくそんな状況を的確に表している。

  • 2022-06-06
  • 2022-06-06

これぞ王道!シチリア島発エレクトロスウィング、Swingrowers が放つ新譜『Hybrid』

作曲とヴォーカルを担うロレダナ・グリマウド(Loredana Grimaudo)とDJ&プロデューサーのロベルト・コスタ(Roberto Costa)率いるイタリア・シチリア島発のスウィングロワーズ(Swingrowers)の2021年末リリースの新譜『Hybrid』は、1920年代のスウィングジャズと近年のEDMの融合であるエレクトロ・スウィングのシーンの中でもとりわけクオリティの高い作品だ。

  • 2022-06-03
  • 2022-05-31

ヨーロピアン・ピアノトリオの真髄!美しいアイディアに満ちたエンリコ・ピエラヌンツィ新作

70歳を越えた今もなお美しい新曲を書き続け、膨大なディスコグラフィをすごい勢いで拡張し続けるヨーロッパ随一の巨匠ピアニスト/作曲家エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)のピアノトリオによる新譜『Something Tomorrow』。美しく抒情的な楽曲群、その一方で鋭くグルーヴする演奏も聴かせるなどピエラヌンツィの音楽の真髄を捉えた作品になっている。

  • 2022-05-18
  • 2022-05-16

延々とグルーヴに身を任せていたい…。南イタリア発ディスコファンクNu Genea、4年ぶり新譜

イタリア・ナポリのディスコファンクユニット、ニュー・ジェネア(Nu Genea)の4年ぶり新譜『Bar Mediterraneo』。シンセやベース、ギターのカッティングが効いたディスコ・ファンクを基幹に、南イタリアやアフリカ、中東、南ヨーロッパのさまざまな民族音楽が組み合わさり誕生したサウンドは懐かしさもあり、何よりも心を躍らせる。

  • 2021-10-31
  • 2022-07-10

ビョーク名曲カヴァーも。ルネサンス・ヴァイオリンが豊かに響くアダム・バウディヒ新譜

ポーランド随一のジャズヴァイオリン奏者アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が自身のカルテットに加え、イタリアの名トランペッター、パオロ・フレスらを迎え制作した新譜『Poetry』。ビューク(Björk)の名曲をカヴァーするなど野心的な作品であるとともに、彼の新たな魅力を存分に引き出す傑作になっている。

  • 2021-08-11
  • 2021-10-01

言葉では語れないリスニング体験。クラリネット×ピアノ/オルガンの芸術的デュオ

スイス出身のクラリネット奏者マルコ・サンティリ(Marco Santilli) と、イタリアのピアノ/オルガン奏者イヴァン・ティボラ(Ivan Tibolla)のデュオアルバム 『CheRoba in due』が素晴らしい。全体的にクラシックの室内楽を現代的なジャズで拡張したような音楽で、ピアノ/オルガンに乗せて自由な即興を聴かせるクラリネットの音色がこの上なく美しく響く。