ベルギー現代ジャズの気鋭奏者集結。イタリア出身ドラマー、アルマンド・ルオンゴのデビュー作

Armando Luongo - New Lands

イタリア出身ドラマーのデビュー作『New Lands』

イタリア出身ベルギー在住のドラマー、アルマンド・ルオンゴ(Armando Luongo)がセクステットで録音したデビュー作『New Lands』。全曲が彼の作曲で、演奏陣はピアノのワジディ・リアヒ(Wajdi Riahi)、ベースのバシーレ・ラオラ(Basile Rahola)、トランペットのジャン=ポール・エスティヴィナート(Jean-Paul Estiévenart)、サックスのマット・チャルク(Matt Chalk)、そしてギターのジョヴァンニ・ディ・カルロ(Giovanni Di Carlo)というベルギーのジャズシーンで躍進する気鋭の若手で固められている。

それぞれの奏者が優れたソリストだから、終始エキサイティングな絡み合いを見せる即興演奏の応酬が最高に楽しい。(2)「New Moon」は今作のハイライトのひとつで、地中海音楽の香りを漂わせながら昂ってゆく。(6)「New Lands」ではワジディ・リアヒがローズピアノでのソロを披露。ラストの(8)「Illusion」はその名の通りリスナーを幻惑させるように物語が展開していく。

ベルギーの現代ジャズの熱気が垣間見える、優れた作品だ。

(2)「New Moon」のライヴ演奏

Armando Luongo プロフィール

アルマンド・ルオンゴは1984年イタリア生まれ。10歳から音楽を始め、数年間ピアノとギターを習った後、ドラマーのダミアーノ・ツィンナ(Damiano Zinna)に師事しドラムを学び始めた。サレルノの音楽院のクラシック打楽器科を2007年に卒業し、フロジノーネの音楽院でジャズ音楽の学士号を2010年に取得、2012年には学士号を取得。その後オランダ・デンハーグのコーニンクレイク音楽院でジャズ演奏の修士号を取得し、オランダのジャズマスターであるエリック・イネケ(Eric Ineke)、ヨースト・パトッカ(Joost Patocka)、ステファン・クルーガー(Stefan Kruger)に師事。2009年、彼はベルギーのブリュッセル王立音楽院で1年間学ぶ奨学金を獲得し、ブルーノ・カステルッチ(Bruno Castellucci)に師事し多くの有名なジャズプレーヤーと演奏する機会を得た。

これまでにイポコントリオ(Ipocontrio)、ヴィンセント・セカル・トリオ(Vincent Thekal Trio)などで活動。自身のリーダー作としては今作『New Lands』(2023年)が初となっている。

Armando Luongo – drums
Jean-Paul Estiévenart – trumpet
Matt Chalk – saxophone
Wajdi Riahi – piano
Giovanni Di Carlo – guitar
Basile Rahola – double bass

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