- 2020-11-03
- 2021-07-01
【特集】ストリーミングで聴く『澤野工房』
主にヨーロッパのジャズを日本に紹介し続けてきた大阪のインディーズレーベル「澤野工房」。現時点で澤野工房の諸作品はSpotifyやApple Musicといった定額制ストリーミング・サービスでは配信されていない。が、澤野工房からライセンス契約でリリースされたアルバムはそのオリジナルをストリーミングで聴くことができる。そんな中から選りすぐりの作品を紹介したい。
主にヨーロッパのジャズを日本に紹介し続けてきた大阪のインディーズレーベル「澤野工房」。現時点で澤野工房の諸作品はSpotifyやApple Musicといった定額制ストリーミング・サービスでは配信されていない。が、澤野工房からライセンス契約でリリースされたアルバムはそのオリジナルをストリーミングで聴くことができる。そんな中から選りすぐりの作品を紹介したい。
イスラエルの新世代ピアノトリオ、シャローシュ(Shalosh)が前作に続き名門ACTレーベルから新作をリリース!『Broken Balance』と名付けられた今作も独特の感性でストーリー性に富んだジャズを繰り広げている。
エレズ・アヴィラム(Erez Aviram)はイスラエルのピアニスト/作曲家。最初にクラシックピアノを習い始め、のちにビル・エヴァンス、セロニアス・モンク、マッコイ・タイナーなどのレコードを通じてジャズを習得。そしてすぐにティグラン・ハマシアンやシャイ・マエストロ、スナーキー・パピーといった、より現代的なサウンドの影響を受けるようになっていった。
米国オハイオ州コロンバス出身の作曲家/ピアニスト、アーロン・ディール(Aaron Diehl)の2020年新譜『The Vagabond』は、限りなく叙情的、詩的な美しさを湛えた逸品だ。クラシック音楽からの影響が彼の作曲や演奏スタイルに大きく寄与しており、ヨーロッパのジャズかと思わせるほど。
現代ジャズを代表するピアノトリオ、ティングヴァル・トリオ(Tingvall Trio)の最新作のタイトルは、ずばり『Dance』。(1)「Tokyo Dance」に始まり、(3)「Spanish Swing」、(6)「Cuban SMS」、(7)「Arabic Slow Dance」などタイトルだけ見てもわくわくするような、世界を巡る音楽の旅。
アルメニアから現れ、インターネットにのって世界中の音楽家に強い影響を与えたピアニスト/作曲家、ティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)の2020年の新譜『The Call Within』は、2015年の名盤『Mookroot』以来のジャズ・プログレが強調された一枚で、これこそが多くのリスナーが求める鬼才ティグランの姿だろう。
ポーランドのジャズヴァイオリン奏者アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、ノルウェーを代表するピアノトリオ、ヘルゲ・リエン・トリオ(Helge Lien Trio)と組み2015年に残した北欧ジャズの大名盤『Bridges』。
ファンク、ヒップホップ、ネオソウル、ゴスペル、それにアフリカの伝統音楽から強いインスピレーションを受け、独自のジャズに昇華したスィブスィソ・マシロアネ(Sibusiso Mash Mashiloane)の音楽は未知の連続でスリリングだ。強烈なポリリズムの繰り返しが呪術的な魅力を放つ(1)「Umthandazo」から、魔法のような音楽が続く。
“ジャジーザ(Jazziza)”や“ジャズのプリンセス(Princess of Jazz)”の愛称で親しまれ、欧州で絶大な人気を誇る作曲家/ピアニスト/歌手のアジザ・ムスタファ・ザデ(Aziza Mustafa-Zadeh)が、「3世代共演」をテーマにした13年ぶりの新作をリリースした。
ポーランドのピアニスト、マルチン・ボシレフスキ(Marcin Wasilewski)の音楽に20年ぶりに再会した。これは少々個人的な音楽の記憶。
ハニャ・ラニ(Hania Rani)の新譜『Home』にもメンバーが参加し、近年ますます存在感を増すポーランドのピアノトリオ、イモータル・オニオン(Immortal Onion)。“不滅の玉ねぎ”というコミカルなバンド名とは裏腹に、その演奏は限りなく高度でパズルを解くような面白さがある。
スウェーデンのドラマー/作曲家が率いる人気ジャズトリオ、エミール・ブランドクヴィスト・トリオ(Emil Brandqvist Trio)の2020年最新作『Entering the Woods』。通算5作目となる今作はこれまでもその叙情的な表現力で人気を博してきたトリオが、より孤高なる深淵に到達した傑作だ。
当初2020年5月1日にリリースが予定されていながら、発売が延期となっていた今作『GoGo Penguin』。2012年のデビュー以来、現代ジャズ/ポストロックシーンの常に先頭を走ってきた彼らの集大成的な音楽だ。もう、誰が聴いてもかっこいいと思う音なのではないだろうか。
ブラジル・ミナスのシンガーソングライター/ギタリストのレオ・ヒベイロ(Leo Ribeiro)のソロデビュー作『Paisagem』(2019年)を聴いた。サウンドはパット・メセニーや同郷のトニーニョ・オルタを思わせるような浮遊感のあるジャジーMPBで、シンセの音色などは80年代的な懐かしさもあって特徴的だ。これはまた面白い新人がミナスから現れたな、なんて思いながらどんな人なのかチェックしようとYouTubeで検索して驚いた──