ジャジーMPB傑作!ミナスの新人(!?)SSWレオ・ヒベイロのデビュー作『Paisagem』

Leo Ribeiro - Paisagem

ミナスの新人!? SSWのデビュー作

ブラジル・ミナスのシンガーソングライター/ギタリストのレオ・ヒベイロ(Leo Ribeiro)のソロデビュー作『Paisagem』(2019年)を聴いた。サウンドはパット・メセニーや同郷のトニーニョ・オルタを思わせるような浮遊感のあるジャジーMPBで、シンセの音色などは80年代的な懐かしさもあって特徴的だ。これはまた面白い新人がミナスから現れたな、なんて思いながらどんな人なのかチェックしようとYouTubeで検索して驚いた。
映像でみるレオ・ヒベイロは白髪紳士。どう見ても新人などという括りではなさそうだ…。

清涼感のあるミナスサウンドが素晴らしい(1)「Paisagem」の映像。
新人かと思っていたレオ・ヒベイロの風貌を見て驚いた。

調べてみると、彼は1980年代の終わりから活動をしていた”PLIC”というプログレッシヴ・ロックバンドのメンバーで、ナイトクラブやイベントなどで30年以上にわたり音楽を続けてきた人物のようだ。

そんな彼が長年書き溜めた珠玉のオリジナル曲を収めた念願のソロデビューが今作『Paisagem』というわけだ。
ギターとヴォーカルを担当する彼のバックには、ミルトン・ナシメントやジョアン・ボスコ、ヴァグネル・チゾなど錚々たる音楽家たちと共演を重ねてきたベーシスト、ドゥドゥ・リマ(Dudu Lima)率いるトリオが強力にサポート。美しい水彩画のジャケットとも相まって、ミナスが生んだ新しい名盤とも呼べる作品を生み出した。

ジャジーMPB好きな方は必聴のアルバム

アルバムは14曲すべてがレオ・ヒベイロの作曲。ヴォーカルとギター(エレクトリック/アコースティック)を担当する彼は、パット・メセニーに捧げたという(3)「Sábado à Tarde」では口笛も交え、良質なジャジーMPBのお手本のような音楽を聴かせてくれる。どの曲も清涼感があってハズレなしだが、ジャズ/フュージョン系の曲の他にもガットギターをフィーチュアした曲も多く収録されており、(13)「Teshuvá」などでは元々クラシックギターを習っていたという彼らしいトレモロの印象的な曲も聴くことができる。

今作ではバックバンドに徹するドゥドゥ・リマ・トリオの鉄壁の演奏も含め、じっくりその美しい世界観に浸るもよし、BGMとして豊かな空間を演出するもまたよしな傑作だ。

パット・メセニーに捧げたという(3)「Sábado à Tarde」

Leo Ribeiro – guitar, vocals
Dudu Lima – bass
Ricardo Itaborahy – piano, keyboards and programming
Leandro Scio – drums

Leo Ribeiro - Paisagem
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