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ピアノ

  • 2023-05-04
  • 2023-05-04

ポーランドの気鋭クインテットEABS、知的好奇心を刺激する宇宙SF的ジャズ『2061』

“Electro Acoustic Beat Sessions”の頭文字をとったバンド名をもつポーランドのEABSは、現代でもっとも革新的で挑戦的なジャズバンドと称賛されている。サン・ラへのトリビュート・アルバム『Discipline of Sun Ra』(2020年)に続いて彼らが放つ新作『2061』は、壮大なSF的宇宙観と哲学を持つ彼らの個性をより強く印象付ける魅力的な作品だ。

  • 2023-04-29
  • 2023-04-29

自然体で紡ぐ“バンドの音の写真”。マーク・ジュリアナが新譜で魅せたジャズ・カルテットの現在地

米国を代表するドラマー、マーク・ジュリアナ(Mark Guiliana)の新譜『Mischief』。2022年10月にリリースされた前作『the sound of listening』と同じ2022年3月のブルックリンのバンカー・スタジオでのセッションで収録されたもので、つながりのあるジャケット・デザインも含め前作の兄弟アルバムという位置付けだが、前作がエレクトロニックの導入などこのカルテットでの新しい試みも取り入れられていたことと比較すると、こちらは全編アコースティックでオーバーダブもなく、よりリラックスした内容になっている。

  • 2023-04-22
  • 2023-04-22

エレクトロニックもプログレも吸収。アゼリの気鋭デュオが挑むムガーム・ジャズの新境地

現在のアゼルバイジャンのジャズシーンをリードする二人の音楽家、ピアニストのエティバル・アサドリ(Etibar Asadli)と木管楽器奏者アラフサル・ラヒモフ(Alafsar Rahimov)。深い音楽的パートナーシップを築いてきた二人が、デュオの名義で新作『Sexy Caffards』をリリースした。アゼルバイジャンの伝統音楽ムガームに強く影響されたジャズが、プログレシッヴ・ロックやエレクトロニックの衣を纏い、グロテスクでもあり美しくもある異様な世界観を創出する。

  • 2023-04-15
  • 2023-04-15

LRK Trio、モスクワの宇宙パビリオンで行われた初のオーケストラとの共演ライヴ盤

ロシアを代表するピアノトリオ、LRK Trioが初めてオーケストラと共演したライヴ・アルバム『Concert at Vdnh Cosmos』がリリースされた。これは2022年12月18日にモスクワの歴史ある全ロシア博覧センターの宇宙パビリオンで演奏されたもので、LRK Trioの持ち前の叙情性と、現代音楽のオーケストラであるオープンサウンド・オーケストラ(Opensound Orchestra)の滋味深いサウンドが見事に融合した、傑作と呼べる作品に仕上がっている。

  • 2023-04-14
  • 2024-11-03

急速に混ざり合う世界を象徴する新時代のジャズ。チュニジア出身ワジディ・リアヒのトリオ作

チュニジア出身でベルギーを拠点に活動するピアニスト、ワジディ・リアヒ(Wajdi Riahi)の初リーダー作『Mhamdeya』。フランス出身のベース奏者バシーレ・ラオラ(Basile Rahola)とベルギーのドラムス奏者ピエール・ユルティ(Pierre Hurty)とのトリオを軸に、チュニジアの民族的な音楽の要素を大胆に取り入れた豊かな色彩感のあるジャズを展開する傑作だ。

  • 2023-04-12
  • 2025-04-19

北アフリカ、中東、欧州の音楽を濃縮した圧巻のジャズ。アレフ・クインテット、デビュー。

2018年に結成以来、ベルギーのジャズシーンに新風を起こすアレフ・クインテット(Aleph Quintet)が待望のデビューアルバム『Shapes of Silence』をリリースした。ウード奏者のアクラム・ベン・ロムダンとピアニストのワジディ・リアヒはともにチュニジア出身。彼らがもたらす北アフリカ/アラブのエッセンスと、ベルギー出身のヴァイオリン奏者マーヴィン・ブルラス、ドラマーのマクシム・アズナール、そしてフランス出身のベース奏者テオ・ジッパーによる欧州の抒情的なジャズの完璧な融合は、彼らの演奏技術の高さとも相まって唯一無二の音楽体験を与えてくれる。

  • 2023-04-08
  • 2023-04-08

エルチン・シリノフ、ムガームジャズの真髄に迫る2018年の自主制作盤『Waiting』

2019年から2022年10月まで、アヴィシャイ・コーエンのトリオに参加したことで国際的に知られるようになったアゼルバイジャン出身のピアニスト、エルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)。彼が2018年に自主制作しライヴ会場限定などで限定的に売っていた個人名義での初リーダー作『Waiting』が、デジタル・プラットフォームで配信開始された。

  • 2023-04-04
  • 2024-05-12

南アの新星ノブレ・アシャンティ、瑞々しい感性を反映したデビュー作『Bait For Steps Forward』

南アフリカ・ケープタウン出身のピアニスト/作曲家ノブレ・アシャンティ(Nobuhle Ashanti)が『Bait For Steps Forward』で素晴らしいデビューを飾った。豊かな抒情性を湛えた瑞々しい感性のジャズ、ソウル、R&Bを主軸とする音楽で、丁寧かつ現代的なエッセンスを含んだサウンド・プロダクションも魅力的な作品だ。

  • 2023-03-31
  • 2023-03-31

最後のイディッシュ・タンゴ──想像を絶する暴力の史実を後世に伝えるための音楽

カナダのパヤドラ・タンゴ・アンサンブル(Payadora Tango Ensemble) の新譜『Silent Tears: The Last Yiddish Tango』は、ナチス占領下のポーランドでホロコーストを生き延びた人々の記憶と詩で辿る想像を絶する深い悲しみの物語を、ヴァイオリンやピアノ、バンドネオンを中心としたタンゴで歌う傑作だ。

  • 2023-03-29
  • 2023-03-28

スイス発。フルートと女性ヴォーカルが魅力の優美なジャズ・カルテット「8 Octopi」

スイス出身のフルート奏者/作曲家ベン・ザーラー(Ben Zahler)を中心としたカルテット、エイト・オクトパイ(8 Octopi)によるデビュー・アルバム『Errors in Disguise』がリリースされた。バンドにはスイスのジャズシーンで傑出したヴォーカリストであるイザベル・リッター(Isabelle Ritter)らを擁し、軽やかでユーモラスなジャズを聴かせてくれる。

  • 2023-03-25
  • 2024-09-23

国籍も世代も超えた欧州〜中東ジャズの名盤。Stephane Galland『Lobi』

ベルギーのドラマー、ステファン・ギャラン(Stephane Galland)が2012年にリリースした初リーダー作『Lobi』は、マジック・マリク、ティグラン・ハマシアン、カルレス・ベナベントら国籍も世代も超えた最高のミュージシャンたちが集い、最高に面白いジャズを奏でた欧州〜中東のジャズの名盤だ。

  • 2023-03-18
  • 2023-03-18

ウクライナ出身ピアニストのルスラン・シロタ。静かに激しく心を揺さぶる2nd『A Lifetime Away』

ウクライナ出身で、スタンリー・クラークのバンドでの活躍で知られるピアニスト/作曲家ルスラン・シロタ(Ruslan Sirota)が2019年に発表した2枚目のリーダー作『A Lifetime Away』。国と時代に翻弄されながらも、アメリカ西海岸でジャズ・ピアニストとして成功した音楽家の半生の物語を繊細なタッチで描いた傑作だ。

  • 2023-03-15
  • 2025-03-02

トランペット奏者ナジェ・ノールデュイス、フォーキーな温かさと美しさを湛えた清廉なジャズ

現在はニューヨークを拠点に活動するオーストラリア出身のトランペット奏者、ナジェ・ノールデュイス(Nadje Noordhuis)の新作『Full Circle』。ピアノにフレッド・ハーシュ(Fred Hersch)、ベースにトーマス・モーガン(Thomas Morgan)、ドラムスにルディ・ロイストン(Rudy Royston)という名手を迎えたカルテットでこの上なく耽美な音楽を聴かせてくれる。

  • 2023-03-11
  • 2023-03-11

力強く奏でられる真のイスラエル・ジャズ。オメル・クライン・トリオ結成10周年を祝う新作

イスラエルを代表するピアニストのひとり、オメル・クライン(Omer Klein)の最新作『Life & Fire』は、気心の知れた二人の奏者──ベースのハガイ・コーエン・ミロ(Haggai Cohen-Milo)とドラムスのアミール・ブレスラー(Amir Bresler)──との共同名義のピアノトリオ作品だ。