- 2020-02-03
- 2020-02-03
ガットギターとトロンボーン、そして声。親密な男女デュオの優しく心温まる音楽
ナタリー・クレスマンとイアン・ファキーニのデュオ作。リラックスした雰囲気のもと、優しいガットギターとあたたかなトロンボーンの音、そして二人の声が有機的に絡み合う。温かな音楽と時間の流れに、そのまま身を預けてしまいたくなるようなとても素敵な音。
ナタリー・クレスマンとイアン・ファキーニのデュオ作。リラックスした雰囲気のもと、優しいガットギターとあたたかなトロンボーンの音、そして二人の声が有機的に絡み合う。温かな音楽と時間の流れに、そのまま身を預けてしまいたくなるようなとても素敵な音。
スウェーデンを代表する人気ジャズシンガー、ヴィクトリア・トルストイ(Viktoria Tolstoy)の3年振り新譜『Stations』は、ボブ・ディランの(5)「Million Miles」、イダ・サンドの(1)「I Should Run」や(3)「The Mind Is Free」、ナット・アダレイの(7)「Old Country」、ナット・サイモン(10)「Poinciana」など選曲も親しみやすい、驚きはないが上質なジャズ・ヴォーカル作品だ。
ブラジル南東部のカンポ・グランヂ出身のSSW、タミレス・タヌース(Thamires Tannous)の2ndアルバム『Canto-correnteza』は、シンプルで美しい編曲にブラジル土着のリズム、そこにタミレス・タヌースの透き通る自然体の歌声が微風のように乗る極上のMPB作品だ。
フランスの女性ジャズピアニスト/歌手/作曲家のマシャ・ガリビアン。クラシック出身らしい粒が立ち輪郭のはっきりしたピアノ、エレクトリックピアノやシンセサイザーも駆使した表現力、アルメニア音楽独特のフレージング、少し陰を帯びた美しい声。エレガントな佇まいも含め、とても魅力的な音楽家だ。
仏領マルティニーク出身のピアニスト、グレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)の2020年『Soley』。デビュー作が1902年にマルティニーク島で起こった大噴火で当時の県庁所在地サン・ピエールを壊滅させ、市内で生き残ったわずか3人のうちの一人、囚人オーギュスト・シパリの物語を描いた『Tales of Cyparis』という壮大な作品だった彼らしい、コンセプチュアルな作品だ。
日本人なら懐かしさを覚える温もりのある曲調が、ジャズのピアノトリオの演奏と大勢のコーラス隊によって歌われる。故郷の情景が異国の風情と重なり、地球上のどこでもない場所を漂っているような感覚に陥るエリ・ヤマモト(山本恵理)の新譜『Goshu Ondo Suite』。
カエターノ・ヴェローゾの2020年の新作『Caetano Veloso & Ivan Sacerdote』では、老いてもなお魅力的な声とギターで私たちの耳を楽しませるカエターノと、それにぴったりと寄り添い表情豊かに奏でられるジャズクラリネットの親密な演奏を聴くことができる。
鬼才カート・ローゼンウィンケルに魅入られた新世代の天才ギタリスト、ペドロ・マルチンスのライヴ盤『Spider's Egg (Live)』。これはもう疑いようもない傑作だ。世界中のあらゆる現在進行形の音楽が自然に融け込み、進化の最先端をゆくジャズ作品として多くの人に聴いてもらいたい絶品だと思う。
ハイエイタス・カイヨーテ(Hiatus Kaiyote)を輩出したオーストラリア・メルボルンから現れた音楽集団、30/70 Collective がとてもハイセンスで面白い。とにかく一聴いただければ、随所に非凡な感性が散りばめられた現代最高峰のバンドとして覚えることになるだろう。
ボサノヴァの名曲「Chega de Saudade(想いあふれて)」のメタル・バージョンが日本でも話題となり、一躍人気となったブラジルの“ボッサメタル”バンド、Huaska(ウアスカ)のリーダー/ヴォーカリストのラファエル・モロミザト(Rafael Moromizato)がキャリア初となるソロ作品『Contra Corrente(逆流)』をリリースした。
イタリア出身でロンドンを拠点に活動する作曲家/ピアニストのマリア・キアラ・アーギロ(Maria Chiara Argirò)の2019年作『Hidden Seas』はジャズ、エレクトロニカ、プログレといった音楽の美味しいところを全て取り込んだ凄まじい音楽作品だ。
『Across the Sea』は米国のベテランピアニスト、ケヴィン・ヘイズ(Kevin Hays)とイタリア出身の女性歌手キアラ・イッツィ(Chiara Izzi)の双頭名義による極上のヴォーカル作品。
ジャズやクラシック、民俗音楽などが同居した有機的な音楽性が特徴のベラルーシ出身・ポルトガル在住の作曲家/ピアニスト/歌手のカテリーナ・ルドコヴァ(Katerina L'dokova)の2019年新作『Singularlugar: Travessia』は、その多様な音楽的バックグラウンドに裏打ちされた驚くほど上質なアルバムだ。
インドネシアの首都ジャカルタ、1995年生まれのシンガーソングライター、アルディート・プラモノ(Ardhito Pramono)が凄い!20代前半とは思えない渋みのある歌声や作編曲、かつ若者らしい瑞々しい感性も兼ね備えた新世代ポップスの逸材だ。若いミュージシャンにありがちな奇を衒うような表現ではなく、シンプルに“良い音楽”を提供してくれる、今後要注目のアーティストだ。