カルメン・ソウザ新譜は同郷カーボベルデにルーツを持つホレス・シルヴァー作品集

Carmen Souza - The Silver Messengers

ホレス・シルヴァーへのリスペクトに溢れた新譜

カーボベルデ出身の両親を持つポルトガル生まれのヴォーカリスト、カルメン・ソウザ(Carmen Souza)による、同じくカーボベルデ出身の父親を持つ米国のファンキージャズを代表するピアニスト/作曲家、ホレス・シルヴァー(Horace Silver, 1928年 – 2014年)へのトリビュート作品『The Silver Messengers』

ゴスペルやアフリカ音楽、ラテン音楽に強く影響された名ピアニストの代表曲である(9)「Song for my Father」や(4)「Nutville」、(3)「Señor Blues」といった楽曲群を独特の歌唱で歌いあげる。
彼女はこれまでも同郷ルーツのホレス・シルヴァーに敬意を表しており、いくつかの曲はこれまでのアルバムでも演奏・収録されているが、全面的にホレス・シルヴァー作品集をリリースするのは初となる。

(1)「Soul Searching」MV。

彼女のヴォーカリストとしての傑出した才能は(6)「St Vitus Dance」での目を見張るような超絶技巧のスキャットに特によく表れている。この難しいメロディーを、これだけ表現力豊かに歌えるシンガーはそうそういないだろう。カルメン・ソウザのこれまでの作品にも見られるラテン、アフロが入り混じったジャジーなアレンジと演奏もとても魅力的だ。

アルバムにはホレス・シルヴァーの楽曲の他、彼女を見出したベーシスト、テオ・パスカル(Theo Pascal )の楽曲も2曲収録しているが、やはりメインはハードバップの発展にも大きく寄与したホレス・パーランのファンキーな楽曲たち。
彼のオリジナル演奏とも聴き比べながら楽しみたい作品だ。

Carmen Souza – vocals, piano & guitar, small percussion
Theo Pascal – bass & double bass, backing vocals
Elias Kacomanolis – drums, backing vocals
Benjamin Burrell – piano, backing vocals

Guests :
Zoe Pascal – drums (10)
Jonathan Idiagbonya – piano (9)
Sebastian Sherriff – percussion (9)

Carmen Souza - The Silver Messengers
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