チック・コリア、78歳の新譜は“スパニッシュハート”への回帰!

Chick Corea - Antidote

チック・コリアの新プロジェクトは約半世紀ぶりのスパニッシュ・ジャズ

グラミー賞を22回受賞。半世紀にわたってシーンの最前線で活躍を続けるピアニスト/作曲家のチック・コリア(Chick Corea, 1941年6月12日 -)が御年78で新しく立ち上げたバンド「The Spanish Heart Band」でリリースした2019年新譜『Antidote』は、往年のチック・コリアのシンボルとも言える「スパニッシュジャズ」への回帰を示した会心の作だ。

マイケル・ロドリゲス(tp)やマーカス・ギルモア(ds)、ニーニョ・ホセレ(g)といった名手揃いのバンドで、新たに書き下ろしたオリジナル曲と(7)「Armando’s Rhumba(アルマンドのルンバ)」や(2)「Duende」といった自身の人気曲を中心に、A.C.ジョビン作曲のボサノヴァ名曲(8)「Desafinado」、パコ・デ・ルシア作曲の(9)「Zyryab」といったカヴァーも収録。どれもがチック・コリアらしい複雑なスパニッシュテイストのアレンジが加えられ聴きごたえ抜群。

名曲「スペイン(Spain)」を産んだリターン・トゥ・フォーエバー(Return to Forever)の1972年の傑作『Light As a Feather』や、スペイン音楽へのリスペクトを全面開花させた1976年『My Spanish Heart』などのサウンドが好きな人は、約半世紀の時を超え現代に蘇ったこの新譜であらためて見せたチックコリアの情熱的に燃え盛る“スパニッシュハート”にきっと歓喜できるだろう。

チック・コリアの新プロジェクト、The Spanish Heart Band のフルライヴ動画。
1:27:00頃からのアンコールではあの名曲「Spain」も演奏される。

The Spanish Heart Band :
Chick Corea (p,key)
Michael Rodriguez (tp)
Steve Davis (tb)
Jorge Pardo (fl,sax)
Niño Josele (g)
Carlitos Del Puerto (b)
Marcus Gilmore (ds)
Luisito Quintero (per)
Nino de los Reyes (dancer)
Rubén Blades, Gayle Moran Corea, Maria Bianca (vo) 

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