南イタリア発ディスコファンク Nu Genea、4年ぶりの新譜
シンプルなビートとグルーヴに身を任せ、延々と聴き続けられることができる、イタリア・ナポリのディスコファンクユニット、ニュー・ジェネア(Nu Genea)の4年ぶり新譜『Bar Mediterraneo』。
今作は“地中海のバー”というアルバムタイトルが示す通り、地中海沿岸の幅広い地域の音楽のエッセンスを少しずつ取り入れている。(3)「Gelbi」にはヴォーカルでチュニジアのSSWマルズーク・メジリ(Marzouk Mejri)が参加し、クレジットは不明だが、アラブのネイ・フルートのソロも聴こえる。
(4)「Marechià」にはフランスのシンガー、セリア・カメニ(Celia Kameni)が参加。
シンセやベース、ギターのカッティングが効いたディスコ・ファンクを基幹に、南イタリアやアフリカ、中東、南ヨーロッパのさまざまな民族音楽が組み合わさり誕生したサウンドは懐かしさもあり、何よりも心を躍らせる。
Nu Geneaは2015年にユニット名ニュー・ギニア(Nu Guinea)としてマッシモ・ディ・レナ(Massimo Di Lena)とルシオ・アクイリナ(Lucio Aquilina)が結成。デビュー作『Afrobeat Makers, Vol. 3 (The Tony Allen Experiments)』(2016年)と2nd『Nuova Napoli』(2018年)は高く評価された。
当初は動植物の多様性を抱えた太平洋の美しい島ニューギニアに因んで名付けられたユニット名で活動していたが、Guineaという言葉がアメリカで肌の色の濃い南イタリア人に対する差別的なニュアンスで用いられていたことに気づき、今作を契機に2021年にユニット名を「誕生」を意味するギリシャ語「γενεά」に因んだ「Nu Genea」に変更した。