現行UKジャズシーンを代表するサックス奏者カミラ・ジョージ、ルーツを意識した3rd『Ibio-Ibio』

Camilla George - Ibio-Ibio

アフロビート、ヒップホップとジャズの自然な融合

ロンドンのサックス奏者/作曲家のカミラ・ジョージ(Camilla George)が、自身のルーツであるナイジェリア南東部に住むイビビオ族へと捧げた新作『Ibio-Ibio』をリリースした。現在のUKジャズシーンの精鋭たちで固められたバンドで、ジャズ、ヒップホップ、アフロビートがシームレスに融合するサウンドを展開する。

メンバーはアルトサックスのカミラ・ジョージのほか、ベースにダニエル・カシミール(Daniel Casimir)、トランペットにシーラ・モーリスグレイ(Sheila Maurice-Grey)、鍵盤にサラ・タンディ(Sarah Tandy)などリーダーとして活躍するメンバーが並ぶ。カミラのソロのフレーズはオーセンティックで奇を衒うような音使いはせず、バンド全体でのグルーヴやアンサンブルが重視された心地よい作品だ。

(1)「Creation – Abasi and Atai」

(2)「Journey Across the Sea」にはセネガルのコラ奏者、カディアリー・クヤテ(Kadialy Kouyate)が参加しソロを演奏、西アフリカの風を吹かせている。

Camilla George プロフィール

ナイジェリアで生まれ、現在ロンドンを拠点とするアルトサックス奏者のカミラ・ジョージ。11歳のときから演奏を始め、フェラ・クティ(Fela Kuti)、ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)などを聴いて育った。

主にアフリカン・ディアスポラたちに豊かな音楽教育環境を提供する目的で1991年にジャニーン・アイアンズ(Janine Irons)とゲイリー・クロスビー(Gary Crosby)によって設立され、こんにちのUKジャズの隆盛に極めて大きな影響を与えたアーティスト開発プログラム、トゥモロウズ・ウォリアーズ(Tomorrow’s Warriors)の出身で、現在ではその若いミュージシャンたちのためのワークショップでの講師も勤めている。

Jazz Jamaica や Venus Warriors といったグループで活動したあと、2016年に初リーダー作『Isang』をリリースし高い評価を得、2018年には2nd『The People Could Fly』をリリースした。
今作『Ibio-Ibio』は3枚目のアルバム。

Camilla George – alto saxophone
Daniel Casimir – bass
Shirley Tetteh – guitar
Winston Clifford – drums
Sheila Maurice-Grey – trumpet
Rosie Turton – trombone
Renato Paris – vocals
Sarah Tandy – keyboards
Kadialy Kouyate – kora

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