ラ・プラタの肥沃な大地が生んだ極上音楽。アルゼンチンのSSWティンチョ・アコスタ新作

Tincho Acosta - Bandurria

ティンチョ・アコスタ新譜『Bandurria』

アルゼンチンのシンガーソングライター/ギタリストのティンチョ・アコスタ(Tincho Acosta)の3枚目のアルバム『Bandurria』は、過去2作と比べても“もっとも自然な形”で制作された作品だという。ティンチョ・アコスタの7弦ガットギターとシルクのような声を中心に、自然だけでなく文化的にも肥沃なラ・プラタの美しい情景や人々の営みを卓越した表現力で結実させた、素晴らしい仕上がりのアルバムとなっている。

(1)「Podria」のライヴ演奏動画

アルバムにはロベルト・ガルシラソ(Roberto Garcilazo)、ホナタン・シェノーネ(Jonatán Schenone)、フアン・パブロ・カストリージョ(Juan Pablo Castrillo)、フェデリコ・アレセイゴル(Federico Arreseygor)といった多様なバックボーンを持ったミュージシャンが参加。前作『Silencio』では編曲や楽器のアイディアをスタジオでの録音時に突発的に行い組み立てていたというが、今作では事前にリハーサルを行い、スタジオ録音を行うまでに参加するメンバーも含めて楽曲を”成熟”させた。そのプロセスのためか、個人主義的なアプローチではなく、グループでの共感や共鳴が体現された今作のサウンドはより有機的になり、深みを増しているように感じる。バンドのサウンドはどこまでも温かみがあり、調和している。

(4)「Candombé Donde Se Esconde El Día」

Tincho Acosta 略歴

ティンチョ・アコスタは1980年にブエノスアイレス州キルメスで生まれ、西部の山岳地帯の観光都市サン・カルロス・デ・バリローチェで育ち、ブエノスアイレス州都ラ・プラタで音楽家としてのキャリアを積んできたシンガー・ソングライター/ギタリスト。

様々なグループでの活動のあと、ソロとして2014年に『Tincho Acosta』でデビュー、パンデミック下の2020年に2nd『Silencio』をリリースした。現在もソロ活動のほか、「Gala Banda」といったバンドでも活動するなど多角的なキャリアを探求している。

関連記事

Tincho Acosta - Bandurria
Follow Música Terra