旅の情景を描く、ダブルベース奏者アロン・ニアの初リーダー作『Names, Places』。多数の魅力的なゲストも参加

Alon Near - Names, Places

イスラエル出身ベーシストの初リーダー・アルバム

イスラエル出身、ニューヨークや欧州を拠点とするダブルベース奏者アロン・ニア(Alon Near)が、自身初のリーダー作となるアルバム『Names, Places』をリリースした。収録曲はすべて彼による作曲で、深い抒情性を湛えた楽曲群が素晴らしい。演奏にはトム・オレン(Tom Oren, p)、ガイ・モスコヴィッチ(Guy Moskovich, p)、オフリ・ネヘミヤ(Ofri Nehemya, ds)、ヨタム・シルバースタイン(Yotam Silberstein, g)、イタマール・ボロホフ(Itamar Borochov, tr)といった現代イスラエルジャズを代表する名手たちが多数参加し、聴きごたえのあるプレイをたっぷりと楽しませてくれる。

今作は、アロン・ニアが直近5年間で経験してきたツアーや旅行、ハイキングなどを通して綴られた旅行記的な作品である。エジプト最高峰のカテリーナ山を祖父と登ったあとに書かれた(2)「Missing」、東洋での記憶が宿る(6)「Lichi」(ライチ)や(7)「Tokyo」が良い例だろう。それぞれの楽曲は、ある場所と、そこで彼が感じた心の情景、一期一会の人々との出会いといった、旅とそれがもたらす情緒の豊かさが反映されている。

(1)「Breathe」

ベーシストのアヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)からの影響も強く感じさせる(5)「Shiguim (Shenanigans)」は、今作中でもっとも“イスラエルジャズ”の真髄を感じさせてくれる曲だ。曲のタイトルは「いたずら」や「悪ふざけ」といった意味で、ここでは彼の音楽的な遊び心が存分に発揮されている。

Alon Near プロフィール

アロン・ニアは1994年イスラエル生まれのベーシスト/作曲家。14歳から演奏を始め、現在はヨーロッパとニューヨークを拠点に活動する彼は、14歳で演奏を始めた。

2013年にロストフ国際ジャズ・コンクールで1位を獲得し、2015年にはバークリー音楽大学とニュースクールの奨学金を得て、米国ニューヨーク市に移住し、グラミー賞受賞者のビリー・チャイルズ(Billy Childs)、サックス奏者のエリ・デジブリ(Eli Degibri)、クリス・ポッター(Chris Potter)、ピアノ奏者のジョーイ・アレクサンダー(Joey Alexander)と共にWDRビッグバンド(WDR Bigband)と共演した。

メロディーとシンプルさを重視し、ベースをまるで物語を語る声のような存在として演奏するスタイルに定評がある。これまでに前出のエリ・デジブリのほか、サックス奏者ユヴァル・コーエン(Yuval Cohen)、ハーモニカ奏者ヨタム・ベン=オール(Yotam Ben-Or)といったアーティストのアルバムにベーシストとして参加。2026年に初のリーダー作となる『Names, Places』をリリースした。

Alon Near – double bass
Tom Oren – piano (1, 2, 6, 7, 8)
Guy Moskovich – piano (3, 5)
Itay Simhovich – piano (9)
Eviatar Slivnik – drums (1, 6)
Alon Benjamini – drums (2, 7, 8)
Ofri Nehemya – drums (3, 5)
Edo Gur – flugelhorn (1, 2)
Itai Kriss – flute (7)
Itamar Borochov – trumpet (3, 8)
Yotam Silberstein – guitar (6, 8)
Nitzan Canetty – violin (6)
Gili Rivkin – violin (6) 
Idan Abrahamson – viola (6)
Haran Meltzer – cello (6)

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