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  • 2026-10-13
  • 2026-10-13

ヘナート・ブラス(Renato Braz) ストーリー|歌の記憶を、いま生きる声に

澄んだ歌声と確かなリズム感で、ブラジル音楽の豊かな世界を伝えるヘナート・ブラス(Renato Braz)。サンパウロのバーでドラムを叩きながら歌い始め、1996年にソロデビュー。2002年にはビザMPB賞のヴォーカル部門で審査員賞と聴衆賞を獲得した。サンバ、ボサノヴァ、北東部の音楽から詩に基づく歌曲まで、世代や土地を越えて歌を選び、言葉と旋律に新しい息を吹き込んできた。ドリ・カイミやマリオ・ジルとの長年の協働、ポール・ウィンターとの海外活動、ラテンアメリカ各地の歌への探求も、歩みを彩る。ジョアン・ジルベルト、ガル・コスタ、チン・マイアへのトリビュートでは、敬愛する歌い手の世界を自身の声で読み直した。著名な作家の名曲と同時代の知られざる佳曲を等しく大切にする姿勢は、デビューから30年を迎える現在も変わらない。10月15日、東京・ハクジュホールで開催される「ヘナート・ブラス&フレンズ」には、フレッヂ・マルチンス(Fred Martins)、ギリェルミ・ネヴィス(Guilherme Neves)、マリオ・ジル(Mário Gil)が共演。歌とギターが響き合う、親密で豊かな音楽の時間を届ける。

  • 2026-10-13
  • 2026-10-13

<ヘナート・ブラス & フレンズ>のギリェルミ・ネヴィスって?|プロフィール紹介|Guilherme Neves

10月15日に東京・ハクジュホールで開催される<ヘナート・ブラス & フレンズ>公演に出演するギリェルミ・ネヴィス。ニテロイに生まれバイーアで育ち、サンパウロを拠点に活動するシンガーソングライター/ギタリストだ。 ジョアン・ジルベルトへの敬愛を背景に、サンバやボサノヴァ、ショッチなどブラジルの豊かなリズムと旋律を、自らの日常や記憶に引き寄せながら繊細に紡いできた。彼の真価は単独の弾き語りにとどまらず、仲間との親密な協働にある。ヘナート・ブラスやフレッヂ・マルチンス、マリオ・ジルら現代MPBの重要人物と長年にわたり共作・共演を重ね、『Pescador』や『Samba Tímido』などのソロ作を通じて豊かなレパートリーを築き上げてきた。 2026年10月には、まさにその盟友4人による共名義アルバム『Caminhos Cruzados』をリリース。歌を書くことと人との関係を育てることを分かち難く結びつけてきた彼の歩みが、見事に結実している。長年培われた濃密な音楽的対話と、ブラジルの歌が持つ奥深い美学を、生の声とギターの響きで直に体感できる待望の来日ステージとなる。

  • 2026-10-13
  • 2026-10-13

<ヘナート・ブラス & フレンズ>のマリオ・ジルって?|プロフィール紹介|Mario Gil

10月15日(木)、東京・ハクジュホールの〈ヘナート・ブラス&フレンズ〉に出演するマリオ・ジル(Mario Gil)。1962年、ブラジルのミナスジェライス州生まれの歌手、作曲家、ギタリスト、音楽プロデューサーだ。クラシック・ギターを学び、1993年に初作『Luz do Cais』を自主制作。モニカ・サウマーゾの初レコード録音もこの作品だった。パウロ・セーザル・ピニェイロとの共作「Anabela」「Outro Quilombo」は、長年の盟友ヘナート・ブラスらに歌い継がれている。1998年の『Contos do Mar』でアリ・バホーゾ賞の作曲家部門を受賞し、2000年にはビザMPB賞で第3位に入賞。『Comunhão』『Mar Aberto』などの発表と並行し、編曲から録音、ミキシング、マスタリングまで幅広く担ってきた。制作に携わったナナ・カイミの『Nana, Tom, Vinicius』は、2021年のラテン・グラミー年間最優秀アルバム部門にノミネート。ドリ・カイミの楽譜集や記念アルバムにも貢献した。自ら歌を生み出し、仲間の表現を支え、ブラジル音楽を次代へとつなぐ、歩みを紹介する。

  • 2026-10-13
  • 2026-10-13

<ヘナート・ブラス & フレンズ>のフレッヂ・マルチンスって?|プロフィール紹介|Fred Martins

10月15日(木)、東京・ハクジュホールで開かれる〈ヘナート・ブラス&フレンズ〉に出演するフレッヂ・マルチンス(Fred Martins)。1970年、ブラジルのニテロイ生まれの歌手、作曲家、ギタリストだ。サンバやボサノヴァに根ざしながら、ジャズやブルース、ファドなどを取り込み、独自の歌の世界を築いてきた。1980年代半ばに創作を始め、約10年間、ブラジル音楽の巨匠たちのソングブック制作で採譜に従事。数々の名歌手に作品が取り上げられ、2001年に初のソロ作『Janelas』を発表した。2006年にはビザ・ブラジル音楽賞の作曲家部門で優勝。2010年の欧州移住後は、国や文化を越えた共演を重ねる。2021年の『Ultramarino』、2024年のマルコス・スザーノ(Marcos Suzano)との共演作『Barbarizando geral』を経て、2025年にはカーボ・ヴェルデの歌手ナンシー・ヴィエイラ(Nancy Vieira)とのデュオ作『エスペランサ〜希望〜』を日本先行発売し、来日公演も実施。豊かな旋律と繊細な演奏でブラジルの歌の豊かさを世界へとつなぐ、その歩みと魅力を紹介する。

  • 2026-08-17
  • 2026-09-17

映画『ニホンジン』を観てから読む原作『ニホンジン』─ 映画では描かれなかった、もう一つの家族の物語

映画『ニホンジン』を観たあとで、原作小説『ニホンジン』を読むと、かなり印象が変わる。ヒデオ、ノボル、ハルオといった人物は共通しているが、人物関係や出来事には大きな違いがある。映画では整理された家族関係が、原作ではもっと複雑で、そこには映画でほとんど描かれなかった人物たちの人生もある。セリア・カトゥンダ監督によるアニメーション映画『ニホンジン』は、原作をそのまま映像化した作品ではない。映画を観たからこそ気づける、原作との違い。ここでは、その違いを中心に『ニホンジン』を紹介してみたい。

  • 2026-07-07
  • 2026-09-17

【幻の音源】ビョーク × ミルトン・ナシメント × デオダート。1996年、リオで生まれた幻のカバー音源「Travessia」|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

ビョーク(Björk)がポルトガル語で歌い上げた、ミルトン・ナシメントの大名曲「Travessia(トラヴェシーア)」。録音には、オリジナルの「Travessia」のアレンジにも関わったエウミール・デオダートも参加している。 エイズ撲滅支援の世界的プロジェクト『Red Hot + Rio』のために録音されながらも、結果的に公式リリースを見送られ、「幻の音源」となってしまった。当時の報道では、ビョークがこの仕上がりを気に入り、自身の新作のために取っておきたいと考えたためだと伝えられている。だが、その後の公式アルバムにも収録されず、現在知られている音源は、のちに一部の非公式コンピレーション(『Icelandic Mysteries』など)に収録された音源だ。現在のところ、正規のディスコグラフィーには残らない「アウトテイク」となってしまっている。

  • 2026-07-04
  • 2026-09-17

ブラジル国民がガチで愛するミルトン・ナシメントの楽曲ランキング!|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

 で、結局、ブラジルで最も愛されているミルトンの名曲は? その回答になる1つのランキングがあります。  ブラジルの著作権管理団体(ブラジル中央著作権徴収機関|ECAD)が、ミルトン・ナシメントが80歳の傘寿を迎えた際に発表した過去10年間における「最も再生・演奏されたミルトン・ナシメントの楽曲」ランキングです。

  ECADによるこのランキングは、SpotifyやYouTubeなどの再生回数ランキングではありません。対象となっているのは、ラジオ、店舗や施設でのBGM、パーティーや娯楽施設、カーニバル、フェスタ・ジュニーナ、ショー、ライブ演奏など、公共の場で音楽が使われた回数がカウントされいます。ひとりの聴き手がイヤホンで何度再生したかではなく、ブラジル社会の中で、ミルトンの歌がどれだけ公共空間に鳴っていたかのランキングです。

  • 2026-07-01
  • 2026-09-17

ミルトン・ナシメントと鉄道|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

ミルトン・ナシメントの音楽には、何度も列車が現れる。 それは単なる乗り物ではない。ミナスジェライスの山あいを走る鉄道であり、故郷と外の世界を結ぶ線であり、誰かを連れてくる音であり、誰かを連れ去る音でもある。駅のベンチ、遠い汽笛、煙を吐く機関車、空っぽになった広場、見送る人、帰ってくる人。ミルトンの歌において「trem」は、いつも風景以上のものを運んでいる。 ・鉄道は、出会いと別れの場所である。 ・鉄道は、郷愁の器である。 ・鉄道は、失われた共同体の記憶である。 ・そしてときに、人生そのものの比喩になる。

  • 2026-06-30
  • 2026-09-17

ミルトン・ナシメントの五拍子と変拍子の世界|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

ミルトン・ナシメント、そしてクルービ・ダ・エスキーナ周辺の音楽の魅力は、5/4や9/4といった複雑な拍子を、技巧の誇示としてではなく、ひとつの自然な呼吸として聴かせてしまうところにもあります。  変拍子というと、どこか難解で、数えながら聴く音楽のように思われがちです。けれどミルトンの音楽では、拍子の複雑さが前に出ることはほとんどありません。ミナスの山並み、言葉の抑揚、記憶の揺れ、歩く速度、歌う人の息づかい。そうしたものがそのまま旋律になった結果、音楽が四角い小節の枠から少しだけはみ出していく。そこに、彼のリズムの不思議があります。

  • 2026-06-26
  • 2026-06-26

ロー・ボルジェスが残した最後の贈り物|ローが生前完成させていたアルバムが発表に

2023年、ロー・ボルジェスと兄のマルシオ・ボルジェスは、アルバム『A estrada(道)』を構想した。それは、「Tudo que você podia ser(なれたかもしれないすべて)」(1972年)や「Um girassol da cor de seu cabelo(君の髪の色のひまわり)」(1972年)といったスタンダード・ナンバーを生み出した、1970年代から続く二人のパートナーシップの「終着点」として計画されたものであった。しかし、ミナスジェライス州出身のこの兄弟は、まさかこのアルバムが文字通り「あらゆる意味での本当の終わり」を意味することになろうとは、夢にも思っていなかったことであろう。

  • 2026-01-03
  • 2026-01-03

ファンキ・カリオカをポップにし、お茶の間にも広めた伝説的デュオ「クラウヂーニョ&ブシェッシャ」の全ディスコグラフィー|『僕らの夢〜ファンキ・カリオカ〜』をブラジル映画祭+ で日本初公開

 クラウジーニョ&ブシェッシャ(Claudinho & Buchecha)のファンキ・カリオカは、Funk Melody(ファンキ・メロディ)、またはFunk Melodia(ファンキ・メロヂア)と呼ばれた。一言で言えば、過激さを抑え、ロマンチックな歌詞と歌えるメロディを重視した、ポップなファンキだった。ファンキは、当初、社会への怒りや過激な性を歌うものが多く、中産階級やメディアからは「危険な音楽」として敬遠されていた。
 しかし、DJマルボロらがプロデュースを行い、より親しみやすい「ファンク・メロディ」が登場すると状況が一変した。クラウジーニョ&ブシェッシャはその変化の中心にいた。ファンキ・カリオカのビートに乗って「愛」を歌うことで、ファンクは危険なものから「ブラジル全土のポップミュージック」へと進化した。これにより、ファンクはラジオやテレビで放送される市民権を得た。そんな歴史的背景を踏まえながら、クラウジーニョ&ブシェッシャの全ディスコグラフィー(オリジナルアルバム5作とライヴアルバム1作)と代表曲を紹介したい。

  • 2025-12-31
  • 2026-01-02

マリア・ベターニア|バイオグラフィー|ブラジルの運命を詠う「女王蜂」 — その全生涯、芸術、そして神秘

「ブラジル映画祭+ 」で上映される『2月のために~マリア・ベターニアとマンゲイラ〜』。本作は「単なる歌手の伝記ではなく、ブラジルの文化的・精神的な深層を探る旅となる」であるが、マリア・ベターニアがブラジルにおいて如何に評価されてきた歌手かという点は、大きく省略されている。しかしながら、日本での上映となるとマリア・ベターニアのことをあまり知らない方にも観て欲しいし、映画への理解を深めて欲しい。本稿では、彼女のキャリアそのものを紹介する。

  • 2025-12-27
  • 2025-12-27

伊藤志宏 3cello variation ─ 目を閉じて耳で読む物語【NOCTIODRIA(ノクティオドリア】

アルバム・タイトルの『Noctiodria(ノクティオドリア)』は、ラテン語を組み合わせた伊藤志宏による造語だ。意味は「意味は「夜の香り/漆黒の香気)」──。  ジャズ・ラテン・器楽系音楽から歌伴まで、確たるテクニックに支えられた閃きに溢れた演奏で八面六臂の活躍をするピアニストの伊藤志宏が、平山織絵、井上真那美、島津由美という3人の女媛チェリストと活動する「伊藤志宏 3cello variation」が、美しい物語を編んだ2014年のデビュー作『Tapestria(タペストリア)』から4年、セカンド・アルバム『Noctiodria』を完成させた。

  • 2025-12-27
  • 2025-12-27

情感と緊張感に溢れる物語が紡がれる至高の室内楽── 伊藤志宏 3cello variation【タペストリア】

 東京の器楽系シーンで最も信頼されるピアニストの1人、伊藤志宏。彼のライヴ・スケジュールは、丸々一ヶ月休みがないのではないかと心配になってしまう程、ほぼ毎日、様々な編成での演奏スケジュールで埋まっている。その伊藤が、彼の活動の中で今最も力を入れている活動の1つが、平山織絵、井上真那美、島津由美という3人の女性チェリストによるユニット「伊藤志宏 3cello variation(以下、3cello)」だ。昨年ファースト・アルバム『タペストリア』をリリース、ライヴ活動もコンスタントに行い前進を続けるユニットだが、そもそもなぜ、このような変則的な編成のユニットを、伊藤は結成することになったのか……。大塚・グレコでのライヴ前、4人にインタビューする機会を得た。