- 2020-04-14
- 2020-04-14
イスラエルジャズの次代を担うギタリスト、ニツァン・バール
10代の頃から“神童”と持て囃され注目されてきたイスラエルのジャズギタリスト、ニツァン・バール(Nitzan Bar)の『The Scratch』は現代的な感覚に溢れたもっと注目されるべきジャズギター作品だと思う。
10代の頃から“神童”と持て囃され注目されてきたイスラエルのジャズギタリスト、ニツァン・バール(Nitzan Bar)の『The Scratch』は現代的な感覚に溢れたもっと注目されるべきジャズギター作品だと思う。
ジャズやクラシック、ポップスなどジャンルを跨って活躍するブラジルのピアニスト、アンドレ・メマーリ(André Mehmari)と、イタリア・トリエステ出身でサンパウロ交響楽団のコンマスを務めるクラシックヴァイオリン奏者エマヌエーレ・バルディーニ(Emmanuele Baldini)のデュオアルバム『Conversas com Bach』がリリースされた。
美しい音楽は気分が滅入ってしまいそうな毎日に確かな癒しをもたらしてくれる。ピアニスト/作曲家、サロマォン・ソアレス(Salomão Soares)と歌手ヴァネッサ・モレーノ(Vanessa Moreno)による2019年作『Chão de Flutuar』は、ピアノと声だけのこの上なく美しい音世界に浸れる傑作だ。
ブラジルの新進気鋭の女性フルート奏者/作曲家マイアラ・モラエス(Maiara Moraes)の2nd『Cabeça De Vento』は、クラシックやジャズ、現地の伝統音楽が壁なく交叉する南米の充実した現行音楽シーンを象徴するような刺激的な一枚だ。
南米アルゼンチンのギタリスト、ホセ・サルーシと同じくアルゼンチンのベーシスト、フアン・フラッキに、デンマークのドラマー、ウルリック・ビスガアルドが加わった極上のギタートリオ作品『Lugar』。このメンバーでは初めての録音とのことだが、アルゼンチンと北欧音楽に共通する叙情性がギタートリオという小編成の中で見事に結実した素晴らしい音楽だ。
モーリス・ルカ(Maurice Louca)の2019年作『Elephantine』。エレクトロ・アコースティック・シャアビと高く評された前作とは変わり、今作では大編成バンドでの生演奏のみの路線へ。だが音のクレイジーさは相変わらずで、アコースティック楽器が主体となった分、むしろより一層の本質的な狂気を感じる内容になっている。
パレスチナ人ジャズピアニスト 、ファラジュ・スレイマン(Faraj Suleiman)のデビュー作。耳に新鮮に響くアラビックな旋律とヨーロッパジャズ的な叙情、そして卓越したピアノの演奏技術と相まって、個性的かつ美しいジャズを聴かせてくれる唯一無二の存在。右手が繰り出すトリルは軽快だが、心に訴えかけるメッセージを載せる。
竹製の創作楽器や和太鼓、篠笛、ギター、ベースといった編成で日本の伝統的な音楽と大地を揺らすようなアフロビートを融合した独特の音楽を演奏するバンド、AJATE(アジャテ)が面白い。
シンガーソングライター/ギタリストの青葉市子が、2020年1月に東京・赤坂の草月ホールで行われたデビュー10周年記念コンサートの模様をライヴ盤として発売した。『"gift" at Sogetsu Hall』と題された今作は、アカペラで披露される(1)「守り哥」で始まる、声とギターだけの17曲・79分の至福のとき。
『Imagina』はスペイン・カタルーニャの卓越した女性クラシックギタリスト、エリザベト・ローマ(Elisabeth Roma)と、その娘でトロンボーン奏者/シンガーのリタ・パイエス(Rita Payes)の母娘による美しいデュオアルバム。カタルーニャ語の伝統曲からボサノヴァ、ラテン音楽といった彼女たちが日常の中で親しみ歌ってきた曲を、親子ならではの愛情に満ちた親密な演奏で届けてくれた。
西アフリカ・ベナン出身のギタリスト、リオーネル・ルエケ(Lionel Loueke)とハンガリー出身のドラマー、フェレンク・ネメス(Ferenc Nemeth)、そしてスウェーデン生まれのイタリア人ベーシストのマッシモ・ビオルカティ(Massimo Biolcati)のトリオ、ジルフェマ(Gilfema)。アフリカ音楽のエッセンスが色濃く反映された個性的なジャズがとても面白い。
ンドゥドゥーゾ・マカティニ(Nduduzo Makhathini)の新譜『Modes of Communication: Letters from the Underworlds』は、81年の歴史を誇るジャズの名門、ブルーノート・レコードにとって歴史的な一枚となった。この“しりとりが終わらなくなる”危機を孕む名前を持つピアニストは、南アフリカ人としてブルーノート・レコードとサインを交わした初めてのアーティストなのだ。
前作『Drunk』(2017年)が大ヒットしたベーシスト/作曲家/シンガー、サンダーキャット(Thundercat)の待望の新譜『It Is What It Is』は、親友の死を乗り越えたサンダーキャットとフライング・ロータスの共同プロデュースによるジャジー&ファンキーな傑作だ。
イスラエル出身のトランペッター、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)のECMレーベルからの最新作『Big Vicious』は、静謐な物語を封じ込めた前作のヨナタン・アヴィシャイ(Yonathan Avishai)とのデュオ『Playing the Room』(2019年)からは打って変わり、5人編成のバンドでのロックやプログレ、クラシック、さらには現代的なビートミュージックも飲み込んだおそるべき作品だ。