- 2021-10-03
- 2021-10-03
西洋クラシックとトルコ伝統音楽を結ぶ異色の架け橋
トルコを代表するジャズベーシスト/作曲家のグロル・アギルバス(Gürol Ağırbaş)が2006年にリリースした名作(迷作?)がこちら、『Köprüler / Iki Dünya』。タイトルは「橋 / ふたつの世界」の意味で、どことどこに橋を架けているのかというと、西洋クラシック音楽とトルコの伝統音楽という二つの世界なのだ。
トルコを代表するジャズベーシスト/作曲家のグロル・アギルバス(Gürol Ağırbaş)が2006年にリリースした名作(迷作?)がこちら、『Köprüler / Iki Dünya』。タイトルは「橋 / ふたつの世界」の意味で、どことどこに橋を架けているのかというと、西洋クラシック音楽とトルコの伝統音楽という二つの世界なのだ。
トルコのクラシックギタリスト、エルデム・スクマーン(Erdem Sökmen)とハサン・メタン(Hasan Meten)が南米音楽をテーマにデュオで録音したアルバム、『1』(2019年)。2013年からデュオを組む二人による素晴らしい演奏が楽しめる。
イスラエル出身の若手サックス奏者シャハル・アムドール(Shahar Amdor)のデビュー作『Cassiopeia』は、ギターに若手No.1のニツァン・バール(Nitzan Bar)、シャハル同様にバークリーで学んだベーシストのナダフ・ラヴィ(Nadav Lavie)、ここ数年で頭角を表してきたドラマー、ニツァン・バーンバウム(Nitzan Birnbaum)という布陣で録音されたイスラエル・ジャズシーンの要注目作だ。
限りなく“イスラエル的”なカルテットが登場した。ニグン・カルテット(Nigun Quartet)のニグン(Nigun, Niggun, Niggen)とはユダヤ教超正統派(ハシディズム)に伝わる旋律のこと。Nigun Quartetはハシディズムのメロディーを現代的なアレンジやジャズの即興演奏で時代に適応させる。メンバーは24歳のピアニスト、34歳のサックス奏者、49歳のベーシスト、そして53歳のドラマー。宗教的・民族的な立場からのジャズへのアプローチ。
アルゼンチンのSSW、ラリー・バリオヌエボ(Raly Barrionuevo)の2021年新譜『1972』。この4桁の数字は彼の生まれた年だ。このアルバムのコンセプトは彼が少年時代に聴いた思い出の歌の塊であり、幼少時に母親の浮気をきっかけに彼の元を去った父親に捧げられた個人的な作品でもある。
1999年生まれのイスラエルの新鋭ピアニスト、エデン・ギアット(Eden Giat)がデビュー作となる『Crossing the Red Sea』をリリースした。アルバムタイトル“紅海を渡る”は、救済者モーセがイスラエルの民を率いて紅海を渡ったという『出エジプト記』に因む。
ロシアのピアニスト/ヴォーカリスト/作曲家クセニア・フェードロワ(Ksenia Fedorova)のソロ新譜『Birds Songs』は、去っていった恋人の元を鳥になって訪れる少女の寓話を描いた前衛室内楽だ。バロック音楽からジャズ、エレクトロニカなどが渾然一体となりアートの渦に飲み込む様は見事としか言いようがない。
サックス奏者アロン・ファーバー(Alon Farber)が率いるイスラエルの名セクステット、Hagigaの4枚目のアルバム『Reflecting on Freedom』がリリースされた。今作もHagigaらしい緻密で多様なジャズ・アンサンブルが楽しめる素晴らしいクオリティの作品だ。
ロシアの7人組バンド、Settlers。彼らはロシアの伝承歌をインスピレーションの源とし、コンテンポラリー・ジャズで表現する優れたバンドだ。2019年秋に学生グループによって競われるJazz Across Bordersで優勝し、以降各地で演奏しながらアルバムの制作に取り組んできた。デビュー作『У заветного столба』が密かに評判を呼んでいる。
これはびっくりするくらい良い作品が届いた。スペインのピアニスト/作曲家ダニエル・ガルシア(Daniel García)のトリオ新譜『Via de la Plata』。アルバムタイトル“銀の道”はスペイン南西部の都市セビリアからひたすら北上しアストルガまで約705km続くローマ時代の交易路・巡礼路のこと。
チック・コリアに“世界一のピアニスト”と称えられたトルコ出身のアイデン・エセン(Aydin Esen)が、国境を越えた3人の若手奏者を率いてスタートさせた新しいプロジェクト「Ayna Veer」。ここにはジャズの即興演奏の醍醐味が詰まっている。
ジプシー・ブラス(チョチェク)の世界的ブームを牽引してきたルーマニアのバンド、ファンファーレ・チョカルリア(Fanfare Ciocărlia)は結成25周年を迎えたようだ。新譜『It Wasn't Hard to Love You』でも高速ブラスの快感は健在。血湧き肉躍る飾らない音楽の原初的興奮に満ちている。
デビューシングル「Loca」を聴いて気になっていたスペインの二人組バンド、ムンド・ディヴィーノ(Mundo Divino)が、待望のデビューアルバム『En el mismo reloj』をリリースした。ギターやフレットレスベース、カリンバなどを担当するエルカリンベロ(elcalimbero)と、ヴォーカルのマリア・デル・タンゴ(Maria del Tango)の二人組。
イスラエルのピアニスト/作曲家オメル・クライン(Omer Klein )の新譜『Personal Belongings』は、その名の通り彼自身の個人的な体験にインスパイアされた内省的な楽曲集で、ローカルな文化に強く影響された美しい演奏が強烈な印象を残す。