CATEGORY

Hip Hop

  • 2022-07-03
  • 2022-07-03

グラミー賞受賞アーティストにして、ピューリッツァー賞受賞アーティスト。現代ヒップホップの王が発表した「人間宣言」

先日プリンス・ポール(Prince Paul)の記事で触れたストーリーテリングヒップホップ。それを体現している現代最高のストーリーテラー、それがケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)である。これまでにオリジナルアルバムとして発表された3枚のアルバムは全てコンセプトアルバム。とりわけ、グラミー賞を初めて受賞した『To Pimp A Butterfly』はBLM(ブラック・ライブス・マター)の時流を捉えた黒人コミュニティを代弁するような作品であったし、続く『DAMN.』は宗教問題に言及した内容が高く評価された。

  • 2022-06-18
  • 2022-06-18

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~④skitの生みの親、プリンス・ポール

プリンス・ポール(Prince Paul)と聞いて、「?」となる方は多いだろう。ましてやネイティブ・タンの特集であれば、何よりもデ・ラ・ソウル(De La Soul)を取り上げなければならない案件である。ただ、その陰にこういった名プロデューサーがいたことは忘れてはならないし、これを知ってからデ・ラ・ソウルを聴けば、また違った目線で楽しめるはずー。そのような思いで今回、プリンス・ポールを先に取り上げることにする。

  • 2022-06-17
  • 2022-06-14

魂揺さぶる強烈なブラジリアン・ビート、Maga Bo 10年ぶり新譜『Amor』

ワシントン州シアトルに生まれ、ブラジルに移住し2000年代初頭にブラジルの民族音楽とヒップホップやベイス・ミュージックを組み合わせ、グローバル・ベイスのムーヴメントの立役者の一人となったDJ/プロデューサー、マガ・ボー(Maga Bo)が実に10年ぶりの新作『Amor (É Revolução)』をリリースした。

  • 2022-04-09
  • 2022-06-18

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~③数多のプロデューサーに愛される音の探求者・コモン

今回取り上げるのは初期作の中でも完成度の高い94年発表の2nd『Resurrection』。まだまだラップが荒削りであったり若さを感じる部分はあるが、それは「今のコモンに比べて」という注釈入りのものであり、ジャジーなトラックも含め、この時代のHipHopのトーン&マナーを押さえた重要作と言っていいだろう。

  • 2022-03-29
  • 2022-03-29

ただの“UKジャズ良盤”ではない、Neue Grafik Ensemble 新譜に込められた切実な願い

サウスロンドンを拠点とする鍵盤奏者/プロデューサーのノイエ・グラフィック(Neue Grafik)のバンド、Neue Grafik Ensembleが新作『Foulden Road Part II』をリリースした。今作は2019年の『Foulden Road』の続編となる作品で、即興演奏やグルーヴの喜びに満ちているが、その底流には重いテーマを掲げる。

  • 2022-03-05
  • 2022-03-05

UKジャズの震源地・Tomorrow’s Warriors発。Blue Noteも認めた若き才能、Blue Lab Beatsの新たな実験

2022年2月25日、ロバート・グラスパーの最新作「Black Radio Ⅲ」の発表に湧き立つ裏で、もう一つシーンにおいて重要な作品がリリースされていたことをご存知だろうか。2020年にBlue Note と契約後、EPやプロジェクト作を経て、初のメジャー作となったブルー・ラブ・ビーツ(Blue Lab Beats)の『Motherland Jorney』は、その名の通り、彼らの音の実験室に迷い込んだような、ジャンルの垣根を超えたビートに満ち溢れていた。

  • 2022-02-04
  • 2022-02-04

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~②レアグルーヴが鳴り響く90年代ヒップホップの金字塔

第2回で取り上げるのは、ネイティブ・タンで唯一「The Source」の5本マイクをデビューから2作連続で獲得した、ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest、以下ATCQ)のデビュー作『People's Instinctive Travels and the Paths of Rhythm』(1990)。本作の特徴は何といってもそのサンプリングソースの多彩さにある。

  • 2022-01-14
  • 2022-01-14

『&chill』シリーズの一部がヴァイナルでリリース。ゲームがいざなう極上のチルアウト。

開会式での故すぎやまこういち氏のドラゴンクエスト序曲「ロトのテーマ」が世界中で絶賛された2021年東京五輪。我々が思っている以上に、日本のゲームが"クールジャパン"として世界に浸透していることの証左になった昨年の一大トピックであるが、それより前に日本のゲームに熱視線を送っていたレーベルが米国にあった。

  • 2022-01-09
  • 2022-01-11

【特集】天才ラッパーにして天才クリエイター。Tyler, the Creator、珠玉のメロウネス10選

今から約10年前。タイラー・ザ・クリエイター(Tyler, the Creator)が、デビュー作『Goblin』で発表した楽曲「Yonkers」はあまりにも衝撃的だった。2011年のビルボードチャートと言えば、LMFAOの「Party Rock Anthem」に代表されるようにEDM真っただ中。そんな中、MVのインパクトもさることながら「Yonkers」はウータン・クランの再来かと思うくらいのミニマルでスリリングなサウンドとクオリティで、シーンに殴り込みをかけてきたのだ。

  • 2021-12-31
  • 2022-06-18

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~①「ビート狂い」が世に送り出した、ストリート目線の“JAZZ”

本特集で真っ先に取り上げたいのが、このビートナッツ(Beatnuts)の歴史的クラシック『Street Level』(1994)。元々はラッパーではなくプロデューサーチームだったビートナッツが満を持して放った1stアルバムは、そのラップスキルはもちろんのこと、トラック使いも驚きに満ちたものだった。

  • 2021-12-20
  • 2021-12-21

フランスの天才マルチ奏者・FKJのレア盤が国内版再発

2019年、コロナにより世界の構図が大きく変わる以前に、FKJはこの世界を既に視界にとらえていたのではないか。そう思わせるような癒しと慈愛に満ちた温かな作品が再発された。その名も「Ylang Ylang」。