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Hip Hop

  • 2023-02-28
  • 2023-02-28

現代ジャズで個性を確立するトランペッター、シオ・クローカー。ネオソウルを取り入れた新譜

米国の気鋭トランペット奏者、シオ・クローカー(Theo Croker)の新作EP『By The Way』がリリースされた。今作は南ロンドン出身の女性ヴォーカリスト、エゴ・エラ・メイ(Ego Ella May)やDJ/プロデューサー/打楽器奏者のD’LEAUを全面的にフィーチュアし、ネオソウルの心地良さを纏った作品となっている。

  • 2023-01-30
  • 2023-01-29

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~⑥アフロセントリックに呼応したネイティブ・タンの始祖、ジャングル・ブラザーズ

時は80年代後半。アフリカン・ファーストを掲げるムーブメント「アフロセントリック」はファッションの分野を皮切りに、それらと密接に関わるHipHopにもまた大きな影響を与えていた。ネイティブ・タンの代表的な存在でもあり、ハウスを取り入れた音楽性にとかく注目が集まりがちなジャングル・ブラザーズ(Jungle Brothers)であるが、彼らもまたアフロ主義をメッセージに込めた「アフロセントリック」なアーティストであることを忘れてはならない。

  • 2022-12-18
  • 2022-12-17

アンダーソン・パークに見出されたエレクトロデュオ、DOMi & JD BECKのデビュー作『Not TiGHT』

前回のグラミー主要4部門を受賞したブルーノ・マーズ(Bruno Mars)とアンダーソン・パーク(Anderson .Paak)のスーパーデュオ、シルク・ソニック(Silk Sonic)。ちょうど昨年の今頃、本サイトでも取り上げた彼らの作品『An Evening With Silk Sonic』の楽曲「Skate」に参加した才能溢れる若者が、アンダーソン・パークが主宰するレーベル、エイプシット・インク(APESHIT Inc.)から今年デビューを果たした。キーボードのドミ (DOMi LOUNA)と、ドラムスのJD・ベック (JD BECK)による2人組ユニット、DOMi & JD BECK。そのあどけない見た目とは裏腹な大人びたサウンドと超絶テクニックでアンダーソン・パークのみならず、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)やロバート・グラスパー(Robert Glasper)からも熱い視線を浴びる22歳と19歳の若きアーティストのデビュー作『Not TiGHT』。これを聴けば錚々たるレジェンド達が何故ここまで彼らをフックアップするのかがきっとわかるはずだ。

  • 2022-12-03
  • 2022-12-03

現代Jazz、HipHop、イスラム神秘主義の驚くべき融合。Sélébéyone 2ndアルバム『Xaybu』

米国の気鋭サックス奏者/作曲家スティーヴ・リーマン(Steve Lehman)が率いるジャズ・ヒップホップ・コレクティヴ Sélébéyone の2ndアルバム『Xaybu: The Unseen』。現代ジャズとラップやスポークン・ワード、そして西アフリカ音楽やスーフィズムとの実験的だが完成された融合が驚くべき結果を生んだ壮大な作品となっている。

  • 2022-11-26
  • 2022-11-26

ベルリンの次世代ジャズの担い手、ドラマー ノア・ファーブリンガーの超高品質デビュー作

ドイツ・ベルリンの現行ジャズシーンで活躍するドラマー、ノア・ファーブリンガー(Noah Fürbringer)が、ソロデビュー作 『Moonwalker』をリリースした。サイドマンとしてジャズやヒップホップ、エレクトロニック、ロックなど様々な分野で培ってきた経験を武器に、多彩なセンスで魅せる現代的なジャズ作品となっている。

  • 2022-11-23
  • 2022-11-23

【特集】自らのHipHopを貫き通す”日本のJ.Dilla”。MONJU発、ISSUGIのワールドワイドなトラック10選

時代のトレンドに流される事なく、自らの考えるHipHopをブレずに貫き通すラッパー、ISSUGI。そんなISSUGIのグルーヴを感じることのできる楽曲を本特集では厳選。また、本特集に合わせたプレイリストも作成した。レぺゼン日本ともいえる、ワールドワイドなHipHopがここ日本でも生まれ続けていることを、その耳で確かめていただきたい。

  • 2022-11-06
  • 2022-11-06

分断される世界を繋ぐ微分音トランペット。鬼才イブラヒム・マーロフ、ヒップホップに傾倒した新譜

レバノンにルーツを持つフランスのトランペッター、イブラヒム・マーロフ(Ibrahim Maalouf)の新譜『Capacity to Love』は、出自による差別や考え方の違いによる分断が顕在化する社会において、包容力や愛、アイデンティティを持つことの大切さと誇りを説くメッセージ性の強い作品となった。

  • 2022-10-22
  • 2022-11-23

デビューから22年。大人になったCDが描くUKダンスミュージックの未来。

R&Bの00年代回帰が止まらない。前回記事でも取り上げたジョン・レジェンド(John Legend)に続き、UK発「King of 2STEP」ことクレイグ・デイヴィッド(Craig David)の新作が発表されたからだ。デビューから22年、そして2022年に発表という事で題された本作は、デビュー当時の洗練されたダンスミュージックがR&Bのフォーマットで見事に昇華された渾身の一枚と言っていい。

  • 2022-10-13
  • 2022-10-09

現行UKジャズシーンを代表するサックス奏者カミラ・ジョージ、ルーツを意識した3rd『Ibio-Ibio』

ロンドンのサックス奏者/作曲家のカミラ・ジョージ(Camilla George)が、自身のルーツであるナイジェリア南東部に住むイビビオ族へと捧げた新作『Ibio-Ibio』をリリースした。現在のUKジャズシーンの精鋭たちで固められたバンドで、ジャズ、ヒップホップ、アフロビートがシームレスに融合するサウンドを展開する。

  • 2022-09-09
  • 2022-09-09

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~⑤ラッパーから女優、そしてシンガーへ。今なお進化を続けるマルチアーティスト、クイーン・ラティファ

93年の3rdアルバム『Black Reign』では「U.N.I.T.Y」でグラミー賞(ベスト・ソロ・ラップ・パフォーマンス)を受賞と、もはや性別を超え、ラッパーとして確固たる地位を築いた彼女は今、前述のように映画スターとして、そしてシンガーとして今を歩んでいる。そんな"シンガー"クイーン・ラティファの名刺がわりとなるのが、今回紹介する07年作『Trav'lin' Light』である。

  • 2022-08-27
  • 2022-08-27

テルアビブのネオソウル最前線 J.ラモッタ すずめ、全編ヘブライ語で挑む最新作

モロッコ系イスラエル人のSSW、J.ラモッタ すずめの2022年新譜『So I've heard』。これまでは英語詞での音楽表現をメインに活動してきた彼女が初めてほぼ全編で母国語であるヘブライ語を用い、ヒップホップ/ネオソウルの明瞭なサウンドに中東音楽のエッセンスも適度に取り入れた意欲作となっている。

  • 2022-07-22
  • 2022-07-22

TikTok世代による新たなHipHop。Jack Harlowが蘇らせた「Glamorous」

白人ラッパーは、ヒップホップをメインストリームへ導き出してきたという意味では無視することのできない存在である。80年代のヴァニラ・アイス(Vanilla Ice)に始まり、90年代にはハウス・オブ・ペイン(House of Pain)のエヴァーラスト(Everlast)などがそれに当たるだろうか。00年代にはエミネム(Eminem)が登場し、10年代はドレイク(Drake)を筆頭に、ポスト・マローン(Post Malone)やマックルモア(Macklemore)といった多くの白人ラッパーを輩出した年代となった。

  • 2022-07-03
  • 2022-07-03

グラミー賞受賞アーティストにして、ピューリッツァー賞受賞アーティスト。現代ヒップホップの王が発表した「人間宣言」

先日プリンス・ポール(Prince Paul)の記事で触れたストーリーテリングヒップホップ。それを体現している現代最高のストーリーテラー、それがケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)である。これまでにオリジナルアルバムとして発表された3枚のアルバムは全てコンセプトアルバム。とりわけ、グラミー賞を初めて受賞した『To Pimp A Butterfly』はBLM(ブラック・ライブス・マター)の時流を捉えた黒人コミュニティを代弁するような作品であったし、続く『DAMN.』は宗教問題に言及した内容が高く評価された。

  • 2022-06-18
  • 2022-06-18

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~④skitの生みの親、プリンス・ポール

プリンス・ポール(Prince Paul)と聞いて、「?」となる方は多いだろう。ましてやネイティブ・タンの特集であれば、何よりもデ・ラ・ソウル(De La Soul)を取り上げなければならない案件である。ただ、その陰にこういった名プロデューサーがいたことは忘れてはならないし、これを知ってからデ・ラ・ソウルを聴けば、また違った目線で楽しめるはずー。そのような思いで今回、プリンス・ポールを先に取り上げることにする。