- 2022-09-14
- 2022-09-11
ロンドンのJazzシーンからも注目される、仏ストラスブール発の新鋭ユニット Emile Londonien
フランス北東部の街ストラスブールを拠点に活動するジャズユニット、エミール・ロンドニアン(Emile Londonien)の新作『Jazz Contenders』。2021年にデビューし、ロンドンのニュージャズのシーンからも注目される彼らの洗練されたグルーヴィーなサウンドが楽しめる好盤だ。
フランス北東部の街ストラスブールを拠点に活動するジャズユニット、エミール・ロンドニアン(Emile Londonien)の新作『Jazz Contenders』。2021年にデビューし、ロンドンのニュージャズのシーンからも注目される彼らの洗練されたグルーヴィーなサウンドが楽しめる好盤だ。
デンマーク出身のベーシスト、モーテン・アンカーフェルト(Morten Ankarfeldt)とブラジルのサックス&フルート奏者エドゥアルド・ネヴィス(Eduardo Neves) 、そして同じくブラジルのギタリスト、カイオ・マルシオ・サントス(Caio Marcio Santos)。伝統に即しつつも常に先進的な音楽を追求してきた彼ら3人の共同名義のアルバム『Cadência Verde e Amarela』が登場した。
「マコンド」という街の名を聞いて、えも言われぬ憧憬と寂寥を胸のうちに感じる人は多いだろう。ラテン文学の名作『百年の孤独』(ガブリエル・ガルシア=マルケス)で描かれたブエンディア家を中心とした7世代にわたる100年間の盛衰の物語は現実の世界にも大きな影響をもたらしたし、魔術的なラテンアメリカの伝承や、抗争の歴史の末に無秩序なパワーバランスがどういう訳か一定の秩序を築き上げる様は多くの人に深い関心を抱かせたはずだ──人間の営みとは、こうも愚かで愛おしいものなのか、と。
ブラジル出身のベーシスト/ギタリスト/作曲家、ムニール・オッスン(Munir Hossn) がラテン文化圏で活躍する女性音楽家たちを迎え制作した新譜『Vientre』は、ブラジルやスペイン、キューバなどの伝統から連なるリズムとジャズの洗練されたハーモニーが重なり合い、想像を絶するほど神懸り的な創造的プロセスを得て完成された素晴らしい音楽作品だ。
“青髭のティグラン・ハマシアン”ことイスラエルのピアニスト/マルチ奏者/作曲家ロン・ミニス(Ron Minis)が前作から3年ぶりとなる待望の新譜『Smart Phones Stupid People』をリリースした。今作はドラムスにヨゲフ・ガバイ(Yogev Gabay)、ベースにダニエル・ハーレフ(Daniel Harlev)という俊英を迎え、見かけ上の編成こそシンプルなピアノトリオだが、複雑な変拍子やポリリズムを駆使したロン・ミニスらしいプログレッシヴな音の洪水を浴びせかける。
93年の3rdアルバム『Black Reign』では「U.N.I.T.Y」でグラミー賞(ベスト・ソロ・ラップ・パフォーマンス)を受賞と、もはや性別を超え、ラッパーとして確固たる地位を築いた彼女は今、前述のように映画スターとして、そしてシンガーとして今を歩んでいる。そんな"シンガー"クイーン・ラティファの名刺がわりとなるのが、今回紹介する07年作『Trav'lin' Light』である。
イタリアのピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)とオランダのベーシスト、イェスパー・サムセン(Jasper Somsen)。ヨーロッパのジャズを代表する名手二人によるデュオアルバム『Voyage in Time』は、西洋クラシック音楽をテーマにイェスパー・サムセンが書いた9曲を共同作業でアレンジし演奏した美しいアルバムだ。
トルコのギタリスト、オンデル・フォカン(Önder Focan)の新譜『Aubergine』はそのタイトル/ジャケットどおり、野菜のナスをテーマにした興味深いジャズ作品だ。……あれ?ナスって「eggplant」では…?と思ったが、イギリス英語ではナスは「Aubergine」というのだそうだ。
ノルウェーのピアノトリオ、エスペン・エリクセン・トリオ(Espen Eriksen Trio)の新作『In the Mountains』。今作は話題を呼んだ2018年作『Perfectly Unhappy』以来となる英国のサックス奏者アンディ・シェパード(Andy Sheppard)が3曲でゲスト参加したライヴ盤で、互いに心を通じ合わせた瞑想的で美しい北欧ジャズを堪能することができる逸品だ。
『Moav』は古いヘブライの歌をカヴァーし現代的なアレンジと演奏で聴かせるイスラエルの4人組バンド、MOAVのデビューシングル。3曲のみの収録だが、イスラエルの伝統に寄ったテクニカルなジャズ/フュージョンのサウンドが非常に魅力的だ。バンドのリーダーはリモン音楽学校やテルマ・イエリン芸術学校などで講師を務めるエリ・ベナコット(Eli Benacot)。
長年サンバやボサノヴァといったブラジル音楽に魅了されてきたという米国マサチューセッツ州出身のシンガー、アン・ウォルシュ(Anne Walsh)もまた、アストラッド・ジルベルトの影響を受けたひとりだ。2022年の新作『The Astrud Project』で、彼女はボサノヴァへの大きな愛を米国流に表現している。
イスラエルのバンド、ドリミア(Drimia)の2021年作『Drimia』。リーダーで全曲の作曲も手がけ、鍵盤楽器全般を担うラーナン・アミール(Raanan Amir)、フルートの紅一点マルカ・ピアメンタ(Malca Piamenta)、ベースのヨナタン・ハラリ(Yonatan Harari)、そしてドラムスのアヴリ・フレッシャー(Avri Flesher)から成る4人組インストバンドの非常にレベルの高いデビュー作だ。
プエルトリコ出身のアルトサックス奏者/作曲家ミゲル・ゼノン(Miguel Zenón)の新譜『Música De Las Américas』がリリースされた。タイトルやジャケットに示されているとおりアメリカ大陸の歴史が紡いできた様々な物語にインスパイアされており、ラテンアメリカの多様な文化への敬意を表明した作品となっている。
イスラエルのブラスバンド、マーシュ・ドンドゥルマ(Marsh Dondurma)のメンバーでもあるサックス奏者ヤコブ・ゴレンシュタイン(Jacob Gorensteyn)の2022年ソロ作『Wooden House』は、約10名の奏者にいる快活でエキサイティングなジャズファンク作品だ。