- 2020-10-15
- 2021-09-07
現代最高の女性ジャズアーティスト、アミナ・フィガロヴァ、時代へのオープンマインドを示した新譜
アゼルバイジャン出身で、マリア・シュナイダーと並ぶ最も影響力の強い女性ジャズ・アーティストと評される作曲家/ピアニストのアミナ・フィガロヴァ(Amina Figarova)。2020年の最新作『Persistence』では、音楽シーンの流行の変化にも敏感な彼女のセンスが炸裂。今に生きる音を堪能できる快作となっている。
アゼルバイジャン出身で、マリア・シュナイダーと並ぶ最も影響力の強い女性ジャズ・アーティストと評される作曲家/ピアニストのアミナ・フィガロヴァ(Amina Figarova)。2020年の最新作『Persistence』では、音楽シーンの流行の変化にも敏感な彼女のセンスが炸裂。今に生きる音を堪能できる快作となっている。
1998年イスラエル生まれ。今年はブラジルを代表する歌手/クリエイターのダニ・グルジェル(Dani Gurgel)率いる多国籍バンド、サンパウロ・パニックにも参加した最も注目される新世代のギタリスト、タル・アルディティ(Tal Arditi)が自身のギタートリオで2ndアルバムをリリースした。
米国オハイオ州コロンバス出身の作曲家/ピアニスト、アーロン・ディール(Aaron Diehl)の2020年新譜『The Vagabond』は、限りなく叙情的、詩的な美しさを湛えた逸品だ。クラシック音楽からの影響が彼の作曲や演奏スタイルに大きく寄与しており、ヨーロッパのジャズかと思わせるほど。
米国シカゴ出身、現在はロサンゼルスを拠点に活動するアルトサックス/キーボード奏者ジョシュ・ジョンソン(Josh Johnson)のアルバム『Freedom Exercise』は、彼が過去10年間でジェフ・パーカー(Jeff Parker)やマカヤ・マクレイヴン(Makaya McCraven)、キーファー(Kiefer)、リオン・ブリッジズ(Leon Bridges)といった面々とギグを重ねてきたレコーディングに引っ張りだこのマルチ奏者の初めてのリーダー作だ。
ハービー・ハンコック曰く、「彼の音楽は新鮮で、すべての人に語りかける。彼のようなヴィブラフォンの演奏はこれまでに聴いたことがない」。クインシー・ジョーンズ曰く、「これまで聴いた中で最高のヴァイブ・プレイヤーだ」。──巨匠たちからも絶賛されるフランスの若きヴィブラフォン奏者、シモン・ムリエ(Simon Moullier)のデビュー作『Spirit Song』がリリースされた。
ブラジルの作編曲家/鍵盤奏者のヒカルド・バセラール(Ricardo Bacelar)のライヴ・アルバム『Ao Vivo no Rio』(2020年)は、ブルースやジャズ、そしてブラジルのポピュラー音楽であるMPBなどがふんだんに盛り込まれた彼の地でしか為し得ないと思える作品で、ブラジリアン・ジャズの魅力を知るには良い一枚だ。
2019年にリリースされたイスラエルのジャズベーシスト、ヨセフ・ガトマン・レヴィット(Yosef Gutman Levitt)のデビュー作『Chabad Al Hazman』は豪華メンバーが揃った隠れた傑作だった。そんな彼が、ユダヤの伝統に根ざした大作ダブル・アルバムを2020年9月にリリースした。
バハマ生まれ、現在はニューヨークのジュリアード音楽院在学中(2021年卒業予定)の新鋭トランペッター、ギブトン・ジェリン(Giveton Gelin)のデビューアルバム『True Design』はジャズ・トランペットの過去と未来をつなぐ現在地を示す注目作だ。
ポーランドを代表するジャズ・ヴァイオリン奏者、アダム・バウディヒ、フランスのチェロ奏者ヴァンサン・クルトワ、そしてオランダのピアニスト、ロヒール・テルダーマンのトリオによる『Clouds』。室内楽的なアンサンブルで、それぞれの楽器の演奏・音色がどこまでも繊細で素晴らしく、楽器の匂いまで伝わってくるような臨場感がある。
スウェーデンのベーシスト、アンダーシュ・ヤーミン(Anders Jormin)と、同じくスウェーデンのヴァイオリニスト/歌手のレーナ・ヴィッレマルク(Lena Willemark)、そして日本の二十五絃箏奏者の中川果林(Karin Nakagawa)の3人による北欧と和文化の融合したECM傑作『Trees of Light』(2015年)の続編ともいえるのがこの2019年作『Poems for Orchestra』。
現代ジャズを代表するピアノトリオ、ティングヴァル・トリオ(Tingvall Trio)の最新作のタイトルは、ずばり『Dance』。(1)「Tokyo Dance」に始まり、(3)「Spanish Swing」、(6)「Cuban SMS」、(7)「Arabic Slow Dance」などタイトルだけ見てもわくわくするような、世界を巡る音楽の旅。
ノルウェー出身のサックス奏者、マリウス・ネセット(Marius Neset)と、日本が誇るジャズバンド指揮者の挾間美帆(Miho Hazama)がコンダクターを務めるDanish Radio Big Bandの共演作『Tributes』。全曲がマウリス・ネセットの作曲で、ファンキーな曲からしっとりとしたスローバラードまで、優雅なビッグバンド編成で楽しめる絶品となっている。
ブラジル・ミナスから新たな傑作が届いた。SSW、マルコス・ルファート(Marcos Ruffato)が同郷の数多くの才能を集め制作したこのデビュー作『Vata』は、間違いなく現代ミナス音楽を代表する一枚になるだろう。
ブラジルの豊かな自然にインスパイアされたギターからは、豊穣な大地の香りが漂う。ブラジルのギタリスト、ファビアーノ・ド・ナシメント(Fabiano do Nascimento)の『Prelúdio』(2020年)は、バーデン・パウエル直系のテクニカルかつ豊かな音楽性のギターをたっぷりと楽しめる傑作だ。