カナダ発、クレズマーを軸にした魅惑のインスト・バンド“Kleztory”

Kleztory - Momentum

モントリオールのバンド、クレストリーの通算6作目『Momentum』

カナダ・モントリオールのバンド、クレストリー(Kleztory)はクレズマー、マヌーシュ・スウィング、クラシック、ジャズ、フォークなどに幅広く影響された楽しい音を聴かせてくれるバンド。結成は2000年と活動歴は長く、これまでにワールド・ミュージック(最近は“グローバル・ミュージック”か)の分野で数々の賞を受賞しているインストバンドだ。

そんな彼らの『Nigun』(2017年作)に続く6枚目のアルバム『Momentum』がリリースされた。
今作はメンバー5人の他に弦楽四重奏やピアノ、パーカッションといったゲストが曲によって加わり、厚みのあるサウンドになっている。

アルバムでまず耳を捉えるのはスピード感のある(1)「Kleztory’s Freylekh」や(3)「Liteul Biteul」、(5)「Oy Tate s’iz Gut」といった楽曲だ。バルカン音楽らしい香り立つ楽曲で、そこはかとなく漂う郷愁感がスパイス。野外フェスなどで聴けば盛り上がること間違いなしだ。

(5)「Oy Tate s’iz Gut」のライヴ演奏動画。
動画後半には(2)「Im Eshkachech Yerushalayim」もほんの少々。

(2)「Im Eshkachech Yerushalayim」は米国のユダヤ人作曲家、Rabbi Mordechai Dov-Ber Twerski(1925 – 1998)の曲で、“私はエルサレムを忘れてしまった”と嘆くタイトルに込められた想いに胸を打たれる。

(6)「Ajde Jano」はセルビアの伝統曲で、世界中の数多くのアーティストによってカヴァーされている。
(7)「Andy’s Ride」は米国のクラリネット/マンドリンの名手、アンディ・スタットマン(Andy Statman)の楽曲で、超高速で展開される魅力的なクレズマーだ。

リーダーでクラリネットや作曲を担当するアイラット・イシュムラトフ(Airat Ichmouratov)はロシア系のカナダ人。彼はまた、アルメニアの伝統楽器ドゥドゥクの楽器本体とクラリネットのマウスピースを組み合わせた楽器、ドゥクラー(duclar)も演奏している。

Kleztory :
Airat Ichmouratov – clarinet, bass clarinet, duclar
Elvira Misbakhova – violin
Mark Peetsma – double bass
Dany Nicolas – guitar
Melanie Bergeron – accordion

Guests :
Veronika Cherniak – violin
Anastasia Virlan – violin
Cynthia Blanchon – viola
Jean-Christophe Lizotte – cello
Bertil Schulrabe – percussion
David Ryshpan – piano

Kleztory - Momentum
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