CATEGORY

Pops

  • 2022-10-22
  • 2022-11-23

デビューから22年。大人になったCDが描くUKダンスミュージックの未来。

R&Bの00年代回帰が止まらない。前回記事でも取り上げたジョン・レジェンド(John Legend)に続き、UK発「King of 2STEP」ことクレイグ・デイヴィッド(Craig David)の新作が発表されたからだ。デビューから22年、そして2022年に発表という事で題された本作は、デビュー当時の洗練されたダンスミュージックがR&Bのフォーマットで見事に昇華された渾身の一枚と言っていい。

  • 2022-10-09
  • 2022-11-23

万人を巻き込むソウルフルな歌声。ジョン・レジェンド初のセルフタイトル『Legend』

レジェンドイズバック、00年代のR&Bが帰ってきた。ジョン・レジェンド(John Legend)の最新作で初のセルフタイトル『Legend』を聴いた率直な感想はこうだ。本作は約20年もの間、現代R&Bのメインストリームに居続けている彼にしか出来ないR&Bの歴史の教科書と言ってもいいものであり、それがまったく違和感なくジョン・レジェンド・サウンドとして受け入れられることもまた、彼がデビュー時から色褪せることないタイムレスな作品を作り続けてきた証左とも言えるのではないだろうか。

  • 2022-09-29
  • 2022-09-28

愛と寛容を通じて平和を歌う。ナイジェリアのハイライフ新世代、兄弟デュオ The Cavemen.

ベーシストのキングスリー・オコリエ(Kingsley Okorie)とドラマーのベンジャミン・ジェイムズ(Benjamin James)によるナイジェリアの兄弟デュオ、ケイヴメン(The Cavemen.)の2021年作 『Love and Highlife』は、近年再び若い世代に支持され注目されるようになったハイライフの復興の中心的な役割を担う優れた作品だ。

  • 2022-09-27
  • 2022-09-26

インドネシアの4組の人気アーティストが集結!超ハイセンスな『Bermain Rintik Di Musim Hujan』

インドネシアの4組の人気ミュージシャン──2009年結成の4人組ハイファイ(HIVI!)、ギタリストのジェラルド・シタモラン(Gerald Situmorang)、女性SSWイフィー・アリッサ(Ify Alyssa)、そしてジャズピアニストのスリ・ハヌラガ(Sri Hanuraga)による豪華コラボレーションが実現したアルバム『Bermain Rintik Di Musim Hujan』。

  • 2022-09-24
  • 2022-09-23

ボルネオ島の伝統文化を現代に伝えるSSW/サペ奏者アレナ・ムラン、洗練された2nd『Sky Songs』

マレーシア・サラワク州クチン出身のSSW/サペ奏者のアレナ・ムラン(Alena Murang)が台湾のレーベルから新譜『Sky Songs』をリリースした。彼女のルーツであるボルネオ島の先住民族ケラビット族らの伝統にインスパイアされた物語をサペの温かな音色に乗せて歌う、聴きやすく素晴らしい作品に仕上がっている。

  • 2022-09-18
  • 2023-02-09

イスラエルのスーパーバンド Pinhas and Sons、人気SSWアロン・エデルとの共演音源をリリース

イスラエルのバンド、ピンハス・アンド・サンズ(Pinhas & Sons)が、同国を代表するシンガーソングライター、アロン・エデル(Alon Eder)と共演したライヴ音源とヴィデオをリリースした。これは2022年7月に行われた共演ライヴの模様を収録したもので、今回はアロン・エデルの代表曲3曲が公開されている。確かな音楽的素養と類稀なポップセンスを持つこの2組の共演は、ハイブリッドな現行イスラエル音楽シーンでも新たなマイルストーンとなるだろう。

  • 2022-08-28
  • 2022-08-28

驚異的な表現力で魅せるカタルーニャの新たな才媛マガリ・サレ、大注目の2nd『Esponja』

カタルーニャのSSW/ピアニスト/フルート奏者マガリ・サレ(Magalí Sare)の新作『Esponja』は、彼女の柔らかな声質から来る優しい音触りと、こだわりの散りばめられたアコースティック主体のサウンド、ラテン気質の明るさと同時に洗練された上品さがバランスよくミックスされた注目すべき作品だ。

  • 2022-08-20
  • 2022-08-20

日本が誇る次世代アコーディオン奏者・中山うりのタイムレスな名盤・デビュー作2007年『DoReMiFa』

音楽はカルチャーであり、エンターテインメントである。そうである以上、流行や時代性が反映されるのは必然であるともいえる。一方、音楽は芸術でもある。ベートーベンやバッハ、シューベルトといったクラシック音楽はそれこそ何百年という単位で人々に愛され続けており、素晴らしい芸術はタイムレスに生き続ける。今なお数多くの作品を残し続ける中山うりの作品の中でもデビュー作を今回取り上げた理由。それこそまさに時代に流されず、色褪せることのない普遍的な「音」が記録された盤。それが今回紹介する中山うりのデビュー作『DoReMiFa』なのである。

  • 2022-08-16
  • 2022-08-16

イスラエルSSWの系譜に新たな才能。シェリー・アーチャー、珠玉のデビュー作『Lovebird』

優れた才能を輩出し続けるテルアビブの音楽シーンから、また若く素晴らしいシンガーソングライターが現れた。シェリー・アーチャー(Shelly Archer)のデビューEP『Lovebird』は、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)からフィービー・ブリジャーズ(Phoebe Bridgers)に連なる系譜を継ぐ新たな才能の出現を高らかに宣言する。

  • 2022-07-23
  • 2022-07-23

アンゴラの美しさと社会的危機の両面を歌う。女性SSWアリーネ・フラザォンの音楽

アンゴラのSSWアリーネ・フラザォン(Aline Frazão)の5枚目の作品となる2022年新譜『Uma Música Angolana』は、これまでにルゾフォニア(ポルトガル語圏)を中心に世界中の音楽を吸収してきた彼女らしい、洗練されたジャジーな音楽に仕上がっている。が、そのシンプルかつ意味深なタイトルに込められた彼女の想いの強さにも同時に気付かされる素晴らしい芸術作品だ。

  • 2022-07-10
  • 2022-07-09

シンプルながら深く心に刺さるインディ・フォーク。ナッシュビルのSSWエリン・レイ新譜

アメリカーナ・ミュージック・アワードの新人部門にノミネートされるなど大いに注目されたソロデビュー作『Putting On Airs』から3年、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビルのSSWエリン・レイ(Erin Rae)の待望の2ndアルバム『Lighten Up』がリリースされた。ギターを手に歌い、素朴なアメリカーナを体現する彼女の音楽は今回も純朴で親しみやすく、多くの人の心に響くことだろう。

  • 2022-05-28
  • 2022-05-28

日本のR&Bに新風をもたらしたSSW・Kiki ViVi Lily。類まれなる世界観と表現力の成せる音楽の解像度。

甘い歌声と等身大の歌詞、アーティスティックなトラック。これが一つでも欠けたら、この作品はまったく違う評価だったに違いない。全てが一つの要素として完成された作品であり、全てのバランスが程よく調和された奇跡のアルバム。それがこのデビュー作の『vivid』である。

  • 2022-05-07
  • 2022-05-07

天性のセンスを持ったイスラエルのSSW、アヴィヴ・ペックのデビューEP

イスラエルのSSW、アヴィヴ・ペック(Aviv Peck, ヘブライ語:אביב פק)が待望のデビューEP『אוסף ראשון』をリリースした。天性のメロディセンスと歌声を持ち、スタヴ・ゴールドベルグ(Stav Goldberg)の名盤『Songs』でもその可憐なヴォーカルを披露していた彼女の歌を堪能できる素敵な作品だ。

  • 2022-04-23
  • 2022-04-23

自らの出自を明確に打ち出したカミラ・カベロのラテンポップアルバム『Familia』

2年半振りにリリースされたカミラ・カベロ(Camila Cabello)の3作目の作品『Familiar』は正直、驚きの連続だった。キューバ人の父とメキシカンの母を持つ、キューバ出身のカミラの本作は、プロデューサーにエドガー・バレラ(Edgar Barrera)やチェチェ・アララ(Cheche Alara)といったラテン・ポップ界の売れっ子サウンドメイカーがクレジットされているように、メインストリームのアーティスト作品とは思えない濃度のラテンアルバムに仕上がっている。