- 2021-10-29
- 2024-09-23
【PLAYLIST】初めてには刺激が強すぎる“微分音ジャズ”の世界
西洋音楽の標準である「十二平均律」の範疇を外れる「微分音」を用いた魅力的な音楽やメロディーたち。今回は現代的で比較的聴きやすい、「ジャズ」と「微分音音楽」のハイブリッドな楽曲たちをプレイリストにまとめました。これまで意識することさえなかった、音律という新たな視点で音楽を聴いていただきたいと思います。
西洋音楽の標準である「十二平均律」の範疇を外れる「微分音」を用いた魅力的な音楽やメロディーたち。今回は現代的で比較的聴きやすい、「ジャズ」と「微分音音楽」のハイブリッドな楽曲たちをプレイリストにまとめました。これまで意識することさえなかった、音律という新たな視点で音楽を聴いていただきたいと思います。
フランスのターキッシュ・クラリネット奏者/作曲家、ヨム(Yom)の2021年新譜『Celebration』はピアノとクラリネットを軸に中東音楽に特徴的な微分音、さらにはエレクトロニカなども大胆に用いた、音作りだけを聴けば実験的でありながらも音楽・演奏面ではキャッチーさやスリルも併せ持った非常に興味深い作品だ。
新しいショーロやサンバの形を模索するブラジルの超絶技巧バンドリン奏者、ホドリゴ・レッサ(Rodrigo Lessa)の2021年新譜『No Jeito』。全曲がホドリゴ・レッサの作曲で、伝統的なショーロをベースとしながらも現代的で物語性に富んだ展開を見せる豊かなソングライティングに脱帽。
これは英国産アフリカン・ジャズの傑作!バリマヤ・プロジェクト(Balimaya Project)のデビュー作『Wolo So』はジャンベやトーキングドラム、バラフォン、コラなどのアフリカの楽器群にブラス隊が交わった大迫力のサウンドで聴くものを大興奮の渦に巻き込む。
キューバのピアニスト、オマール・ソーサ(Omar Sosa)とセネガルのコラ奏者セク・ケイタ(Seckou Keita)が再び共演。ロックダウン中に制作された新譜『Suba』のタイトルはセク・ケイタの母国語であるマンディンカ語で「日の出」を意味し、パンデミック後の新しい世界への希望の願いが込められているとのこと。
アルメニア系フランス人ピアニストのアンドレ・マヌーキアン(André Manoukian)の新譜『Les pianos de Gainsbourg』はセルジュ・ゲンスブールの没後30周年を記念したトリビュートアルバム。6人の女性ヴォーカリストを迎え、数々のゲンスブールの名曲を歌とピアノを中心に雰囲気たっぷりに聴かせる。
米国のベテラン・ピアニスト/作曲家、ピーター・マドセン(Peter Madsen)の新譜『Where There Was No Path』はなんとギタリスト6名を擁するなんともユニークな9人編成バンド“Six on Six Guitar Ensemble”!
アルメニアの巨匠ピアニストが率いるカルテット、ヴァン・カルテット(VAN Quartet)による初のスタジオアルバム『Return』は、東欧らしい独特の旋律が多用され、特にアルメニアの民族楽器ドゥドゥク(オーボエと同種のダブルリードの木管楽器)の音色が印象的だ。
イスラエルのクラリネット奏者アナット・コーエン(Anat Cohen)と、ブラジルの7弦ギタリスト、マルセロ・ゴンサルヴェス(Marcello Gonçalves)のデュオ作『Reconvexo』。このデュオとしては2017年のルシアール・サントス曲集『Outra Coisa: The Music of Moacir Santos』以来の2作目となる。
革命運動、COVID-19、爆発事故…混迷するレバノンの情勢の真っ只中で、ベイルートのベーシストがカルテットを率いて録音した魂の叫び。マクラム・アブール・ホスン(Makram Aboul Hosn)の新譜『Transmigration』はその名のとおりレバノンの再生を祈るようなジャズ作品だ。
今年のベスト・クリスマス・アルバム最有力候補が登場した。ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)の新譜は初のクリスマス曲集。6曲ほどの自作/共作曲のほか、誰もが知る名曲も収録。デビュー以来変わらない優しく温かく包み込むような歌声とピアノを中心としたアコースティック・サウンドで聴く極上のクリスマス曲集となっている。
前作『Singularlugar: Travessia』が大きな反響を呼んだベラルーシ出身ピアニスト/シンガーのカテリーナ・ラドコヴァ(Katerina L’dokova)がより進化した姿を見せた。新譜『Mova Dreva』にはブラジルのSSWアントニオ・ロウレイロがドラムスやエレクトリック・ピアノなどで全面参加し、音楽面・音響面で大きな影響を与えている。
アラ・ギュレルが遺した写真にインスパイアされたのが、二人のギタリスト──イスタンブール育ちのエルキン・カブス(Erkin Cavus)とドイツ出身のレーントコ・ディルクス(Reentko Dirks)だ。フレットレスとフレッテッドのダブルネックのガットギターと、スティール弦のバリトンギターの豊かな響きの作品。
4人の女性ヴォーカリストを擁するロシア・モスクワの11人組バンド、hodíla ízbaのデビュー作『Ходуном』はなかなか驚きに満ちた作品だ。歌詞の多くは何百年も前からロシア各地に伝わる伝承をベースにしている。彼らが伝えたいのは、伝統を継承していくことの重要性だ。