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ギター

  • 2023-12-20
  • 2023-12-19

ウブントゥの精神を体現する、南アフリカのジャズギター奏者ンコシ・ゾンドのピースフルなデビュー作『Bophelo Batho Pele』

南アフリカのギタリスト、ンコシ・ゾンド(Nkosi Zondo)のソロデビュー作『Bophelo Batho Pele』は、どこまでも素直で寛大で、愛の塊のような音楽だ。1986年に南アフリカ最大のタウンシップであるヨハネスブルグ市ソウェトの貧しい家庭に生まれた彼は2006年にファンダ・コミュニティ・カレッジ(Funda Community College)を卒業後、長い間、セッション・ミュージシャンとしてそれほど目立たずに活動してきた。

  • 2023-12-18
  • 2023-12-17

アンブローズ・アキンムシーレ、憧れのビル・フリゼール/ハーレン・ライリーとの静かで鋭いトリオ作『Owl Song』

米国を代表するトランペッター、アンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire)は新作『Owl Song』で彼が敬愛する二人のミュージシャンを招いた。ギタリストのビル・フリゼール(Bill Frisell)とドラマーのハーレン・ライリー(Herlin Riley)だ。アンブローズとは20も30も歳の離れたベテランとのセッションは、マイルス・デイヴィスと同じように“少ないほど良い(less is more)”という信念をもつ彼の音楽観を体現している。

  • 2023-12-15
  • 2023-12-15

種を蒔くため、大地を耕す。バルセロナの新進気鋭の女性デュオARAR、温かなガットギターとサックスに歌が溶け込む珠玉のデビュー・アルバム!

バルセロナの女性二人組ユニット、アラル(ARAR)のデビュー作『Arar』は、ガットギターとサックスを中心とした温かみのあるサウンドに、二人によるコーラスが優しく溶け込むとても穏やかで素敵な作品だ。グループ名でありアルバム・タイトルでもあるararとは、カタルーニャ語で“耕す”、つまり種を蒔くために大地を掘り返し、豊かな作物が実る土壌をつくることを意味する。

  • 2023-12-01
  • 2023-12-03

ブラジルを代表する音楽家が多数参加!異色の経歴のSSWフェルナンド・グレッコのデビュー作

ブラジルのシンガーソングライター/ギタリストのフェルナンド・グレッコ(Fernando Grecco)による2022年作『Vir a Ser』には、ヒカルド・ヘルス、アントニオ・ロウレイロ、ジョアナ・ケイロス、フレデリコ・エリオドロといった日本でも著名なアーティストが多数参加。パンデミックによる中断がありながらも、2019年から丁寧に制作が開始された充実作で非常に聴き応えがある。

  • 2023-11-27
  • 2023-11-27

ヴォーカリスト/即興音楽家サニー・キムがヴァルダン・オヴセピアン、ベン・モンダーと創り上げた“静寂の音世界”

韓国出身のヴォーカリスト/即興音楽家サニー・キム(Sunny Kim)と、アルメニア出身のピアニストのヴァルダン・オヴセピアン(Vardan Ovsepian)、そして米国のギタリストのベン・モンダー(Ben Monder)による“静寂”をテーマにした即興音楽プロジェクト『Liminal Silence』。ここにある音は終始瞑想的で、タイトルのとおり音楽と静寂の間にある機微な閾を表現する。

  • 2023-11-11
  • 2023-11-10

超絶技巧とユニークな表現力で魅せる”Trio Grande 2.0″。ジャズロック、進化のその先へ

2020年にリリースされたアルバム『Trio Grande』は、卓越した技術と個性を持つ現代最高峰のミュージシャンによる新たな化学反応が絶賛されたとてつもない作品だった。彼らの2nd『Trio Grande: Urban Myth』は、ウィル・ヴィンソンとギラッド・ヘクセルマンはそのままに、USのドラマー/ベーシスト、ネイト・ウッド(Nate Wood)がアントニオ・サンチェスに代わり参加。新たな化学反応が楽しめる作品となっている。

  • 2023-10-06
  • 2023-10-06

フランスの若き天才ギタリスト、ティボー・ガルシアがバリオスに捧げる最高のギター音楽

フランスの若き天才ギタリスト、ティボー・ガルシア(Thibaut Garcia)の新譜『El Bohemio』は、南米パラグアイの作曲家/ギタリストのアグスティン・バリオス=マンゴレ(Agustín Barrios Mangoré, 1885 - 1944)曲集。「大聖堂」「森に夢みる」「最後のトレモロ」「フリア・フロリダ」といったバリオスの名曲を、まるでギターが歌うかのような繊細で豊かな表現力で聴かせてくれるアルバムだ。

  • 2023-09-27
  • 2023-09-28

トニーニョ・オルタ新譜はポーランド女性歌手との共作。過去の名曲を再演!

ブラジルのギタリスト/作曲家トニーニョ・オルタ(Toninho Horta)と、ポーランドの歌手ドロタ・ミシキェヴィチ(Dorota Miśkiewicz)の共演作『Bons Amigos』がリリースされた。ベースにはミシェル・ピポキーニャ(Michael Pipoquinha)も参加し、トニーニョ・オルタらしい爽やかで洗練されたブラジリアン・サウンドが最高に心地良い絶品だ。

  • 2023-09-23
  • 2023-09-23

自由奔放すぎるドミンギーニョス再解釈。もはや“ブラジルの神秘”としか思えない驚異のデュオ

ハーモニカ奏者ガブリエル・グロッシ(Gabriel Grossi)と、マルチ奏者アリスマール・ド・エスピリト・サント(Arismar do Espírito Santo)による自由な演奏が最高に楽しいデュオアルバム『Domingou』。タイトルが示唆するとおり、ブラジル北東部音楽の雄ドミンギーニョス(Dominguinhos, 1941 - 2013)の曲を中心にオリジナルなども交えて全15曲を収録している。

  • 2023-09-20
  • 2023-09-19

フレッテッド&フレットレスのダブルネック・ギターが驚異的!ペルシアン・ジャズの天才ギタリスト

イラン・テヘラン出身のギタリスト/作曲家、マハン・ミララブ(Mahan Mirarab)の2022年作『Say Your Most Beautiful Word』。“ジャズのペルシャ側”(Persian side of jazz)を標榜する彼の武器はフレッテッドとフレットレスの2本のネックを備えたギターだ。スピリチュアルな女性ヴォーカルやヴァイオリン、クラリネットなどバンドメイトの音も滋味深く、マハン・ミララブのオーストリアでの15年近い活動の中でも今作はより深い精神性を探求する作品となった。

  • 2023-09-16
  • 2023-09-16

洗練されたサウンドの中に潜む少年の心。アルゼンチンの若きSSWアンドレス・ムラトーレの傑作新譜

デビューとなった前作『Del Suspiro de los Peces』が高く評価されたアルゼンチン・コルドバ州出身のシンガーソングライター、アンドレス・ムラトーレ(Andrés Muratore)が2ndアルバム『Choza』のA面『Choza-Dentro』をリリースした。今作には幼少期のトラスラシエラ渓谷に流れる川での冒険の日々や、自然の恵み、人間の感情をテーマとした7つの楽曲群が収録されている。