• 2022-07-23
  • 2022-07-23

アンゴラの美しさと社会的危機の両面を歌う。女性SSWアリーネ・フラザォンの音楽

アンゴラのSSWアリーネ・フラザォン(Aline Frazão)の5枚目の作品となる2022年新譜『Uma Música Angolana』は、これまでにルゾフォニア(ポルトガル語圏)を中心に世界中の音楽を吸収してきた彼女らしい、洗練されたジャジーな音楽に仕上がっている。が、そのシンプルかつ意味深なタイトルに込められた彼女の想いの強さにも同時に気付かされる素晴らしい芸術作品だ。

  • 2022-07-22
  • 2022-07-22

TikTok世代による新たなHipHop。Jack Harlowが蘇らせた「Glamorous」

白人ラッパーは、ヒップホップをメインストリームへ導き出してきたという意味では無視することのできない存在である。80年代のヴァニラ・アイス(Vanilla Ice)に始まり、90年代にはハウス・オブ・ペイン(House of Pain)のエヴァーラスト(Everlast)などがそれに当たるだろうか。00年代にはエミネム(Eminem)が登場し、10年代はドレイク(Drake)を筆頭に、ポスト・マローン(Post Malone)やマックルモア(Macklemore)といった多くの白人ラッパーを輩出した年代となった。

  • 2022-07-22
  • 2022-07-21

ルネサンス・ヴァイオリンが美しく響く、アダム・バウディヒによるポーランドの伝説的作曲家再解釈

ポーランドのジャズ・ヴァイオリン奏者/作曲家アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、自身のクインテットに加えゲストにクラシック・ヴァイオリン奏者アガタ・シムチェフスカ(Agata Szymczewska)を迎え制作した新譜『Legend』。ヘンリク・ヴィエニャフスキからインスピレーションを受け作曲された珠玉の音楽。

  • 2022-07-21
  • 2022-07-20

NYのジャズシーンや米英ロックとも呼応するチェコの現代ジャズバンド、Point of Fewのデビュー作

現代ジャズとエレクトロニックを有機的に繋ぐチェコのカルテット、Point of Fewのデビュー作『Open to Closeness』がリリースされた。2019年に結成されたというサックス、ギター、ベース、ドラムスのカルテットに、ゲストとして米国の巨匠鍵盤奏者ジェイソン・リンドナー(Jason Lindner)も1〜3曲目でゲスト参加している。

  • 2022-07-20
  • 2022-07-16

アフリカやインド洋の島々の音楽に強くインスパイアされたフランスの3人組、Soadan

フランスの3人のマルチ器楽奏者/シンガーソングライターで構成されるバンド、Soadanの新譜 『Pieds Nus』。西アフリカ、マダガスカル、モーリシャス、レユニオン島といった地の音楽文化に強く影響を受けた作品で、フランス語で歌われる全10曲は様々な音楽的要素が混在した結果、現代的な響きを伴って心地よく耳に届く。

  • 2022-07-19
  • 2022-07-19

仏アコーディオン奏者ティモシー・ル・ネ、パンデミック下で世界中の音楽家を巻き込んだ傑作

フランスのアコーディオン奏者/作曲家、ティモシー・ル・ネ(Timothée Le Net)の『Ce Sont Nos Parenthèses』は、総勢37名におよぶアーティストたちの比類なき芸術活動の素晴らしい結果だ。西洋の古典的な音楽、ジャズ、東はトルコなどの中東音楽を経て果てはインドの音楽まで、興味深く、非常にクオリティの高い作品に仕上がっている。

  • 2022-07-18
  • 2022-07-18

アルゼンチンの伝統と新しさを追求する気鋭ピアニスト、ノエリア・シンクナス新譜『Salve』

新しいタンゴを追求するアルゼンチンのピアニスト/作曲家、ノエリア・シンクナス(Noelia Sinkunas)のソロ新譜『Salve』は、典型的なタンゴのリズムとメロディーを持ち懐かしさを感じさせつつも、どこか新しい感覚を含んだカタルシス体験として作用する不思議な音楽作品だ。

  • 2022-07-17
  • 2022-07-18

超絶技巧のカーヌーン奏者レヴェント・エルマス、素晴らしくハイレベルなエスノ・フュージョン!

もうめちゃくちゃカッコイイ音楽なんだけど、情報が少なすぎる…。トルコ出身のカーヌーン奏者/ヴォーカリスト/作曲のレヴェント・エルマス(Levent Elmas)の2021年作『Türbülans』。アルバムのタイトルはトルコ語で「乱気流」とのことだが、アーティスト名やバンド名、アルバム名さまざまな組み合わせで検索しても情報はほとんどヒットせず…

  • 2022-07-15
  • 2022-07-17

カタルーニャの巨匠ギタリスト、トティ・ソレール。どこまでも優しいギターと歌

スペイン・カタルーニャのギターの巨匠、トティ・ソレール(Toti Soler)の新譜『Fill de la fortuna』は、優しく紡がれるガットギターの音色と、彼が懇意にしてきた幾人かの素晴らしいヴォーカリストたちの歌によって、穏やかに流れる幸福な時間に浸れる美しい作品だ。