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  • 2023-02-27
  • 2023-02-28

イスラエル・ジャズのルーツを探るニグン・カルテット、待望の2nd『聖なる者と俗なる者』

つくづく、映画的な音楽を奏でるグループだと思う。ユダヤの伝統文化に深く根ざしたイスラエルの4人組、ニグン・カルテット(Nigun Quartet)。宗教的・民族的な立場からジャズにアプローチする、20代から50代までの世代を超えたバンドである彼らの待望の第2作目『The Sacred and the Profane』も、デビュー作に負けず劣らずの素晴らしい作品だった。

  • 2023-02-24
  • 2025-06-07

現行ミナス・ジャズを代表するフレデリコ・エリオドロ、米伯の超豪華ゲストを迎えた最新作

これは、カート・ローゼンウィンケルのカイピ・バンドの正統な後継作のようなアルバムだ。ベース奏者フレデリコ・エリオドロ(Frederico Heliodoro)の7年ぶりとなるリーダー作『The Weight of the News』は、カイピ・バンドが魅せたジャズとブラジル音楽の融合の最新形をアップデートしつつ、彼のシンガーソングライターとしての才能にもフォーカスした作品となっている。

  • 2023-02-23
  • 2024-09-21

サン・アンドレウの花形ベーシスト/歌手マガリ・ダッチラ、圧倒的な個性と魅力を放つ大傑作新譜

アンドレア・モティス(Andrea Motis)やリタ・パイエス(Rita Payés)といった優れた若手ジャズ・ミュージシャンを輩出したことで知られるサン・アンドレウ・ジャズバンド出身のベーシスト/歌手マガリ・ダッチラ(Magalí Datzira)がサン・アンドレウ卒業後の初のフルレンス・アルバムとなる『Des de la cuina』をリリースした。

  • 2023-02-21
  • 2023-02-21

新鋭ジャズユニット、エミール・ロンドニアン “UKジャズの過去15年間を総括する” 初のフルアルバム

目覚ましい活躍を見せるフランス・ストラスブールのジャズユニット、エミール・ロンドニアン(Emile Londonien)が初のフルレンス・アルバム『Legacy』をリリースした。シングルを除くと2021年のEP『Emile Londonien』、そして当サイトでも紹介した2022年のEP『Jazz Contenders』に続く3枚目の作品で、多彩なゲストを迎えUKのジャズシーンとも呼応するサウンドが特徴的だ。

  • 2023-02-18
  • 2023-02-19

ポーランドから中東を経てインドを繋ぐ! ミハウ・バランスキ“マゾヴィアのマントラ”の衝撃

ポーランド・ワルシャワを拠点に活動するベーシスト/打楽器奏者/作曲家ミハウ・バランスキ(Michal Baranski)の衝撃的なデビュー作『Masovian Mantra』。タイトルの“マゾヴィア(ポーランドのワルシャワを中心とした地域)のマントラ”が表す通り、ポーランドから中東を経てインドに続く、地理的にも時間的にも広大な音楽文化を取り入れた新しいジャズだ。

  • 2023-01-29
  • 2023-01-29

Snarky Puppy のマイケル・リーグとビル・ローレンス、新たな音楽表現を追求するデュオ作

スナーキー・パピーの中心人物である二人、ベーシストのマイケル・リーグ(Michael League)と鍵盤奏者のビル・ローレンス(Bill Laurance)のデュオ作がドイツの名門レーベルACTからリリースされた。北アフリカやトルコなどの地中海沿岸地域の音楽への傾倒を強めるマイケル・リーグらしく、今作はウードやフレットレス・ギターを用いるなどスナーキー・パピーとはまた異なるアプローチが全面的に押し出された魅力的な作品となっており、『Where You Wish You Were』というタイトルからも遠い異国の地や文化、まだ聴いたことのない音楽に対する彼らの強い好奇心が窺える内容となっている。

  • 2023-01-25
  • 2023-01-25

ディアスポラの切なる想いと願いを歌うBlack Ox Orkestar 再結成!15年ぶりの新譜リリース

ユダヤ系のディアスポラである4人のメンバーで構成されたカナダのバンド、ブラック・オックス・オーケスター(Black Ox Orkestar)が実に15年ぶりとなる新作『Everything Returns』をリリースした。バンドは2000年にモントリオールで結成され、2006年までに2枚のアルバムをリリースしていたが同年に解散。今作は2021年に再結成されてから最初の作品となる。

  • 2023-01-19
  • 2023-09-27

神童と呼ばれた3人による爽快なブラジリアン・グルーヴ! New Brazilian Trio デビュー作

鍵盤奏者のエリック・エスコバル(Erik Escobar)、ベーシストのミシェル・ピポキーニャ(Michael Pipoquinha)、そしてドラマーのミゲル・アシス(Miguel Assis)のトリオによる2022年作『New Brazilian Trio』。3人それぞれが10代前半から頭角を表したという“元・神童”バンドで聴かせてくれる音楽は、ブラジルのリズムと少し懐かしい感じのする米国のフュージョンが融合したサウンドだ。

  • 2022-12-27
  • 2022-12-27

ドイツ発。アイロニカルかつ刺激的な音のギタートリオ、Melt Trio 4枚目『Consumer』

ベルリンを拠点とするギタートリオ、メルト・トリオ(Melt Trio)。ギターのペーター・マイヤー(Peter Meyer)、ベースのベルンハルト・マイヤー(Bernhard Meyer)の兄弟と、ドラムスのモーリッツ・バウムガルトナー(Moritz Baumgärtner)によって2010年に結成されたこの刺激的なトリオは、2011年のデビュー作『Melt』以来、徐々にその人気を拡大してきた。

  • 2022-12-20
  • 2022-12-15

ハンガリー発、多様性のジャズ。新鋭ラファエル・マリオ・トリオの2nd『Blessing』

ハンガリー・ブダペスト生まれのピアニスト/作曲家、ラファエル・マリオ(Rafael Mario)のピアノトリオによる第二作目『Blessing』は、並外れた作曲センスと現代的な演奏感覚を持つ彼らの真価が発揮された見事な作品だ。ヨーロッパらしいジャズに留まらず、ハンガリーやローマの伝統音楽、ラテン音楽、バルカン音楽、エレクトロニックなども取り入れた多様性が楽しい。

  • 2022-12-01
  • 2025-10-26

ジャズ・ヴィブラフォンの表現を次のレベルへと導く。パトリシア・ブレナンの芸術的新譜

パトリシア・ブレナン(Patricia Brennan) というヴィブラフォン奏者の新作を聴いてびっくりした。今作『More Touch』はメキシコに生まれ現在は米国で活動する彼女の2ndアルバムとのことだが、従来のメインストリームのジャズにはない現代音楽的な和音やフレージング、そして要所で極端なピッチベンドやエフェクトをかけた耳に残る奇妙なヴィブラフォンの音。

  • 2022-11-27
  • 2022-11-27

本能を踊らせる音楽。ジャイルス・ピーターソン&ブルーイのプロジェクト新作『STR4TASFEAR』

本能を躍らせるような音楽である。ロンドンの最重要DJ、ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)と、インコグニートのブルーイ(Jean-Paul ‘Bluey’ Maunick)の共同プロジェクトであるストラータ(STR4TA)の新作『STR4TASFEAR』を聴いて、あまりに狙い澄ました完璧な完成度に最初はこのアルバムを紹介するのは控えておこう…と思ったほどだ。