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ピアノ

  • 2023-05-28
  • 2023-05-28

エルチン・シリノフのピアノで、スコットランドの伝統曲を謳う。ジャズ×フォークの温かな作品

スコットランドのヴォーカリスト、ルイーズ・ドッズ(Louise Dodds)と、アゼルバイジャン出身のピアニスト、エルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)のデュオによるスコットランド歌曲集 『Two Hours After Midnight』がリリースされた。スコットランドの原風景を感じさせる素朴で美しい旋律と歌声、個性的で優れた編曲とピアノ演奏がジャズの感性で調和し、耳に優しく響く素晴らしい作品だ。

  • 2023-05-26
  • 2025-07-18

ニュージーランド発スピリチュアル・ジャズ楽団、The Circling Sun デビュー作『Spirits』

20年以上前にその活動を始め、以来常に変化し続けてきたというニュージーランドのジャズ・コレクティヴ、ザ・サークリング・サン(The Circling Sun)が待望のファースト・アルバム『Spirits』をリリースした。サン・ラやファラオ・サンダース、アリス・コルトレーンらを彷彿させるスピリチュアル・ジャズを身上とする9人のミュージシャンと、8人から成るコーラス隊が繰り広げる音楽は非常に空間的かつ刹那的で、身を委ねたくなる心地よさがある。

  • 2023-05-25
  • 2023-05-24

まるで樹氷のような、息を呑む美しさ。Mammal Hands 5thアルバム『Gift from the Trees』

サックス、ピアノ、ドラムスの3人から成るUKジャズ新世代トリオ、ママール・ハンズ(Mammal Hands)の通算5枚目となる新譜『Gift from the Trees』がリリースされた。今作は彼らとしては初めてレコーディングスタジオではなくウェールズの住宅で演奏・録音されたものとのことで、意識的にリラックスした環境の中で即興的なアイディアを試したり、より深く、より有機的な体験を求めて夜遅くまで過ごす機会を楽しみながら制作されたという。

  • 2023-05-11
  • 2023-05-10

奇術のようなサウンド・デザイン。仮面のピアニスト、ランバート新譜『All This Time』

仮面で素顔を隠し活動するドイツのピアニスト/作曲家ランバート(Lambert)による実験的な新譜『All This Time』。カテゴライズするとしたら、ジャズか現代音楽、もしくはクラシック・クロスオーヴァーか。エレクトロニックも交え、刺激的な世界観だが、音は聴きやすく万人にもおすすめできる作品だ。

  • 2023-05-07
  • 2023-05-07

硝子の骨のピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニ モントルーでの未発表ライヴ音源がリリース

『Michel Petrucciani: The Montreux Years (Live)』にはミシェル・ペトルチアーニが1990年、1993年、1996年、そして亡くなる前年である1998年に出演した際の演奏が全11曲収録されている。どの演奏も鬼気迫るものがあり、文字通り命を削って演奏した天賦の才能を感じさせる名演だ。彼の代名詞である、しなやかな指のバネを最大限に利用した超高速の同音トレモロなど今聴いても驚くばかり。

  • 2023-05-04
  • 2023-05-04

ポーランドの気鋭クインテットEABS、知的好奇心を刺激する宇宙SF的ジャズ『2061』

“Electro Acoustic Beat Sessions”の頭文字をとったバンド名をもつポーランドのEABSは、現代でもっとも革新的で挑戦的なジャズバンドと称賛されている。サン・ラへのトリビュート・アルバム『Discipline of Sun Ra』(2020年)に続いて彼らが放つ新作『2061』は、壮大なSF的宇宙観と哲学を持つ彼らの個性をより強く印象付ける魅力的な作品だ。

  • 2023-04-29
  • 2023-04-29

自然体で紡ぐ“バンドの音の写真”。マーク・ジュリアナが新譜で魅せたジャズ・カルテットの現在地

米国を代表するドラマー、マーク・ジュリアナ(Mark Guiliana)の新譜『Mischief』。2022年10月にリリースされた前作『the sound of listening』と同じ2022年3月のブルックリンのバンカー・スタジオでのセッションで収録されたもので、つながりのあるジャケット・デザインも含め前作の兄弟アルバムという位置付けだが、前作がエレクトロニックの導入などこのカルテットでの新しい試みも取り入れられていたことと比較すると、こちらは全編アコースティックでオーバーダブもなく、よりリラックスした内容になっている。

  • 2023-04-22
  • 2023-04-22

エレクトロニックもプログレも吸収。アゼリの気鋭デュオが挑むムガーム・ジャズの新境地

現在のアゼルバイジャンのジャズシーンをリードする二人の音楽家、ピアニストのエティバル・アサドリ(Etibar Asadli)と木管楽器奏者アラフサル・ラヒモフ(Alafsar Rahimov)。深い音楽的パートナーシップを築いてきた二人が、デュオの名義で新作『Sexy Caffards』をリリースした。アゼルバイジャンの伝統音楽ムガームに強く影響されたジャズが、プログレシッヴ・ロックやエレクトロニックの衣を纏い、グロテスクでもあり美しくもある異様な世界観を創出する。

  • 2023-04-15
  • 2023-04-15

LRK Trio、モスクワの宇宙パビリオンで行われた初のオーケストラとの共演ライヴ盤

ロシアを代表するピアノトリオ、LRK Trioが初めてオーケストラと共演したライヴ・アルバム『Concert at Vdnh Cosmos』がリリースされた。これは2022年12月18日にモスクワの歴史ある全ロシア博覧センターの宇宙パビリオンで演奏されたもので、LRK Trioの持ち前の叙情性と、現代音楽のオーケストラであるオープンサウンド・オーケストラ(Opensound Orchestra)の滋味深いサウンドが見事に融合した、傑作と呼べる作品に仕上がっている。

  • 2023-04-14
  • 2024-11-03

急速に混ざり合う世界を象徴する新時代のジャズ。チュニジア出身ワジディ・リアヒのトリオ作

チュニジア出身でベルギーを拠点に活動するピアニスト、ワジディ・リアヒ(Wajdi Riahi)の初リーダー作『Mhamdeya』。フランス出身のベース奏者バシーレ・ラオラ(Basile Rahola)とベルギーのドラムス奏者ピエール・ユルティ(Pierre Hurty)とのトリオを軸に、チュニジアの民族的な音楽の要素を大胆に取り入れた豊かな色彩感のあるジャズを展開する傑作だ。

  • 2023-04-12
  • 2025-04-19

北アフリカ、中東、欧州の音楽を濃縮した圧巻のジャズ。アレフ・クインテット、デビュー。

2018年に結成以来、ベルギーのジャズシーンに新風を起こすアレフ・クインテット(Aleph Quintet)が待望のデビューアルバム『Shapes of Silence』をリリースした。ウード奏者のアクラム・ベン・ロムダンとピアニストのワジディ・リアヒはともにチュニジア出身。彼らがもたらす北アフリカ/アラブのエッセンスと、ベルギー出身のヴァイオリン奏者マーヴィン・ブルラス、ドラマーのマクシム・アズナール、そしてフランス出身のベース奏者テオ・ジッパーによる欧州の抒情的なジャズの完璧な融合は、彼らの演奏技術の高さとも相まって唯一無二の音楽体験を与えてくれる。

  • 2023-04-08
  • 2023-04-08

エルチン・シリノフ、ムガームジャズの真髄に迫る2018年の自主制作盤『Waiting』

2019年から2022年10月まで、アヴィシャイ・コーエンのトリオに参加したことで国際的に知られるようになったアゼルバイジャン出身のピアニスト、エルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)。彼が2018年に自主制作しライヴ会場限定などで限定的に売っていた個人名義での初リーダー作『Waiting』が、デジタル・プラットフォームで配信開始された。

  • 2023-04-04
  • 2024-05-12

南アの新星ノブレ・アシャンティ、瑞々しい感性を反映したデビュー作『Bait For Steps Forward』

南アフリカ・ケープタウン出身のピアニスト/作曲家ノブレ・アシャンティ(Nobuhle Ashanti)が『Bait For Steps Forward』で素晴らしいデビューを飾った。豊かな抒情性を湛えた瑞々しい感性のジャズ、ソウル、R&Bを主軸とする音楽で、丁寧かつ現代的なエッセンスを含んだサウンド・プロダクションも魅力的な作品だ。

  • 2023-03-31
  • 2023-03-31

最後のイディッシュ・タンゴ──想像を絶する暴力の史実を後世に伝えるための音楽

カナダのパヤドラ・タンゴ・アンサンブル(Payadora Tango Ensemble) の新譜『Silent Tears: The Last Yiddish Tango』は、ナチス占領下のポーランドでホロコーストを生き延びた人々の記憶と詩で辿る想像を絶する深い悲しみの物語を、ヴァイオリンやピアノ、バンドネオンを中心としたタンゴで歌う傑作だ。