南アの新星ノブレ・アシャンティ、瑞々しい感性を反映したデビュー作『Bait For Steps Forward』

Nobuhle Ashanti - Bait For Steps Forward

南アフリカの新星Nobuhle Ashanti、デビュー作

南アフリカ・ケープタウン出身のピアニスト/作曲家ノブレ・アシャンティ(Nobuhle Ashanti)『Bait For Steps Forward』で素晴らしいデビューを飾った。豊かな抒情性を湛えた瑞々しい感性のジャズ、ソウル、R&Bを主軸とする音楽で、丁寧かつ現代的なエッセンスを含んだサウンド・プロダクションも魅力的な作品だ。

楽曲の主題は信仰、ロマンス、社会や政治など多岐に渡り、ノブレ・アシャンティの目を通した南アフリカの現代社会が生き生きと描かれる。彼女の音楽はごく自然で大袈裟さはなく、全体的には穏やかだが、時折不安や感傷的な一面も見せる。それは“前進するためのエサ”と名付けられたタイトルから受ける印象の通りで、才能に溢れながらもまだ多くの試行錯誤を繰り返す過程にある、若く無限の将来のある音楽家の成長の記録でもある。

(4)「Prayer for the Innocent」

バンドには日系のトランペッター、ショウ・コモリ(Shaw Komori)、ベースのシーン・サンビー(Sean Sanby)、ドラマーのカート・ボワーズ(Kurt Bowers)、ヴォーカリストのジョディ・フレデリックス(Jodi Fredericks)といった南アフリカの注目される若手が多数参加し創造的に音を重ねている。

Nobuhle Ashanti プロフィール

母親がサックス奏者、父親がピアニストという音楽一家で生まれ育ったノブレ・アシャンティは幼少期からクラシックやジャズに親しんできた。最初にヴァイオリンを手に取りクラシックを学ぶと、のちにジャズピアノに転向。2016年に高校を卒業するとパフォーマーとなり、セッション・ミュージシャンとして本格的な音楽活動をスタート。2018年に自身のプロジェクト「Ashanti Tribe」を立ち上げ、南アフリカのジャズ、アメリカのジャズ、R&B、ソウルなどのテクスチャーを織り込んだスタイルの作曲と演奏を開始した。

自身の音楽的な影響源としてはベキ・ムセレク(Bheki Mseleku)、ゾーイ・モディガ(Zoe Modiga)、タンディ・ントゥリ(Thandi Ntuli)、グレッチェン・パーラト(Gretchen Parlato)、ジョー・サンプル(Joe Sample)、エドワード・エルガー(Edward Elgar)、エスペランサ・スポルディング(Esperanza Spalding)、スピリット・フィンガーズ(Spirit Fingers)などを挙げている。

演奏家としてだけでなく、自身のラジオ番組を持ったりヴァイオリンやジャズピアノの教師としても活躍。南アフリカの新世代のアーティストとして最注目のひとりだ。

(9)「Bittersweet」(アルバム収録とは別バージョン)

Nobuhle Ashanti – piano, organ, keyboard
Callum Macdonald – guitar
Sean Sanby – double bass, electric bass
Kurt Bowers – drums
Lilavan Gangen – percussion
Shaw Komori – trumpet
Steven Sokuyeka – trombone
Christian “Fuego” Chandler – trombone
Duncan Johnson – saxophone
LittleSunflower – vocal
Caitlin May – vocal
Jodi Fredericks – vocal
Amy Campbell-Buitendag – vocal
Seth Grey – vocal
Kitso Seti – poets
Khadijah – poets
DefEff – poets

Nobuhle Ashanti - Bait For Steps Forward
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