- 2022-05-29
- 2022-05-29
アルメニアン・ジャズの新たな傑作、女性ピアノ奏者ゼラ・マルゴシアン2nd『The Road』
伝統的なアルメニア音楽の影響を受けた優美で異国情緒あふれるジャズだ。アルメニアにルーツを持ち、レバノンのベイルートで生まれ、現在はオーストラリアのシドニーを拠点に活動するピアニスト/作曲家のゼラ・マルゴシアン(Zela Margossian)が、自身のクインテットの2作目となる『The Road』をリリースした。
伝統的なアルメニア音楽の影響を受けた優美で異国情緒あふれるジャズだ。アルメニアにルーツを持ち、レバノンのベイルートで生まれ、現在はオーストラリアのシドニーを拠点に活動するピアニスト/作曲家のゼラ・マルゴシアン(Zela Margossian)が、自身のクインテットの2作目となる『The Road』をリリースした。
兄妹バンド、アブラハム・レユニオン(Abraham Réunion)でピアノやコーラスを担当していたグアドループ出身のクレリア・アブラハム(Clélya Abraham)がソロデビュー作『La source』をリリースした。明るい音色と確かなテクニックのピアノのほか、数曲でヴォイスも聴かせる。
イスラエルを代表するベーシスト/作曲家、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)が新トリオでの新譜『Shifting Sands』をリリースした。ピアノトリオでの作品は『Arvoles』(2019年)以来。ピアノには引き続きアゼルバイジャン出身のエルチン・シリノフ、そして今作では2020年にトリオに加入しツアーなどに参加していた若き女性ドラマー、ロニ・カスピが初めてアルバムに登場する。
マルティニークのピアニスト/作曲家、マハー・ボーロワ(Maher Beauroy)の2ndアルバム『Insula』は、アフロ・カリビアン・ジャズのひとつの記念碑となりそうな重要作だ。単に音楽的に優れているだけではなく、作品の中心に据えられたテーマにも揺るぎない信念があり、総合的に優れた芸術作品となっている。
サンパウロに住むピアニストのサロマォン・ソアレス(Salomão Soares)と歌手ヴァネッサ・モレーノ(Vanessa Moreno)による『Yatra-Tá』(2021年)は、数々のMPBの名曲を即興性の高い自由なピアノとヴォーカルのみでカヴァーした素晴らしい作品だ。
アゼルバイジャンのピアニスト、シャヒン・ノヴラスリ(Shahin Novrasli)の2014年作 『Bayati』がサブスク解禁された。編成はベーシストのネイサン・ペック(Nathan Peck)と、ドラマー、アリ・ホーニグ(Ari Hoenig)とのピアノトリオ。正確無比かつ高速で回る指で、アゼルバイジャン独特のジャズ=ジャズ・ムガームの旋法も取り入れたエキサイティングな演奏を聴かせてくれる作品だ。
アルメニアの伝統音楽やプログレッシヴ・ロック、さらにはメタルをジャズの語法の持ち込んだピアニスト/作曲家/編曲家のティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)の新譜『StandArt』は、これまでとは趣向を変えたカヴァー曲集となった。
フランスのベーシスト/作曲家ジャン=フィリップ・ヴィレ(Jean-Philippe Viret)。21世紀のジャズ・ピアノトリオに革命を起こした彼のトリオによる、これまでの輝かしい軌跡を辿るような作品『In vivo』が世に公開された。
フランスのピアニスト/作曲家ティエリー・マイヤール(Thierry Maillard)の新譜『Caméléon』は、7名の女性ヴォーカリストを含む総勢17名のミュージシャンが参加した意欲的なアルバムだ。収録の楽曲群はいくつものレイヤーに重なる声と現代的なジャズのアンサンブルで、なかなかありそうでなかった個性的な内容。アレンジも変化に富み、変拍子の面白さや展開の妙が楽しめる。
洗練された現代ジャズとスコットランド伝統音楽の融合で独自の個性を発揮するピアニスト、ファーガス・マクリーディー(Fergus McCreadie)のトリオによる3枚目の新譜『Forest Floor』がリリースされた。前2作と同じメンバーで、広がりのある雄大なサウンドスケープを描き出す。
ペルシャの伝統楽器タールとフルートを操るイタイ・アルモン(Itai Armon)を中心とするイスラエルのジャズ・カルテット、Brioのデビューアルバムが素晴らしい。イスラエル〜ペルシャ周辺の伝統音楽やプログレッシヴ・ロックをジャズの語法に乗せた作品で、ピアノトリオと絡むタールの煌びやかで歴史の深みを感じさせる音色、技巧的かつオリエンタルなフルートが際立つ。
ブラジル・ミナスジェライス州出身のピアニスト/作曲家クレイトン・プロスペリ(Clayton Prosperi)が初のソロ作『Cativo』をリリースした。本作にはトニーニョ・オルタ、マルコ・ロボ、テコ・カルドーゾ、ハファエル・マルチニなどミナスな重要な音楽家たちが多数参加。
オーストリア出身のピアニスト/作曲家ヴェレーナ・ツェイナーと、イスラエル出身のドラマー、ジヴ・ラヴィッツの初めてのデュオ作品『The Sweetness of Finitude』。互いにそれぞれの役割を持ちつつも、その親密なアンサンブルは個人の境界を曖昧にし馴染み合い、そしてやがて溶け合ってゆく。デュオというフォーマットで行われる即興音楽の情緒の極みとも思えるサウンドが夢見心地なアルバムだ。
フィンランドを代表するジャズピアニスト/作曲家のイーロ・ランタラ(Iiro Rantala)『Potsdam』。本作は2021年11月末にドイツ・ポツダムで行われたソロコンサートの実況録音盤である。オリジナル6曲に加え、ジョン・レノンの(6)「Woman」、レナード・バーンスタインの(8)「Candide Overture」、(9)「Somewhere」のカヴァーも収録。彼らしい個性的な演奏をたっぷりと聴かせてくれる。