- 2023-08-03
- 2023-08-03
ロンドンで活躍するテルアビブ出身鍵盤奏者ヨニ・メイラズ。悪霊祓いをテーマにしたデビュー作
イスラエル出身でロンドンを拠点に活動する鍵盤奏者ヨニ・メイラズ(Yoni Mayraz)による初のフルレンス・アルバム『Dybbuk Tse!』は、ヒップホップやネオソウル、ロックの影響も感じさせるハイブリッドな現代ジャズ作品だ。バンドメンバーには活発なイスラエルのジャズシーンの中でも特に勢いのある精鋭を揃え、先進的な演奏を聴かせてくれる。
イスラエル出身でロンドンを拠点に活動する鍵盤奏者ヨニ・メイラズ(Yoni Mayraz)による初のフルレンス・アルバム『Dybbuk Tse!』は、ヒップホップやネオソウル、ロックの影響も感じさせるハイブリッドな現代ジャズ作品だ。バンドメンバーには活発なイスラエルのジャズシーンの中でも特に勢いのある精鋭を揃え、先進的な演奏を聴かせてくれる。
ナイジェリアとセネガルにルーツを持つロンドン育ちのジャンベ奏者イヒエル・カマラ・オノノ(Yahael Camara Onono)率いる大世帯“マンデ・ジャズ”バンド、バリマヤ・プロジェクト(Balimaya Project)が待望の2ndアルバム『When The Dust Settles』をリリースした。オノノが今作について“黒人の悲しみ、喜び、怒り、そして希望の物語を伝えるアルバム”と語っているとおり、西アフリカの伝統的なマンデ音楽に由来する複雑に躍動するリズムと、ロンドンの先鋭的なジャズのサウンドをミックスし力強いメッセージを発している。
米国デトロイト出身、現在はポーランドを拠点に活動する作曲家/ギタリストのアレックス・ロス(Alex Roth)の呼びかけに応じて集まった実験的ジャズ集団、マルチトラクション・オーケストラ(MultiTraction Orchestra)がファースト・アルバム『Reactor One』をリリース。演奏には北欧を代表する個性派トランペット奏者アルヴェ・ヘンリクセン(Arve Henriksen)らが参加している。
スコットランドのヴォーカリスト、ルイーズ・ドッズ(Louise Dodds)と、アゼルバイジャン出身のピアニスト、エルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)のデュオによるスコットランド歌曲集 『Two Hours After Midnight』がリリースされた。スコットランドの原風景を感じさせる素朴で美しい旋律と歌声、個性的で優れた編曲とピアノ演奏がジャズの感性で調和し、耳に優しく響く素晴らしい作品だ。
サックス、ピアノ、ドラムスの3人から成るUKジャズ新世代トリオ、ママール・ハンズ(Mammal Hands)の通算5枚目となる新譜『Gift from the Trees』がリリースされた。今作は彼らとしては初めてレコーディングスタジオではなくウェールズの住宅で演奏・録音されたものとのことで、意識的にリラックスした環境の中で即興的なアイディアを試したり、より深く、より有機的な体験を求めて夜遅くまで過ごす機会を楽しみながら制作されたという。
ロンドンを拠点とするギタリスト、デヴィッド・プレストン(David Preston)が新しいカルテットを率いての初のアルバム『Purple / Black (Vol. 1)』をリリースした。今作はこれまでの彼のトリオでも活動をともにしていた6弦ベーシストのケヴィン・グラスゴウ(Kevin Glasgow)との絆はそのままに、ECMからデュオ作『A Short Diary』を出したばかりのピアニストのキット・ダウンズ(Kit Downes)とドラマーのセバスチャン・ロックフォード(Sebastian Rochford)を新たに迎え、ジャズロックやフュージョンが持つ熱量と、抒情的なメロディーや即興とのバランスに優れた作品になっている印象だ。
UK現行ジャズを代表する作曲家/鍵盤奏者/MC/プロデューサーのアルファ・ミスト(Alfa Mist)の5枚目のアルバム『Variables』。トランペット、ローズピアノ、ギター、細かく刻むドラムスなどを軸にグルーヴを作る。その根底には地下水のようにヒップホップのビートメイキングが流れているが、無機質なループはなく、自由な即興演奏を重視しライヴバンドとしての生々しいフィーリングが終始一貫している。
Orbitalの最新作『Optical Delusion』。UKテクノ四天王(Underworld,Chemical Brothers,Prodigy,Orbital)の一角である大ベテランが約5年ぶりに放つ本作は、まさに作品とも呼べるOrbitalらしいメッセージ性の強いアルバムに仕上がった。
目覚ましい活躍を見せるフランス・ストラスブールのジャズユニット、エミール・ロンドニアン(Emile Londonien)が初のフルレンス・アルバム『Legacy』をリリースした。シングルを除くと2021年のEP『Emile Londonien』、そして当サイトでも紹介した2022年のEP『Jazz Contenders』に続く3枚目の作品で、多彩なゲストを迎えUKのジャズシーンとも呼応するサウンドが特徴的だ。
2018年のデビューアルバム『Adventure』が話題となったイギリス・ロンドンを拠点とする男女4人組のインスト・バンド、リディアン・コレクティヴ(Lydian Collective) 。400万回以上のSpotify再生と180万回以上のYouTube再生(出典:彼らの公式サイト)を誇り、名実ともに英国内外で急速に人気を高めているグループだ。
Música Terra(ムジカテーハ)ライターDJ mitsuが選ぶ2022年のベストアルバム。基本、当サイトで紹介してきたもの中心ではありますが、取り上げきれなかった作品もここではPick Up。R&B~HipHop、Jazz、日本人アーティストまで、幅広い選出となりました。共通するのは間違いなく「いい音楽」であること。今年1年お世話になった作品を振り返っていきましょう。
“サイケデリック R&B”を自称する英国ロンドン南東部出身のSSW、グリーンティー・ペン(Greentea Peng)が面白い。2021年のデビューアルバム『MAN MADE』に続く2022年作『GREENZONE 108』で、彼女は更なる飛躍を遂げて見せた。
本能を躍らせるような音楽である。ロンドンの最重要DJ、ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)と、インコグニートのブルーイ(Jean-Paul ‘Bluey’ Maunick)の共同プロジェクトであるストラータ(STR4TA)の新作『STR4TASFEAR』を聴いて、あまりに狙い澄ました完璧な完成度に最初はこのアルバムを紹介するのは控えておこう…と思ったほどだ。
ドイツ人でクリスチャンで白人の母と、ソマリア人でムスリムで黒人の父との間にベルリンで生まれ、現在はUKで活動するシンガーソングライター、サーラ・グー(Sahra Gure)が素晴らしい。2022年に2作目となる新作EP『Stolen Moments』をリリース。新作ではサウンドもソングライティングもますます洗練されており、R&Bやネオソウル、ジャズの混淆であり適度にキャッチー&ポップな感性は、あらためて新世代の最注目音楽家であることを知らしめる。