- 2021-10-23
- 2021-10-27
ただの天才ギタリストではなかった…ニツァン・バール、SSWとしての圧倒的才能を魅せた新譜
イスラエルのジャズギタリスト/作曲家ニツァン・バール(Nitzan Bar)の新作はなんと自身でギターを弾き語る、ロックに傾倒したアルバムとなった。しかも2枚同時リリース。『Nitz A』『Nitz B』とストレートな名前を冠されたアルバムに若き天才ギタリストの原点が垣間見える。
イスラエルのジャズギタリスト/作曲家ニツァン・バール(Nitzan Bar)の新作はなんと自身でギターを弾き語る、ロックに傾倒したアルバムとなった。しかも2枚同時リリース。『Nitz A』『Nitz B』とストレートな名前を冠されたアルバムに若き天才ギタリストの原点が垣間見える。
南米ウルグアイ出身のシンガー/ベーシスト、ダニエル・マサ(Daniel Maza)とアルゼンチン出身のシンガー/ギタリストのマリア・ボロンテ(María Volonté)のデュオによる極上のライヴアルバム『Serenata (En Vivo)』。演奏はおおよそ二人だけでやっているとは思えないほど濃密で充実しており、二人の完璧に息のあった共演は感動的ですらある。必聴の一枚。
ルシベラ(Lucibela)は、ここ数年聴いた女性歌手の中でもっとも美しい声の持ち主かもしれない。海外のメディアでは彼女を称して“黄金の声”、“世界が待ち望んだセザリア・エヴォラの再来”などと最大級の賛辞を送っているが、これに異論を唱える者はいないだろう。
今年のベスト・クリスマス・アルバム最有力候補が登場した。ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)の新譜は初のクリスマス曲集。6曲ほどの自作/共作曲のほか、誰もが知る名曲も収録。デビュー以来変わらない優しく温かく包み込むような歌声とピアノを中心としたアコースティック・サウンドで聴く極上のクリスマス曲集となっている。
前作『Singularlugar: Travessia』が大きな反響を呼んだベラルーシ出身ピアニスト/シンガーのカテリーナ・ラドコヴァ(Katerina L’dokova)がより進化した姿を見せた。新譜『Mova Dreva』にはブラジルのSSWアントニオ・ロウレイロがドラムスやエレクトリック・ピアノなどで全面参加し、音楽面・音響面で大きな影響を与えている。
4人の女性ヴォーカリストを擁するロシア・モスクワの11人組バンド、hodíla ízbaのデビュー作『Ходуном』はなかなか驚きに満ちた作品だ。歌詞の多くは何百年も前からロシア各地に伝わる伝承をベースにしている。彼らが伝えたいのは、伝統を継承していくことの重要性だ。
ペルーのディーヴァ、スサーナ・バカ(Susana Baca)の新譜『Palabras Urgentes』は、プロデュース/アレンジメントはスナーキー・パピーのマイケル・リーグ(Michael League)が務めていることでも話題になりそうな作品だ。深く丁寧に紡がれる音楽は、ゆったりとした時間の流れを約束してくれる。
現代ムガームジャズの第一人者、アゼルバイジャンのピアニスト/作曲家エティバル・アサドリ(Etibar Asadli)の2021年新譜タイトルは、ずばり『Mugham』。自ら調律したと思われるムガーム音律のピアノで今回も未知なる音楽の世界へと誘ってくれる。
アルゼンチンのSSW、ラリー・バリオヌエボ(Raly Barrionuevo)の2021年新譜『1972』。この4桁の数字は彼の生まれた年だ。このアルバムのコンセプトは彼が少年時代に聴いた思い出の歌の塊であり、幼少時に母親の浮気をきっかけに彼の元を去った父親に捧げられた個人的な作品でもある。
ロシアのピアニスト/ヴォーカリスト/作曲家クセニア・フェードロワ(Ksenia Fedorova)のソロ新譜『Birds Songs』は、去っていった恋人の元を鳥になって訪れる少女の寓話を描いた前衛室内楽だ。バロック音楽からジャズ、エレクトロニカなどが渾然一体となりアートの渦に飲み込む様は見事としか言いようがない。
ロシアの7人組バンド、Settlers。彼らはロシアの伝承歌をインスピレーションの源とし、コンテンポラリー・ジャズで表現する優れたバンドだ。2019年秋に学生グループによって競われるJazz Across Bordersで優勝し、以降各地で演奏しながらアルバムの制作に取り組んできた。デビュー作『У заветного столба』が密かに評判を呼んでいる。
デビューシングル「Loca」を聴いて気になっていたスペインの二人組バンド、ムンド・ディヴィーノ(Mundo Divino)が、待望のデビューアルバム『En el mismo reloj』をリリースした。ギターやフレットレスベース、カリンバなどを担当するエルカリンベロ(elcalimbero)と、ヴォーカルのマリア・デル・タンゴ(Maria del Tango)の二人組。
イスラエルの男女2人組インディー・ポップバンド、ローラ・マーシュ(Lola Marsh)は少し懐かしさも感じさせるフォーキーでシンプルな中に一捻りあるメロディー、素朴だけど不思議な魅力を湛えた女性ヴォーカル・ヤエル・ショシャナ・コーエンの絶妙な声の表現力と、随所にセンスを見せるキーボードやギター、プログラミングなどでサウンド面全般を担うギル・ランダウのコンビ。
バスタルダ&ジョアン・デ・ソウサ(Bastarda & Joao de Sousa)の『Fado』。ポーランドのクラリネット、コントラバスクラリネット、チェロのトリオとポルトガルのSSWジョアンが生み出した音楽史上稀に見る傑作だ。