- 2020-08-26
- 2021-07-11
ティグラン作品でお馴染み、アレニ・アグバビアン 深淵なるECMデビュー作
ティグラン・ハマシアンの作品にヴォーカリストとして参加していることでも知られる作曲家/ピアニスト/シンガーのアレニ・アグバビアン(Areni Agbabian)のECMデビュー作『Bloom』。共作者としてドラマー/パーカッショニストのニコラス・ストッカー(Nicolas Stocker)がクレジットされている。
ティグラン・ハマシアンの作品にヴォーカリストとして参加していることでも知られる作曲家/ピアニスト/シンガーのアレニ・アグバビアン(Areni Agbabian)のECMデビュー作『Bloom』。共作者としてドラマー/パーカッショニストのニコラス・ストッカー(Nicolas Stocker)がクレジットされている。
オーストラリアが誇るジャズヴォーカリスト、ケイティ・ヌーナン(Katie Noonan)の通算20枚目のスタジオアルバムとなる『The Sweetest Taboo』は、彼女が愛する'80年代のヒット曲が満載の良作だ。
西側諸国を巻き込んで様々な論争を引き起こしてきたレバノンのバンド、マシュロウ・レイラ(Mashrou' Leila)の2019年作『The Beirut School』。中東の不安定な政治情勢下で、社会には人々の不満や怒り、諦めが蔓延する。彼ら以前のアラブの音楽は自身が抱える問題をほとんど歌ってこなかったが、この特異なバンドは彼ら自身の言葉で痛烈に社会を批判する。
アルゼンチン第二の都市コルドバ出身のSSW、ロドリゴ・カラソ(Rodrigo Carazo)の新譜『Octógono』。優しいヴォーカルと、アコースティック主体の洗練された演奏・アレンジ、そして南米特有の浮遊感の高いメロディーセンスが特徴的な作品だ。
タイトル「Agora」はポルトガル語で「今」を意味する。彼女の前作『Tudo』から実に6年ぶりの新作。この6年の間に、彼女は母ミウシャを2018年の年末に、父ジョアン・ジルベルトを2019年の6月に相次いで失うという経験をした。この作品には、そうした困難な時期を乗り越えた彼女が表現する「今」が詰まっている。
アラ・マリキアン(Ara Malikian)はレバノンの首都ベイルート生まれのアルメニア系。現在はスペインを活動の拠点にしている異色のヴァイオリニスト。ボサボサの髪、伸ばしっぱなしの髭。ステージでは舞い踊りながら派手なパフォーマンス。奇想のヴァイオリニスト新作の紹介。
セクシャリティを超越した印象を残すその佇まいと歌声。観るもの聴くものに強烈なインパクトを与えるボスニア・ヘルツェゴビナの歌手、ボジョ・ヴレッチョ(Božo Vrećo)は、ボスニアの伝統的な大衆音楽であるセヴダをベースにしながら、同時に半世紀以上も伝統に縛られ続け変化を恐れてきたその音楽の表現に革新をもたらした。
ロンドンの新鋭SSW/ギタリスト、オスカー・ジェローム(Oscar Jarome)のデビューアルバム『Breathe Deep』は、R&Bやヒップホップ、ジャズがほどよい塩梅にブレンドされた、どこか懐かしさもある良作だった。Kokorokoのメンバーでもある彼の挨拶代わりともなる素晴らしいアルバム。
サラエヴォ出身の音楽家ゴラン・ブレゴヴィッチ(Goran Bregovic)の『Champagne for Gypsies』。ジプシー音楽を愛するゴラン・ブレゴヴィッチらしいブラス中心のサウンドが轟く。聴けば全身の血が沸き立ち、気持ちの昂りを抑えずにはいられなくなる音楽。粗野と洗練の好対照が同居する奇妙な時間が全体を支配する。
エルダッド・ツィトリン(Eldad Zitrin)は様々な楽器をルーパーを用いてリアルタイムで多重録音し、音楽を築き上げているスタイルで知られるワンマンバンドだ。2018年のEP『Three Old Words』は、彼が一人で作り上げていくハイセンスなサウンドと、個性的なゲストとの交錯による化学反応がとても面白い作品。
ヴォーカルのターニャ・アイヤー(Thanya Iyer)を中心とするカナダのスリーピースバンド、Thanya Iyerの音楽は実験的でありながら穏やかな聴き心地があり、懐かしさと新しさの不思議な感覚を併せ持つ。
2000年以降、30枚以上のアルバムの録音に参加してきたスペイン・バルセロナのヴァイオリスト、コロマ・ベルトラン(Coloma Bertran)がその長いキャリアの中で初となるソロアルバムをリリースした。本作では彼女が一人でヴァイオリン、ヴィオラ、オクターヴ・ヴァイオリンを様々な奏法を駆使し多重録音し、曲によってはゲストシンガーを迎えるという構成をとっている。
シカゴを拠点に活動するバンド、バースィル&ザ・スーパーナチュラルズ(Bassel & the Supernaturals)がストレートなファンクサウンドに乗せて歌うのは、愛と喪失、そしてシリアの現状について──。
音楽はオンラインのストリーミング配信で聴くことが当たり前になったが、まだまだ権利者の都合でSpotify、Apple Musicといった代表的なサブスク音楽配信サービスには存在していない作品も存在する。人類の音楽文化の中で決して忘れ去られてはいけない“サブスクで聴けない名盤”を紹介したい。