ブラジルの若きSSW、ルアン・カルボナリ 豊かな感性を持つMPBの原石

Luan Carbonari - Quando Parei de Contar Segredos

MPB新世代の輝かしい原石

YouTubeでシコ・ブアルキの名曲「Noite dos Mascarados」の動画を漁っていて、輝かしい原石のようなシンガーソングライターに出会った。

それがこちらの動画。

カーニヴァルの一夜のロマンスをテーマにしたシコ・ブアルキ(Chico Buarque)の名曲「Noite dos Mascarados」を歌うルアン・カルボナリ。
デュエットしている女性ファビアナ・ゴドイ(Fabiana Godoy)は彼の母親。

歌もギターも完璧に美しく、数あるこの名曲のカヴァーの中でも随一のクオリティに驚く。
デュエットでのハーモニーも素晴らしく、この若いアーティストは何者だろうと思って調べてみた。

ルアン・カルボナリ、2000年生まれのSSW

ルアン・カルボナリ(Luan Carbonari)はブラジル・サンパウロ州の人口15万人ほどの街ボトゥカトゥに2000年に生まれた。母ファビアナ・ゴドイ(Fabiana Godoy)は2004年にアルバム『Como É Bom Amar』(これもかなりの良作!)をリリースしているシンガー/ギタリスト/音楽教育者で、幼い頃から音楽の環境には恵まれていたようだ。

15歳頃からギタリストとしてステージで演奏をするようになったというが、彼のYouTubeチャンネルにアップされている数々のMPBの名曲カヴァー(シコ・ブアルキ、ジャヴァン、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ジョビン etc…)や自作曲を聴くと若干20歳の現時点で既にそのスタイルは確立されており、瑞々しい若さだけでなく洗練された美しささえ感じさせる。

2020年に自作曲4曲を収録したデビューEP『Quando Parei de Contar Segredos (Acústico)』をリリース。
この作品ではルアン・カルボナリの甘く美しい声とヴィオラォン(ガットギター)を中心に、ピアノやサンフォーナなどごく最低限の伴奏で優しく穏やかに歌い上げる。

ブラジル音楽の長い歴史の中で育まれた音楽の遺伝子と、アルゼンチンのネオ・フォルクローレにも通じる豊かな感性を持つ素敵なアーティスト。彼の才能を堪能するにはEPの4曲ではまったく物足りない。

デビューEP『Quando Parei de Contar Segredos (Acústico)』収録の(1)「Não Desista de Mim」。
ギターとサンフォーナ(アコーディオン)の音色も美しい(4)「Natureza Dela」
Luan Carbonari - Quando Parei de Contar Segredos
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