ロシア発のバルカン・ブラス!妖艶な高揚感が魅力のBubamara Brass Band

Aleksandar Kashtanov & Bubamara Brass Band - Ghapama

ジプシー・ブラスを探究するロシアのブラスバンド

アレクサンダル・カシュタノフ(Aleksandar Kashtanov)率いるブラスバンド、ブバマラ・ブラスバンド(Bubamara Brass Band)は2005年の結成以来、一貫して本物のバルカン音楽を追求してきた。バンド名の「ブバマラ(Bubamara = てんとう虫)」はもちろんエミール・クストリッツァ監督の映画『黒猫・白猫』のヒロインのニックネームから取られている。クストリッツァ作品やそれを取り巻く賑やかな音楽たちに惹かれたモスクワの作曲家/サックス奏者であるアレクサンダル・カシュタノフは、ロシア中から彼同様にバルカン半島の音楽に魅せられた演奏家を集めバンドを結成。以来6枚ものアルバムをリリースし国内外で好評を博してきた。

そんな彼らの2021年の新譜『Ghapama』もまた、バルカン半島の伝統音楽が持つ独特の本能的で猥雑なエネルギーや哀愁を捉えたアルバムだ。楽曲はリーダーのアレクサンダル・カシュタノフによるオリジナルに加え、いくつかのアルメニアやブルガリアなどの伝統曲のカヴァーが含まれている。インスト曲とヴォーカル曲がバランスよく配置され、バンドの女性ヴォーカリストのアナスタシア・バディア(Anastasia Bad’ina)の妖艶な声も魅力的だ。

(3)「Belite Manastiri」はブルガリアの伝統曲。アコーディオンやパーカッション、ブラス隊のアンサンブルは編曲も秀逸で、大世帯バンドならではの不思議な高揚感がある。ロシアン・ジプシーの影響も受けつつも、バルカン半島の音楽を研究し尽くしたブラス・サウンドが最高で、ゴラン・ブレゴヴィッチやエミール・クストリッツァ界隈の音楽が好きであれば絶対に刺さるバンドである。

(3)「Belite Manastiri」

ブバマラ・ブラスバンドの正式メンバーはロシア出身者10名程度のようだが、今作はゲストも含め総勢26名が演奏者としてクレジットされている。
ロシア国外からのゲストも数人おり、(7)「Sareri Hovin Mernem」ではゲスト参加のアルメニアの歌手ナリネ・ジナニアン(Narine Jinanian)がリード・ヴォーカルを担当。他にもセルビアのアコーディオン奏者やタジキスタンのパーカッション奏者、アルメニアのパーカッション奏者も参加しているようだ。

バンドはロシア各地のフェスティヴァルのほか、トルコやカザフスタンでも演奏を行っている。日本でも一時期タラフ・ドゥ・ハイドゥークス(Taraf De Haidouks)やファンファーレ・チォカリーア(Fanfare Ciocărlia)といったバンドが話題になったが、このBubamara Brass Bandにもぜひ来日してフェスを盛り上げてもらいたい。

新譜『Ghapama』からのヴィデオクリップは制作されていないようなので、2010年作『Muzika U Ime Zivota』からの(15)「Povjetarac」のMVを。
ジプシーの伝統歌「Ederlezi」のカヴァー(本作未収録)

Anastasia Bad’ina – vocal (1,3,4,5,8,10,12)
Narine Jinanian (Armenia) – vocal (7)
Aleksandar Kashtanov – a.sax (2-8,10,12), s.sax (1,6,7,9,11), soloist (4,7,8), bass drum (1-8,10), ac.guitar (2,4,6,7,9)
Oleg Grymov – a.sax & clarinet soloist (1,5,11,12)
Artem Koryapin – trumpet (1,3,4,7,9,11), trombone (1,3,4,9,11,12), helicon (1,4,12), soloist (3,4,11)
Vaclav Brazhichek – flugel horn soloist (10)
Aleksandra Tsugutskaya – trumpet (2,6,8)
Aleksey Batychenko – trumpet (5)
Salman Abuev – trumpet (12)
Carlos Enrique Veitia Hechavarria – trumpet (12)
Konstantin Mamchur – trombone (2,6-10,12), baritone-horn (7)
Rodion Gibazov – baritone-horn (9,11,12)
Sergey Serov – trombone (5)
Ramil Mulikov – tenor-horn (5)
Andrey Timofeev – helicon (2,3,5-11)
Dmitriy Karev – accordion (3,5,9-12)
Dragan Krstic-Peka (Serbia) – accordion (12)
Yuriy Belyaev – bayan (1,4,6-8), soloist (7)
Iliya Lipatov – snare drum (all, ex2), bass drum (9,11,12), drums (all ex3), soloist (1,6,8,10)
Khayrullo Dadoboev (Tajikistan) – doyra, daf (6,7), soloist (7)
Aleksandr Vtorov – drums (3)
Artem Uzunov (Armenia) – darbuka, bendir, dhol, frame, zills, tonbak (2)
Polina Belyakovich – dulcimer (9)
Paata Chakaberia – bass guitar (all)
Mark Makarov – el.guitar (3,6,9-11), soloist (3,6,9)
Maria Lebedeva – rhodes (6,9), soloist (6)

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