世界最高峰の音楽職人3名による新プロジェクト『Proof』。サイケロックと異国語ポップスへの憧憬

Joey Waronker, Luke Reynolds & Zac Rae - Proof

実力派セッション・ミュージシャン3人の新プロジェクト『Proof』

ジョーイ・ワロンカー(Joey Waronker)ルーク・レイノルズ(Luke Reynolds)、そしてザック・レイ(Zac Rae)という長年アメリカの音楽を支えてきた3人のセッション・ミュージシャンによる新プロジェクト『Proof』。その源泉にあるのは、1960〜70年代のサイケロックへの憧憬と、英語以外の言語で歌われるポピュラー音楽への関心だった。

とても良い曲に、堅実な演奏とアレンジ。全曲が彼らのオリジナルだが、クリシェを多用した楽曲群は“教科書通り”の印象を拭えず、どうも3人の職人気質が明らかに見て取れる。ストリングス・アレンジメントで参加するミゲル・アットウッド・ファーガソン(Miguel Atwood-Ferguson)、ホーン・アレンジメントで参加するマイケル・レオンハート(Michael Leonhart)もまた然り、真面目すぎる。…もちろん、これは褒め言葉だ。このアルバムには安心して聴ける音が存分にあり、すぐにリスナーそれぞれの“あの頃”への郷愁を喚起しタイムスリップを促す魔力が秘められている。

インスト曲とヴォーカル曲がバランスよく収録されているが、ヴォーカル曲ではとりわけ(2)「Thérèse Et Isabelle」と(3)「Bywyd Arall」が素晴らしい。セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの亡霊を呼び覚ましそうな、胸の疼くようなフレンチポップ。本当に、素晴らしくよくできている(これは皮肉ではない、念のため)。
前者ではニナ・ミランダ(Nina Miranda)の囁くような儚げな歌に、最後にはトドメを刺すファズの効きまくったギターが、いとおかし。後者はテープディレイ風のエフェクトのかかった心地よいドラムスに、どこかで聴いたことのあるようなメロディーとコード進行が印象的。ヴォーカルはカーウィン・ウェリス(Carwyn Ellis)で、歌詞は彼の出自であるウェールズ語だ。

(2)「Thérèse Et Isabelle」

(3)「Bywyd Arall」

プロフィール

ジョーイ・ワロンカー(Joey Waronker)は、アメリカを代表するセッション・ドラマーの一人。Beck、R.E.M.、Thom Yorke、Paul McCartney、Roger Watersらの作品やツアーに参加し、繊細かつ音楽的なドラミングで高い評価を得ている。Atoms for PeaceやUltraístaのメンバーとしても活動。

ルーク・レイノルズ(Luke Reynolds)はギタリスト/シンガーソングライター/プロデューサー。オルタナティヴ・ロック・バンドGusterのメンバーとして知られるほか、Sharon Van Etten、Regina Spektor、Willie Nelsonらとの共演歴を持つ。フォークやアメリカーナを基盤とした叙情的なソングライティングを得意とする。

ザック・レイ(Zac Rae)はキーボーディスト/作曲家/アレンジャー。Death Cab for Cutieのメンバーとして活動する一方、Leonard Cohen、Lana Del Rey、Dua Lipa、Stevie Nicksなど幅広いアーティストのレコーディングやツアーに参加。緻密なサウンドデザインと豊かなアレンジメントで知られる。

Joey Waronker – drums, percussion
Luke Reynolds – guitar, bass, keyboards
Zac Rae – keyboards, bass, guitar
Miguel Atwood-Ferguson – strings and string arrangements
Michael Leonhart – horns
Nina Miranda – vocals
Carwyn Ellis – vocals
Carina Round – vocals
David Moyer – horns
Danny Levin – horns

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