ボスニアのバンドDivanhana、オリジナル曲も充実の新譜『Zavrzlama』
東欧ボスニアの5人組バンド、Divanhanaの6枚目のアルバム『Zavrzlama』がリリースされた。紅一点のヴォーカルを中心とするバルカン・サウンドは旧ユーゴスラビア地域の複雑な歴史や、幾千もの愛と憎しみ、葛藤や赦しといった人間の営みを象徴するように絡み合い、酔狂する。
Divanhanaの音楽はボスニアで何世紀も前から歌われてきた伝統的な大衆音楽セヴダ(セヴダリンカ)と、より現代的なポップスやジャズのサウンドの融合によって形作られている。バンドはボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエヴォにある音楽学校の学生によって2009年に結成された。今作は(2)「Ćilim」、(7)「Lola」などアップテンポなジプシー音楽、タブラがフィーチュアされたハイブリッドなグローバルミュージック(1)「Na Kušlatu se mahrama vihori」、わかりやすくポップな伝統曲カヴァー(6)「Stade se cvijeće rosom kititi」など多彩だが、一貫してセヴダのどこか哀愁や郷愁を感じさせる空気が通奏低音のように流れている。
バルカン音楽が好きな方にはぜひおすすめしたい一枚だ。
Divanhana :
Šejla Grgić – vocal
Neven Tunjić – piano
Nedžad Mušović – accordion
Azur Hajdarević – contrabass
Irfan Tahirović – percussion