気鋭ドラマー、ステファン・ギャラン。多国籍セクステットで世界のリズムを“狩る”!

Stéphane Galland & The Rhythm Hunters

ステファン・ギャラン、リズムにフォーカスした新プロジェクト

Aka Moonを始めとした様々な革新的ジャズ・プロジェクトで知られるベルギーのドラマー/作曲家、ステファン・ギャラン(Stephane Galland)が多国籍セクステットによる新バンド、リズム・ハンターズ(The Rhythm Hunters)を従えての新譜『Stéphane Galland & The Rhythm Hunters』をリリースした。アフリカのポリフォニックでトランス的なリズム、数学的複雑さを備えたインドのリズム、不規則に脈動するバルカンのリズムといったように、彼がこれまでに様々なアーティストと共演したりする中で経験してきた世界各地のリズムを持ち帰り、自身の語彙になるまで咀嚼し理解を深め、インスピレーションを得て創作に落とし込んできた結果が凝縮された新鮮な音楽が展開される。

アルバムはステファン・ギャランのほか、山形県出身のテナーサックス奏者五十嵐祥子(Shoko Igarashi)、ベルギー出身のアルトサックス奏者シルヴァン・ドゥベシュー(Sylvain Debaisieux)、フランスのトランペット奏者ピエール=アントワン・サヴォヤ(Pierre-Antoine Savoyat)、チュニジア出身のピアニストワジディ・リアヒ(Wajdi Riahi)、オランダのベース奏者ルイーズ・ファン・デン・フーヴェル(Louise van den Heuvel)のセクステットで演奏される。

アルバム『Stéphane Galland & The Rhythm Hunters』のEPK

全曲がステファン・ギャランの作曲で、アルバムのコンセプトどおり、非常に複雑なリズムを、まるでそれが当たり前であるかのようにごく自然なアンサンブルに仕上げている。

場面に応じて変幻自在にそのリズムを変える(1)「Morpheus」から、すでに神懸かり的だ。さらっとやってのけているが、楽曲はおそろしく難易度が高く、聴けば聴くほど癖になる変態的なアンサンブル。それでいて時折さりげなく叙情性も見せる魅力的な構成で驚くほど聴きやすい。冒頭からいきなり、デビュー以来常にリスナーを驚かせ続けてきたステファン・ギャランらしさが全開で、とにかく楽しい。

ティーザー動画

今作はエレクトリック・ベースを除きほぼアコースティックの編成だが、ここに五十嵐祥子が得意とするエレクトロや、ワジディ・リアヒの本分である北アフリカ音楽の成分などがスパイス的にでも加わってくれば、さらに面白いバンドになりそう……
そんな無限の可能性が感じられる、今後が楽しみなプロジェクトだ。

Stephane Galland プロフィール

ステファン・ギャランは1969年生まれ。3歳で初めてドラムセットを叩き、9歳から地元の音楽院でクラシック・パーカッションのレッスンを受け、その2年後にはのちにベルギーを代表するピアニストとなるエリック・レニーニ(Eric Legnini)とジャズを演奏し始めた。

1992年にはベルギーのジャズシーンに一石を投じたアヴァン・ジャズバンド、Aka Moonを結成しドラマーとして活動し、世界中で演奏を行った。

2011年に始動したプロジェクト、Lobiではアルメニアの天才ピアニスト、ティグラン・ハマシアンらと共演。2014年にはフランスのトランペット奏者イブラヒム・マアルーフ(イブラヒム・マーロフ)のバンドのレギュラーメンバーとなるなど常に新しく刺激的な音楽を追求している。

Stéphane Galland – drums
Shoko Igarashi – tenor saxophone
Sylvain Debaisieux – alto saxophone
Pierre-Antoine Savoyat – trumpet
Wajdi Riahi – piano
Louise van den Heuvel – electric bass

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