ジャズとエレクトロニカを横断するDroid。NYシーンを牽引した、その長いキャリアを凝縮した初のスタジオ・アルバム

Droid - CHARGE (feat. Amir Ziv, Tim Lefebvre, Jordan McLean & Adam Holzman)

90年代からライヴ・エレクトロ・ジャズの最前線で活躍するDroidの新譜

90年代からライヴ・エレクトロニクスを駆使するジャズ・ユニットとしてNYで活動してきたドロイド(Droid)。結成から約30年という彼らの長いキャリアのなかで、なんと初のスタジオ・アルバムとなる『CHARGE』が2026年にリリースされた。従来の即興・ライヴ中心のスタイルから一歩進み、Droidとして初めて本格的に作曲された今作は、ジャズ、ファンク、ドラムンベース、エレクトロニカ、実験音楽を横断してきた彼らの音楽性が凝縮された作品だ。

Droidの創設者であり中心人物であるドラマーのアミール・ジヴ(Amir Ziv)とトランペット奏者のジョーダン・マクリーン(Jordan McLean)は、90年代末のニューヨークで活動を開始。ドラムス、ベース、シンセサイザー、トランペット/エレクトロニクスという編成から生まれる、ジャズとクラブ・ミュージックの境界を行き来するサウンドを追求してきた。その活動はFuture Music誌により“ニューフォーム・ジャズ(Newform Jazz)”と呼ばれ、BPM誌は彼らを“シーンを牽引する存在”と称した。

2000年にはライヴ録音による『NYC DnB』を発表、さらに2011年には1980年代後半のマイルス・デイヴィスの音楽監督を務めたこと知られる鍵盤奏者アダム・ホルツマン(Adam Holzman)を加えた編成でライヴ・レコーディングを行い、2014年に『The Latest in Roman Fashion』として発表。長い活動のなかでメンバーの音楽的な関係を深めながら、即興と電子音響を組み合わせた独自のスタイルを発展させてきた。

そんな彼らが今作『CHARGE』で試みたのが、これまでのライヴ・パフォーマンスとは異なる、より緻密に構成された音楽だ。生楽器のグルーヴを土台に、シンセサイザーやライヴ・エレクトロニクスが音響空間を拡張し、そこにトランペットの有機的な響きが重なる独特の音空間を、スタジオ録音で練り上げていった。

(8)「Sea Walls」

その結果は聴いてのとおり、驚くべきクオリティの現代的ライヴ・ジャズ・エレクトロニカである。
スタジオ録音だからといって生々しいライヴ感をほとんど損ねず、アミール・ジヴのドラムスは憤怒の如くグルーヴし、ジョーダン・マクリーンのトランペットはときに空間を漂うように、ときにはそれを切り裂くように鳴り響く。
このドラムスとトランペットを“繋ぐ”ように、ティム・ルフェーブル(Tim Lefebvre)のベースとアダム・ホルツマンのシンセが存在する。

(5)「Amber」

この即興と構築性の見事なバランスが、彼らの30年の歴史なのだ。

Droid 略歴

ドロイドは、イスラエル出身のドラマー/作曲家アミール・ジヴ(Amir Ziv)と、米国出身トランペット奏者/作曲家のジョーダン・マクリーン(Jordan McLean)を中心に、1990年代末のニューヨークで結成されたエレクトロニック・ジャズ/ライヴ・エレクトロニカのグループ。1999年頃から活動を始め、トランペットやエレクトロニクス、シンセサイザー、ベース、ドラムを組み合わせた「ライヴ・ドラムンベース」を展開。2000年にはShadow Recordsから、ニューヨークのIzzy Barで1999年3月から2000年2月にかけて録音した『NYC DnB』を発表し、当時のニューヨークのライヴ・ドラムンベース・シーンを代表する存在となった。

その後も即興性の高いエレクトロニック・ミュージックを追求し、2010年にはアミール・ジヴとジョーダン・マクリーンがアーティスト主導のレーベル、System Dialing Recordsを共同設立。2011年には80年代のマイルス・デイヴィス・バンドに鍵盤奏者として在籍し、その後マイルスの音楽監督となったアダム・ホルツマン(Adam Holzman)を加えた編成によるライヴ録音『The Latest in Roman Fashion』を制作し、2014年に同作をリリースした。

2026年、長年にわたり活動をともにしてきた前述の3人と、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)やエルヴィス・コステロ(Elvis Costello)、スティング(Sting)らと共演歴のあるベース奏者ティム・ルフェーブル(Tim Lefebvre)の4人で初のスタジオ録音作『CHARGE』を発表した。

Droid :
Amir Ziv – drums, electronics
Jordan McLean – trumpet, electronics
Tim LeFebvre – bass
Adam Holzman – synthesizers

Droid - CHARGE (feat. Amir Ziv, Tim Lefebvre, Jordan McLean & Adam Holzman)
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