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Music

  • 2023-11-02
  • 2023-11-02

”ベルギー・ジャズ最大の秘密”Hijaz、ストリングス・トリオを加え更に進化した新譜

アラブ音楽の旋法のひとつとして知られる「ヒジャズ」をグループ名に冠したベルギーのジャズ・カルテット、Hijaz。ウードとピアノの対話を軸にした音楽性が「間違いなく、ベルギーのワールド・ミュージック・シーンの最大の秘密のひとつ」と称される彼らが、ストリングス・トリオを伴って新作『Hijaz + Strings』をリリースした。

  • 2023-11-01
  • 2023-10-29

ブラジルの色彩が凝縮された驚異のソロピアノ。サロマォン・ソアレス新譜『Interior』

現代最高峰のピアニスト/作曲家サロマォン・ソアレス(Salomão Soares)の新譜『Interior』がリリースされた。リオデジャネイロにある1世紀以上の歴史あるオペラ劇場であるペドロ2世劇場(Theatro Pedro II)で、たった一人グランドピアノに向かい記録された本作は、この稀有な芸術家の音楽経験、世界観、表現技術などあらゆる要素が凝縮された驚くべきアルバムだ。

  • 2023-10-31
  • 2023-10-31

間違いのない極上のジャズ・リスニング体験。経験豊富なピアニスト、シャウル・エシェット新譜

イスラエルのピアニスト、シャウル・エシェット(Shaul Eshet)のピアノトリオ第二作『U R Now』。前作からトリオのメンバーを変え、今回は全員がイスラエル出身者となっているが、そのサウンドは所謂“イスラエルジャズ”に見られるような大胆で特徴的な民族的要素はほぼなく、どちらかと言うと良質なヨーロピアン・ジャズのようだ。

  • 2023-10-30
  • 2023-10-30

優れた音楽は言語も時代も超える。アルバニア出身歌手/作曲家エリーナ・ドゥニ、ECMからの新譜

アルバニア出身の歌手エリーナ・ドゥニ(Elina Duni)、ロンドンのギタリストのロブ・ラフト、ピアノとドラムスを担当する同じくロンドンのフレッド・トーマス、そしてスイス出身のフリューゲルホルン奏者マチュー・ミシェルの4人による新作『A Time to Remember』がリリースされた。移民が置かれた状況をテーマとしその音楽的豊かさから絶賛された前作『Lost Ships』と同じメンバーで、アルバニアの伝統音楽にインスパイアされたオリジナル曲を深い叙情を湛え描く。

  • 2023-10-28
  • 2023-10-28

ジャズの現在と未来を思い描く。『ゼルダ』メドレーが話題となったマウリシオ・モラレスの新譜

メキシコ出身のベーシスト/作編曲家、マウリシオ・モラレス(Mauricio Morales)が多数のゲスト・ヴォーカリストを招いて初のヴォーカル・アルバム『The Endless Ride』をリリースした。デビュー作『Luna』が子ども時代の回想のノスタルジーに溢れた作品だとすれば、今作は数多の才能との出会いを経て加速度的に進化する音楽家としての自身の現在の姿、といえそうだ。

  • 2023-10-27
  • 2023-10-26

喜びが爆発四散するファンキー・ヒップ&ポップな傑作!鬼才デヴィッド・クラカウアーの祝祭音楽

米国のクラリネット奏者、デヴィッド・クラカウアー(David Krakauer)が放つ最高に気分がアガるクレズマー・パーティ・ミュージック!中東欧のアシュケナージ系ユダヤ人の器楽音楽であるクレズマーを大胆に進化させてきたイノベーターによる新作『Mazel Tov Cocktail Party!』は、世界的パンデミックの時代を乗り越え、再び大勢で集い、歌い踊ることが可能になった世の中を最高にファンキーでヒップ&ポップな音楽で心の赴くままに祝福する。

  • 2023-10-26
  • 2023-10-26

絶妙なミクスチャー・サウンドが現代にトロピカリアを甦らす。リオの気鋭SSWペドロ・フォンチ2nd

現在のリオデジャネイロのインディー・シーンにおける要注目シンガーソングライター/ギタリスト/打楽器奏者のペドロ・フォンチ(Pedro Fonte)。大きな注目を集めたソロデビュー作『Filme do Tempo』から3年ぶりとなる2ndアルバム『Luz Na Madrugada / Late Night Light』では、前作で見せた独特の魅力を放つサウンドをさらに深化。現代のトロピカリアとも呼ぶべき、少し捻りのあるブラジリアン・ロックがどこまでも魅力的な作品を仕上げてきた。

  • 2023-10-24
  • 2023-10-23

シリア出身クラリネット奏者キナン・アズメとNYの革新的弦楽四重奏団の共演作

シリア出身のクラリネット奏者/作曲家キナン・アズメ(Kinan Azmeh)と、米国の弦楽四重奏団ブルックリン・ライダー(Brooklyn Rider)の共演作『Starlighter』は、クラシックやジャズの分野で革新的な活躍を続ける両者の長年のコラボレーションを記念するクラリネット五重奏の作品だ。

  • 2023-10-22
  • 2023-10-22

アラブ、インド、ユダヤ…様々な文化要素をエレクトロも交え再構築する至高のバンド、Taichmania

トルコやアラブの古典音楽やインドの古典音楽を学び、エレクトロニックと融合する独自の活動を続けるイスラエルのウード奏者、ヤニフ・タイヒマン(Yaniv Taichman)の旗振りのもと、イスラエルの豊かなシーンの中でも音楽的感覚と技術で特に抜きん出たグループであるピンハス&サンズ(Pinhas & Sons)のメンバーらを迎えた非常に興味深い4人組バンド、タイヒマニア(Taichmania)のデビュー作がこの『Seventh Heaven』だ。

  • 2023-10-20
  • 2023-10-19

カーボベルデの歌姫ルーラ、色鮮やかな伝統と革新の新譜『MULTICOLOR』

カーボベルデの両親のもと、ポルトガル・リスボンに生まれたシンガーソングライター、ルーラ(Lura)。モルナやフナナ、バトゥーキといったカーボベルデの伝統音楽をベースにした彼女の音楽は同国の伝説的歌手の後継と期待され“ポスト・セザリア・エヴォラ”と称賛されてきたが、2023年の新作『MULTICOLOR』ではそうした伝統音楽のソダーデ(郷愁)を感じさせるエッセンスを残しつつ、現代的なサウンドへと進化を遂げた最先端のカーボベルデ音楽を聴かせてくれるものに仕上がっている。

  • 2023-10-19
  • 2023-10-16

スペインの現代ジャズ第一人者シャビ・トーレス、ロックダウンの中で書かれた創造性溢れる新譜

スペインのピアニスト、シャビ・トーレス(Xavi Torres)は、パンデミックによるロックダウンの最中、創造性を保つために1ヶ月間、毎日1曲ずつ曲を書いた。“検疫の曲たち”を表す今作『Quarantena Songs』は、それらの30曲の中から14曲(サブスクでは12曲を聴くことができる)を選び、2つのトリオで演奏した作品だ。