- 2022-07-31
- 2022-07-30
幅広い時代のジャズが混在する英国リーズのトリオ、ファーガス・クイル・トリオのデビュー作
イングランド北部の都市リーズを拠点とするベーシスト/作曲家ファーガス・クイル(Fergus Quill)がトリオを中心としたアンサンブルで聴かせる前衛的なジャズ作品『Zoop Zoop』でデビュー。ホンキートンク・ピアノで投げやり気味に演奏される酔狂なラグタイム・ブルース(1)「¿Who Shot Pinetop?」から独特の存在感を示す演奏が繰り広げられる。
イングランド北部の都市リーズを拠点とするベーシスト/作曲家ファーガス・クイル(Fergus Quill)がトリオを中心としたアンサンブルで聴かせる前衛的なジャズ作品『Zoop Zoop』でデビュー。ホンキートンク・ピアノで投げやり気味に演奏される酔狂なラグタイム・ブルース(1)「¿Who Shot Pinetop?」から独特の存在感を示す演奏が繰り広げられる。
前作『Calls for Action』から3年、ハリシュ・ラガヴァン(Harish Raghavan)の2作目のリーダーアルバム『In Tense』がリリースされた。従来のジャズ・ベーシストの常識に当てはまらない個性の持ち主として知られることになった彼が、さらにチャレンジングな“新しいジャズ”を提示した素晴らしい作品だ。
アルゼンチンの新鋭シンガーソングライター、デルフィーナ・マンカルド(Delfina Mancardo)の初のフルレンス・アルバム『Octante』。これは素晴らしすぎる。想像力の翼で地球を自由に飛び、いつまでも終わらない夢の中を揺蕩たゆたうような心地よさ。彼女自身が弾く控えめなアコースティックギターと南米音楽らしい丁寧で洗練された室内楽的なアレンジはどこまでも美しく、ヴォーカリストとしての表現力を際立たせる。
二人の若き才女が率いるスウェーデンの5人組ジャズバンド、ディアレスト・シスター(Dearest Sister)のデビューEP『Leave Me Be』がリリースされた。4曲というEPのボリュームは彼女らの音楽に魅入られた者としては物足りないかもしれないが、この秋には本格的なフルレンス・アルバムのリリースも予定されているという新鋭たちの紹介としては丁度良い作品なのではないだろうか。
ペドロ・ルイスの2022年の最新作『Terral』は、彼の最高にかっこいい過去曲に焦点を当てながら、ペルナンブーコのプロデューサー、ユリ・ケイロガ(Yuri Queiroga)がエレクトロニックの要素を加えて蘇らせた一大プロジェクトだ。
ブラジルのベース奏者/作曲家ジョアン・タウブキン(João Taubkin)の新作『Coreografia do Encontro』は、ヴァイオリンのヒカルド・ヘルス(Ricardo Herz)、クラリネットのアレシャンドリ・ヒベイロ(Alexandre Ribeiro)、ピアノのゼー・ゴドイ(Zé Godoy)という名手を迎え、ドラムレスのカルテットで演奏される美しい室内楽的ジャズ作品だ。
イギリスの女性ドラマー/作曲家、ジャス・ケイザー(Jas Kayser) の最新EP『Jas 5ive』は、ジャズとアフロビートの境界を自然に溶かし両者を混ぜ合わせる彼女らしい、エキサイティングな作品だ。
好き0ピエール・アデルネ、ブラジルらしいサンバを表現する新譜 ブラジルのSSW、ピエール・アデルネ(Pierre Aderne)の最新作 『Vela Bandeira』は、これまでの彼の作品と比較すると驚くほど直球的にサンバに寄せた内容で、全編でサン […]
アンゴラのSSWアリーネ・フラザォン(Aline Frazão)の5枚目の作品となる2022年新譜『Uma Música Angolana』は、これまでにルゾフォニア(ポルトガル語圏)を中心に世界中の音楽を吸収してきた彼女らしい、洗練されたジャジーな音楽に仕上がっている。が、そのシンプルかつ意味深なタイトルに込められた彼女の想いの強さにも同時に気付かされる素晴らしい芸術作品だ。
白人ラッパーは、ヒップホップをメインストリームへ導き出してきたという意味では無視することのできない存在である。80年代のヴァニラ・アイス(Vanilla Ice)に始まり、90年代にはハウス・オブ・ペイン(House of Pain)のエヴァーラスト(Everlast)などがそれに当たるだろうか。00年代にはエミネム(Eminem)が登場し、10年代はドレイク(Drake)を筆頭に、ポスト・マローン(Post Malone)やマックルモア(Macklemore)といった多くの白人ラッパーを輩出した年代となった。
ポーランドのジャズ・ヴァイオリン奏者/作曲家アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、自身のクインテットに加えゲストにクラシック・ヴァイオリン奏者アガタ・シムチェフスカ(Agata Szymczewska)を迎え制作した新譜『Legend』。ヘンリク・ヴィエニャフスキからインスピレーションを受け作曲された珠玉の音楽。
現代ジャズとエレクトロニックを有機的に繋ぐチェコのカルテット、Point of Fewのデビュー作『Open to Closeness』がリリースされた。2019年に結成されたというサックス、ギター、ベース、ドラムスのカルテットに、ゲストとして米国の巨匠鍵盤奏者ジェイソン・リンドナー(Jason Lindner)も1〜3曲目でゲスト参加している。
フランスの3人のマルチ器楽奏者/シンガーソングライターで構成されるバンド、Soadanの新譜 『Pieds Nus』。西アフリカ、マダガスカル、モーリシャス、レユニオン島といった地の音楽文化に強く影響を受けた作品で、フランス語で歌われる全10曲は様々な音楽的要素が混在した結果、現代的な響きを伴って心地よく耳に届く。
フランスのアコーディオン奏者/作曲家、ティモシー・ル・ネ(Timothée Le Net)の『Ce Sont Nos Parenthèses』は、総勢37名におよぶアーティストたちの比類なき芸術活動の素晴らしい結果だ。西洋の古典的な音楽、ジャズ、東はトルコなどの中東音楽を経て果てはインドの音楽まで、興味深く、非常にクオリティの高い作品に仕上がっている。