• 2023-11-20
  • 2023-11-22

アフロブラジル音楽の大マエストロが人生の折り返し地点を過ぎてから初リリースした傑作ソロアルバム『Dança do tempo(時間の踊り)』

 アフロブラジル音楽の大マエストロ、ウビラタン・マルケス(Ubiratan Marques)が、ソロアルバム『Dança do tempo(時間の踊り)』をリリースした。彼の長いキャリアで初めてのソロアルバムとなる。アフロ・バイーアの伝統を存分に踏まえディープながらも聴きやすい、器楽だけでなく歌も中心の傑作アルバムだ。ロウレンソ・ヘベッチスの『O CORPO DE DENTRO』が衝撃を持って広範囲に受け入れられたように、本作が多くの人に聴かれることを期待したい。

  • 2023-11-19
  • 2023-11-19

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~⑧ニュースクールの名を冠した問題児達。Leaders Of the New School『T.I.M.E』

クールなサウンドを打ち出していた当時のニュースクールにおいて、これだけフィジカル重視の前のめりなマイクリレーを敢行したユニットも珍しい。「これが俺たちのニュースクールだ!」と言わんばかりの熱量で席巻した問題児達。その中心にいたのは他でもないラップモンスター、バスタ・ライムス(Busta Rhymes)である。

  • 2023-11-19
  • 2023-11-19

詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスが築いた世界の軌跡を辿る。孫娘マリアナ・ヂ・モライス新譜『Vinicius de Mariana』

偉大な詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスを祖父に持つブラジルの歌手マリアナ・ヂ・モライス(Mariana de Moraes)が自ら選曲したヴィニシウス作品集『Vinicius de Mariana』がリリースされた。祖父の詩と、バーデン・パウエル、エドゥ・ロボ、シコ・ブアルキ、カルロス・リラ、そしてジョビンやピシンギーニャといった作曲家たちによる素晴らしい楽曲たちを生前のジョアン・ドナートらによる豊かなアレンジで新たに蘇らせている。

  • 2023-11-18
  • 2023-11-18

Autostrad ──想像を絶する凄まじいエネルギーでアラブ諸国を照らすヨルダン発のバンド。

ヨルダンの首都アンマンで2007年に結成されたアウトストラッド(Autostrad)はロック、レゲエ、ラテン、ファンク、ジャズ、アラブ伝統音楽を組み合わせたバンド名「高速道路」のとおりの疾走感のある音楽をアラビア語のヨルダン方言で歌う、アラブ圏で非常に人気のあるバンドだ。アラビア語圏を中心に各国でツアーを行なっているが、2014年にはイギリス・ロンドンでも演奏をした。

  • 2023-11-17
  • 2023-11-16

チェロ弾き語りで名を馳せたSSWアナ・カルラ・マサ、新たなラテン・ルーツの魅力が香る新作『Caribe』

柔らかな感性と卓越した技術のチェロ弾き語りで多くのリスナーを魅了した女性SSW、アナ・カルラ・マサ(Ana Carla Maza)。セルフプロデュースの新譜『Caribe』は驚いたことに、最大時にはセクステット編成で一気に“ラテンジャズ”の作風を前面に押し出してきた作品となった。新曲を中心に、(5)「Astor Piazzola」や(6)「Bahia」などソロで演じた過去作からの楽曲も新たなアレンジが躍動。これまで彼女が見せてこなかった新たな魅力を堪能できるアルバムに仕上がっている。

  • 2023-11-16
  • 2023-11-23

ブラジル最北の歌手パトリシア・バストス、アマゾンの文化に根差した3rdアルバム。カエターノ・ヴェローゾら参加

ブラジル北部、アマゾン川の河口の北に位置するアマパー州出身の歌手、パトリシア・バストス(Patricia Bastos)の新譜『Voz da Taba』は、MPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)好きなら聴き逃せないアルバムだ。ダンチ・オゼッチ(Dante Ozzetti)のプロデュースのもと、ブラジル、とりわけアマゾンの豊かな自然と音楽文化に根差した素敵な楽曲がずらりと並ぶ。

  • 2023-11-14
  • 2023-11-13

キューバを代表するドラマー、ルイ・ロペス・ヌッサによるアメリカ〜カリブの名曲カヴァー集

キューバを代表するドラマー、ルイ・ロペス・ヌッサ(Ruy López Nussa)による新譜『Versiones de La Academia』がリリースされた。今作は彼が指導を務めるハバナにあるキューバ音楽研究所(Cuban Institute of Music)の2009年始動のプロジェクト、「La Academia」のためにアレンジされた著名な楽曲のカヴァー集となっており、お馴染みの名曲をキューバン・ジャズで楽しむことができる。

  • 2023-11-13
  • 2023-11-13

NYジャズの多様性を体現するピアニスト、マダガスカルにルーツを持つマティス・ピカード新譜

ニューヨークで活動するマダガスカル系フランス人ピアニスト/作曲家、マティス・ピカード(Mathis Picard)による初のフルレンスのスタジオアルバム『Heat of the Moment』。3つのピアノトリオを軸に、オールスターとも呼べるゲストたちを迎えて制作された本作は、彼の自然への深い愛や、人間と自然の関わりについてをテーマにした探求の音楽だ。

  • 2023-11-12
  • 2023-11-15

『ENO PIANO』:ブライアン・イーノがスタジオで構築した「アンビエント・ミュージック」の世界をピアノソロで表現。稀代の米国人ピアニスト、ブルース・ブルベイカー (Bruce Brubaker)による新作。

「現代のアメリカン・クラシック・シーンで最もエキサイティングなピアニストのひとり」と評されるピアニスト、ブルース・ブルベイカー (Bruce Brubaker)による新作は、ブライアン・イーノの「アンビエント・ミュージック」の世界をピアノソロで表現した『ENO PIANO』

  • 2023-11-12
  • 2023-11-12

名手ニタイ・ハーシュコヴィッツ、抒情の海へと深く潜る充実のソロピアノ『Call On The Old Wise』、ECMよりリリース

イスラエル屈指のピアニスト、ニタイ・ハーシュコヴィッツ(Nitai Hershkovits)が2018年の『New Place Always』以来となるソロピアノ作品をリリースした。『Call On The Old Wise』と題された今作は前作以上のボリュームで全18曲50分、抒情の海に深く深く潜り込むような豊かな音楽体験に浸る傑作と言って過言ではないだろう。

  • 2023-11-11
  • 2023-11-10

超絶技巧とユニークな表現力で魅せる”Trio Grande 2.0″。ジャズロック、進化のその先へ

2020年にリリースされたアルバム『Trio Grande』は、卓越した技術と個性を持つ現代最高峰のミュージシャンによる新たな化学反応が絶賛されたとてつもない作品だった。彼らの2nd『Trio Grande: Urban Myth』は、ウィル・ヴィンソンとギラッド・ヘクセルマンはそのままに、USのドラマー/ベーシスト、ネイト・ウッド(Nate Wood)がアントニオ・サンチェスに代わり参加。新たな化学反応が楽しめる作品となっている。

  • 2023-11-11
  • 2023-11-12

マリーザ・モンチにマリア・ベターニア、ネイ様にサー様 … & more! MPB史上でもなかなかない程にとんでもない豪華なVo陣を迎えたマルセロ・コスタの新作『Vol.2』

ブラジル音楽のスターを長年に渡って支えてきたドラマー/パーカッショニスト、マルセロ・コスタ(Marcelo Costa)。国内盤CDもリリースされ話題になった前作『Vol.1(Número 1)』(2019年)に続く、『Vol.2』は、ゲストVoに女性を中心に据え、マリア・ベターニア、マリーザ・モンチ、ホベルタ・サー、パウラ・モレレンバウム(Paula Morelenbaum)らが参加。マルセロ・コスタが、MPBのシーンで45年以上にわたり、どんなにか貢献してきたかを窺い知ることができる好盤だ。

  • 2023-11-10
  • 2023-11-10

バリトンサックス、ベース、パーカッションの魅惑の地中海ジャズ・トリオ、Ava Trio

トルコ出身のベーシスト、エサット・エキンジョール(Esat Ekincioğlu)とイタリア出身のサックス奏者ジュゼッペ・ドロンゾ(Giuseppe Doronzo)、そしてスイス出身のパーカッション奏者ピノ・バシーレ(Pino Basile)によるアヴァン地中海ジャズ・トリオ、Ava Trio。ジャズのフォーマットに則りながら南欧、中東、北アフリカをぐるっと一周するような新鮮な音楽体験は唯一無二だ。