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アラブ音楽

  • 2023-09-07
  • 2024-11-03

シリア出身の新星女性ウード奏者ジャワ・マンラ、アラビアの伝統文化に深く根差したデビュー作

シリア出身の新星ウード奏者/作曲家/シンガー、ジャワ・マンラ(Jawa Manla)がアラブの古典音楽をベースにジャズや西洋クラシックの要素を取り入れた美しいアルバム『Distant Roots』でデビューした。収録の5曲はいずれも10分前後と長尺で、ジャワ・マンラ作曲による器楽曲と、彼女がシリアで過ごした子供時代に聴いたアラビア語の曲にインスパイアされた歌曲が収められている。

  • 2023-08-14
  • 2023-08-14

北アフリカ、中東、西洋を繋ぐ華麗なるオーケストラ。モロッコ出身ウード奏者モハメド・アハダフ新譜

アラブ音楽やアンダルシア音楽に精通するモロッコ出身のウード奏者/作曲家モハメド・アハダフ(Mohamed Ahaddaf)の通算4枚目のアルバム『Ana W'inta』がリリースされた。2019年に加入した中東や北アフリカ音楽を専門とするオランダ・アムステルダム拠点のマルムーシャ・オーケストラ(Marmoucha Orchestra)とともに作り上げた作品で、15人ほどの豊かなアンサンブルで個性的なアラビック・ジャズを聴かせてくれる興味深い作品だ。

  • 2023-07-08
  • 2023-07-07

マイケル・リーグ率いるワールドミュージック集団Bokanté、異なる視座から音楽を紐解く3rdアルバム

スナーキー・パピー首謀者マイケル・リーグ率いるワールド・ミュージック集団、ボカンテ(Bokanté)の3rdアルバム『History』は、その重いアルバムタイトルに負けない重厚な雰囲気の作品だ。グアドループ出身の女性歌手マリカ・ティロリアン(Malika Tirolien)によってクレオール語で歌われる9つの楽曲は、勝者によって都合よく作られてきた歴史や文化や音楽に疑問を抱き、これまで光の当てられることのなかった立場にも目を向けさせようとする。

  • 2023-06-23
  • 2023-07-16

野放しだが豊潤なエレガンス。レバノン出身のサックス奏者トゥーフィック・ファルーク新譜

アラブ、バルカン、ブラジルなど様々な音楽性が混淆するレバノン出身・フランス在住のジャズ・サックス奏者/作曲家トゥーフィック・ファルーク(Toufic Farroukh)の新譜『Untamed Elegance』は、期待を裏切らないワールド・ミュージック×ジャズの意欲作だ。彼の過去作でも重要な共演者であったピアノのレアンドロ・アコンチャ(Leandro Aconcha)をはじめ総勢20名近くの音楽家が参加し、ユニークで豊穣な音絵巻を作り上げている。

  • 2023-06-10
  • 2023-06-10

ウードとピアノが中心のイスラエルのエスノ・ジャズ・クインテット、Caifas 魅惑のデビューEP

イスラエルで活動するエスノ・ジャズバンド、CaifásのデビューEP『The Meggido Sessions』。ジャズや中東音楽をベースにした複雑で個性的な楽曲を、ピアノ、ウード、サックス、ベース、ドラムスのクインテットで聴かせる魅力的なグループだ。数多いイスラエル・ジャズの若手グループの中でも、彼らのその土着志向で右に出るものはなかなかいないであろう。

  • 2023-06-05
  • 2023-06-05

モロッコ系歌手率いる、ベルギーのオリエンタル・サイケロック!Gaisha デビュー作『Ana Aïcha』

モロッコ系ベルギー人歌手のアイシャ・ハスカル(Aicha Haskal)を中心に、ベルギーのロックバンドのアブシンス・マインデッド(Absynthe Minded)の元メンバーらで構成されたオリエンタル・サイケロックバンド、ガイシャ(Gaisha)のデビューアルバム『Ana Aïcha』。ユダヤのクレズマー、モロッコやエチオピアの音楽、アラブ音楽といった雑多なアイディアがたまらない、クセになるサウンドだ。

  • 2023-04-14
  • 2024-11-03

急速に混ざり合う世界を象徴する新時代のジャズ。チュニジア出身ワジディ・リアヒのトリオ作

チュニジア出身でベルギーを拠点に活動するピアニスト、ワジディ・リアヒ(Wajdi Riahi)の初リーダー作『Mhamdeya』。フランス出身のベース奏者バシーレ・ラオラ(Basile Rahola)とベルギーのドラムス奏者ピエール・ユルティ(Pierre Hurty)とのトリオを軸に、チュニジアの民族的な音楽の要素を大胆に取り入れた豊かな色彩感のあるジャズを展開する傑作だ。

  • 2023-04-12
  • 2023-04-14

北アフリカ、中東、欧州の音楽を濃縮した圧巻のジャズ。アレフ・クインテット、デビュー。

2018年に結成以来、ベルギーのジャズシーンに新風を起こすアレフ・クインテット(Aleph Quintet)が待望のデビューアルバム『Shapes of Silence』をリリースした。ウード奏者のアクラム・ベン・ロムダンとピアニストのワジディ・リアヒはともにチュニジア出身。彼らがもたらす北アフリカ/アラブのエッセンスと、ベルギー出身のヴァイオリン奏者マーヴィン・ブルラス、ドラマーのマクシム・アズナール、そしてフランス出身のベース奏者テオ・ジッパーによる欧州の抒情的なジャズの完璧な融合は、彼らの演奏技術の高さとも相まって唯一無二の音楽体験を与えてくれる。

  • 2023-03-28
  • 2023-03-26

微分音際立つ中東ジャズとフラメンコの魔法のような融合。エラン・ホーウィッツのデビュー作

中東の伝統音楽にみられる微分音をふんだんに用いつつ、ヨーロッパ最西端の音楽であるフラメンコの要素も融合した驚くべき音楽だった──。イスラエルはエルサレム生まれのベーシスト/作曲家エラン・ホーウィッツ(Eran Horwitz)のデビュー作 『Pashtut』。アルバムのタイトルは“simplicity(シンプルさ)”を意味するもので、彼の人生を32分間に簡潔にまとめました、ということらしいのだが、その内容の濃密さには驚かされるばかりだ。

  • 2023-03-24
  • 2023-03-22

カナダ在住シリア人音楽家たちの楽団タラフ・シリアーナ、荒廃した祖国への想いを込め奏でる音楽

東欧や中東にルーツを持つカナダ在住の4人の音楽家が集い、ルーマニアやシリアの音楽に影響された演奏をするタラフ・シリアーナのデビュー作『Taraf Syriana』。アラビア音階に調律され微分音も特徴的なカーヌーンや、アラブの打楽器ダラブッカで中東音楽を特徴づけつつ、アコーディオンやヴァイオリン、チェロはロマ音楽を表現し、なんとも言えない無国籍感が漂う面白い音楽だ。

  • 2023-03-13
  • 2023-03-16

イスラエル・プログレの知られざるバンドSusita、唯一のアルバムで魅せた圧巻・衝撃の音楽性

イスラエルのバンド、スシータ(Susita, ヘブライ語表記:סוסיתא)が2005年にリリースしたアルバム『סוסיתא』が素晴らしい。シンガー/マルチ奏者のメイロン・エガー(Meiron Egger, מירון אגר)と鍵盤奏者ナダフ・ヴィキンスキー(Nadav Vikinski, נדב ויקינסקי)を中心にリモン音楽学校の同級生たちで2003年に結成されたバンドで、本作が唯一のアルバムとなっているが、これがとんでもなくクオリティが高く、驚きと興奮に満ちている。

  • 2023-01-20
  • 2023-01-19

イタロ・カルヴィーノ名作『見えない都市』に触発。レバノン発の傑作Jazz『Villes invisibles』

レバノン出身・フランス在住のサックス奏者/作曲家トゥーフィック・ファルーク(Toufic Farroukh)の2017年作『Villes invisibles』は、ヨーロッパの洗練されたジャズと、アラブ〜中東音楽の民族音楽が高いレベルで融合した最高に楽しい作品だ。一部には南米音楽のエッセンスも加わる。

  • 2022-09-01
  • 2022-08-31

フラメンコギターとフレットレスギターによる異文化の響宴。アンダルシアとアナトリアの幸せな邂逅

スペインのフラメンコ・ギタリスト、リカルド・モレノ(Rycardo Moreno)とトルコのフレットレス・バリトンギター奏者ジェンク・エルドアン(Cenk Erdoğan)の初のデュオ作『Connected Disconnection』。タイトル「接続された分断」は互いに言葉の通じない二人が音楽によって心を通じ合わせる様を表現する。